
この記事でわかること
- 年40万円をIBJ成婚白書の行動量で割ると、お見合い1回あたり約3.6万円・月約4.3万円という実質単価が見えます
- 成婚率は計算式が統一されておらず、同じ実績が5%にも25%にもなる仕組みと、その見抜き方が分かります
- 解約料の上限は法律で決まっており、8日以内のクーリング・オフと開始後の精算ルールを入会前に確認できます
- 最初の90日で数えるべき3つの数字(申し込み件数・お見合い成立数・仮交際人数)と詰まりどころの見分け方
結婚相談所が「金の無駄」になるかどうかを分けるのは、料金の高さではありません。入会前に総額・期限・撤退ラインの3つを数字で決めたかどうかです。この3つが空欄のまま入会された方ほど、半年後に「何に対して払っているのか分からなくなった」とおっしゃいます。
ここで扱うのはIBJ(日本結婚相談所連盟)に加盟する相談所での婚活です。進み方はお見合い→仮交際→真剣交際→成婚の4段階。仮交際は複数の相手と並行して会える期間、真剣交際は1人に絞って結婚の条件を詰める期間を指します。お金がかかる場所も4つ。入会時の登録料(初期費用)、毎月の月会費、お見合いのたびに発生するお見合い料、そして成婚退会時の成婚料です。この「段階」と「費目」の対応が頭に入っていないと、高いか安いかの判断そのものができません。
以下、今日から順番に手をつけられる5つのステップに整理します。

この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
ステップ1|総額ではなく「お見合い1回あたりいくら」に割り直す
最初にやるのは、パンフレットの数字を並べ替える作業です。複数の比較メディアが2026年時点で示している相場は、おおむね次のレンジに収まります。ただし相談所ごとの幅が非常に大きく、下の表はあくまで目安として見てください。実額は必ず契約前の見積書で確認する必要があります。
| 費目 | 目安 | 払うタイミング |
|---|---|---|
| 登録料・初期費用 | 5万〜20万円(仲人型は10万〜30万円) | 入会時に一括 |
| 月会費 | 1万〜2万円(仲人型は1万〜3万円) | 毎月 |
| お見合い料 | 0〜1万円/回 | お見合いのたび |
| 成婚料 | 0〜30万円 | 成婚退会時 |
1年活動した場合のトータルは、安い型で10万円台、フルサポート型で50万〜80万円というのが公表されているレンジです。仮に40万円だとしましょう。ここで「40万円は高い」と考えるのをやめて、割り算に切り替えます。
IBJが2025年に公開した成婚白書(約2万人の活動データを分析したもの)では、成婚した方の行動量はお見合い約11回、在籍期間の中央値は男性で約9.2ヶ月・女性で約7.6ヶ月でした。この行動量で40万円を割ると、お見合い1回あたり約3.6万円、1ヶ月あたり約4.3万円になります。
高い、と感じたでしょうか。その感覚は正しい情報です。ここで数字を柔らかく見せる記事が多いのですが、実際の単価を直視して「それでも払う」と思えるかどうかが、無駄になるかどうかの最初の分かれ目になります。なお白書の数値は成婚に至った方の集計であり、全員がこの回数・期間で決まるわけではありません。年齢や活動量によって結果には個人差があります。
つまずきやすいポイント:見積もりに載らない出費が毎月かかります。プロフィール写真の撮影が1万〜2万円、お見合い当日のカフェ代が1回2,000〜3,000円、仮交際中のデート代が月に1万〜2万円。ここを計算に入れていないと、3ヶ月目に「思ったより出ていく」と感じて活動量を落としてしまいます。落ちるのはたいてい、お見合いの申し込み件数です。
ステップ2|「いつまでに」を先に決める。判断の目安は9ヶ月
期限を決めていない婚活は、月会費だけが積み上がります。逆に言えば、期限さえ決めておけば総額は自分でコントロールできる、ということでもあります。
目安に使えるのが、先ほどのIBJ成婚白書です。成婚者の32.4%、つまり約3人に1人は半年以内に成婚しています。20代は平均約半年(187日)で、40代前半より4.7ヶ月ほど短い。一方で40代前半の男性は平均17.8ヶ月、30代後半の女性は11.7ヶ月というデータもあります。年代によって必要な時間がはっきり違う、というのが実態です。
ここから逆算します。40代前半の男性が平均どおりに17.8ヶ月かかるとすれば、月会費1.5万円でも月会費だけで26万円超。これを「想定内」として先に見ておくのか、「そんなに続けられない」と考えて別の手段を選ぶのか。入会前に決められる話です。
仮交際から成婚までの進み方は結婚相談所の交際期間は平均4ヶ月|仮交際から成婚までの5ステップで段階ごとに整理しています。全体像を先に入れておくと、期限の置き方が具体的になります。
つまずきやすいポイント:期限を「1年」とだけ決めて、途中の確認日を置かない方が多いです。おすすめは、3ヶ月目・6ヶ月目・9ヶ月目の3回に見直し日を入れること。カレンダーに入れてしまってください。見直し日がないと、うまくいっていない月ほど「来月から本気を出す」で先送りになり、その先送りぶんがそのまま費用になります。
ステップ3|「成婚率◯%」は分母を聞いてから受け取る
ここが、多くの記事が飛ばしている部分です。結婚相談所の成婚率には業界で統一された計算式がありません。同じ実績でも、割る数字を変えるだけで数値が大きく動きます。
たとえば1年間に5名が成婚退会した相談所があるとします。
- 5名 ÷ その年の全退会者20名 = 25%
- 5名 ÷ 総会員数50名 = 10%
- 5名 ÷ その年の入会者100名 = 5%
実績は1つ、数字は3つ。よく引用される「業界平均10%前後」という数値も、年間の成婚者数を調査時点の平均会員数で割ったもので、分母には入会したばかりの人や休会中の人も入っています。だから、50%超を掲げる相談所を見つけたら、責めるのではなく質問してください。「その数字は、何を何で割った数字ですか」。この一言で、説明の丁寧さが分かります。答えが曖昧なまま契約を勧めてくる相談所は、入会後の説明も同じ密度になりがちです。
そしてもう一点、世間でよく言われることに異論を挟みます。「理想を下げれば無駄にならない」——現場の感覚では、これは半分しか当たっていません。条件を下げたのに1年進まない方は珍しくないからです。実際に効いているのは条件の高さより、判断の速さのほうです。仮交際を4人抱えたまま3ヶ月誰にも絞らない、という状態が続くと、条件をいくら緩めても成婚には近づきません。下げるべきは条件ではなく、迷っている時間です。条件そのものの整理については婚活の妥協はどこまで?下げていい条件と残す2つの基準を参考にしてください。
つまずきやすいポイント:成婚率を相談所の優劣として比べてしまうこと。分母が違う数字は並べても比較になりません。比べるなら、直近1年の在籍者数と成婚退会者数を「実数で」聞くほうが早いです。
ステップ4|最初の90日の行動量を決め、月末に3つだけ数える
費用が無駄になるかどうかは、実は最初の3ヶ月でほぼ決まります。ここで動かなかったぶんは、あとから取り返しにくい。
目安として置ける数字があります。IBJの集計では、30代後半の女性が成婚に至るまでのお見合い申し込み数は平均60件、中央値29件でした。平均と中央値がここまで離れているのは、一部の方が非常に多く申し込んでいるためです。中央値のほうを現実的な基準として見るなら、月に5〜8件の申し込みを9ヶ月続けると中央値に届く計算になります。もちろん年代や条件によって必要件数は変わりますし、この数を満たせば成婚するという保証ではありません。
月末に数えるのは、この3つだけで十分です。
- 今月、こちらから申し込んだ件数(目安5〜8件)
- 今月、成立したお見合いの件数(目安1〜3件)
- 今、仮交際が続いている人数(目安2〜3人)
3つのうちどこで詰まっているかで、打ち手が変わります。申し込み件数が少なければ検索と時間の確保の問題。申し込んでいるのに成立しないならプロフィールと写真の問題。仮交際まで行くのに続かないなら、会った時の進め方の問題です。「うまくいかない」とまとめて悩む代わりに、この3つを紙に書いて担当カウンセラーに見せてください。相談の質が変わります。
つまずきやすいポイント:1ヶ月目に申し込みが集中し、2ヶ月目に断られてゼロになる、という波です。断られた翌週に手が止まったというご相談は、本当によくあります。お見合いの申し込みは通らないほうが普通で、成立するのはごく一部。ここを「自分が否定された」と受け取らず、件数のうちの1つとして処理できるかどうかが、3ヶ月目以降の差になります。
ステップ5|撤退ラインと解約ルールを、入会前に書面で確認する
最後のステップが、いちばん抜けやすい。そして「金の無駄」への不安に直接効きます。
結婚相談所の契約は、契約期間が2ヶ月を超え、契約金額が5万円を超える場合、特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたります(消費者庁の特定商取引法ガイド)。難しい言葉ですが、意味はシンプルで、途中でやめる権利が法律で守られている契約ということです。
具体的には、次のように定められています。
- 契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフが可能(原則、支払った額が返ってきます)
- 8日を過ぎても中途解約はいつでもできる
- 解約料の上限も法定。サービス開始前なら3万円、開始後なら「提供済みサービスの対価相当額 + 2万円か契約残額の20%のうち低いほう」
つまり、最悪でも青天井に取られることはない仕組みになっています。国民生活センターに寄せられる結婚相手紹介サービス関連の相談は年間1,500件前後で推移してきましたが、その中心は「解約料が高い」「契約書をもらっていない」といった内容です。裏を返せば、書面を受け取って中身を確認するだけで、多くのトラブルは入口で避けられます。法令の運用や具体的な精算額は個別の契約内容によって変わるため、迷う場合は消費生活センターに確認してください。
その上で、自分の撤退ラインを1行で決めておきます。たとえば「9ヶ月続けて真剣交際に一度も進めなければ、担当を替えるか相談所を替える」。この1行があるだけで、毎月の月会費が「垂れ流し」から「期限つきの投資」に変わります。相談所自体が向いていない可能性を先に検討したい方は、結婚相談所をおすすめしない人の条件|数字で見る6つの理由もあわせてどうぞ。
つまずきやすいポイント:入会面談の場で契約書を読み切ろうとすること。その場で全部理解するのは難しいので、「解約の条項だけ先に見せてください」と伝えて、そこだけ写真に撮って持ち帰るのが現実的です。断られる相談所なら、その時点で判断材料になります。
よくある質問
Q. 結局、結婚相談所はお金の無駄ですか?
A. 全員にとって無駄、とは言えません。リクルートの婚活実態調査2024では、2023年に結婚した人の15.3%が婚活サービス経由で、婚活サービス利用者のうち47.4%が結婚に至っています。ただしこれは相談所だけの数字ではなく、サービス種別や年齢層で結果は大きく変わります。判断すべきは「無駄かどうか」ではなく「自分の年代・予算・使える時間で、期限内に決めきれるか」です。
Q. 途中でやめたら、払ったお金は戻りますか?
A. 契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフの対象になり、原則返金されます。それ以降は中途解約となり、すでに受けたサービス分は戻りませんが、解約料には法律上の上限があります(開始前3万円、開始後は2万円か残額の20%の低いほう+提供済み分)。初期費用の扱いは契約ごとに異なるため、契約書の精算条項を必ず確認してください。
Q. 成婚率が高い相談所を選べば無駄になりませんか?
A. 成婚率は計算式が統一されていないため、数値だけで選ぶのは危険です。ステップ3で触れたとおり、同じ実績が5%にも25%にもなります。数字より、直近の実数と、担当者が「何を何で割ったか」を説明できるかどうかを見てください。
Q. マッチングアプリのほうが安いのでは?
A. 月額の金銭コストで比べれば、アプリは月3,000円程度からとされ、相談所より明らかに安く済みます。違うのは、独身証明書などの書類提出が前提かどうか、そして会うまでにかかる時間です。どちらが向くかは年代と使える時間で変わるため、金額だけの比較では答えが出ません。なお両者は利用者層も年齢構成も異なるので、成婚率同士を直接比べるのは適切ではありません。
無駄にするかどうかは、入会前の30分で決まる
ここまでの5ステップは、どれも入会後ではなく入会前に手をつけられるものです。総額を単価に割り直し、期限を置き、成婚率の分母を聞き、90日の行動量を決め、解約条項を読む。所要時間はせいぜい30分ほど。この30分を飛ばした結果として「金の無駄だった」という言葉が生まれている、というのが現場で見てきた傾向です。
要点をまとめます。
- 年間40万円は、成婚者の平均行動量(お見合い11回・在籍9.2ヶ月)で割ると1回約3.6万円・月約4.3万円。この単価を直視して判断する
- 期限は年代から逆算する。3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月の見直し日をカレンダーに入れる
- 成婚率は「何を何で割ったか」を聞く。同じ実績が5%にも25%にもなる
- 最初の90日は、申し込み件数・お見合い成立数・仮交際人数の3つだけ数える
- 解約は法律で守られている。8日以内はクーリング・オフ、以降も解約料に上限がある
- 下げるべきは条件よりも、迷っている時間
自分の年代と予算で、どのくらいの期間を見ておくべきか。そこだけでも整理したい方は、彩星の無料相談で状況の棚卸しと次の一歩の確認ができます。入会を前提としたご案内はしていません。
※本記事の数値は、IBJ成婚白書(2025年公開)、リクルート婚活実態調査2024、消費者庁の特定商取引法ガイド、および各社が公表する料金相場をもとにした目安です。料金・制度は改定されることがあり、成果には個人差があります。契約前には必ず各相談所の最新の書面と公式情報でご確認ください。
