
この記事でわかること
- 乗り換えは規約上いつでも可能だが、変わるのは「不満の原因が相談所側」の人だけ。5項目の自己診断で切り分ける
- 見切りラインはIBJ成婚白書の在籍中央値(男性約9.2ヶ月・女性約7.6ヶ月)から逆算した3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月の3本
- 活動開始後の違約金は法律上最大2万円(提供済み分の対価は別)。実質負担は新しい相談所の初期費用込みで約7〜19万円が目安
- IBJ加盟店同士の乗り換えでは相手の母集団は変わらない。人への不満か顔ぶれへの不満かで乗り換え先の範囲が決まる
結論から言います。結婚相談所の乗り換えはいつでも可能ですが、乗り換えで状況が変わる人は限られます。判断軸は①不満の原因が相談所側にあるか、②在籍期間が成婚者の中央値(男性約9.2ヶ月・女性約7.6ヶ月)を超えているか、③違約金の法定上限2万円と戻らない初期費用、新しい相談所の初期費用を合わせた負担を回収できる見込みがあるか、の3つです。見切りラインの根拠には、IBJが公開している成婚白書の在籍期間データを使います。
先に、混同しやすい言葉を整理しておきます。
- 乗り換え(移籍):今の相談所を退会し、別の相談所に入会し直すこと。本記事の主題です
- 掛け持ち(併用):退会せずに2社以上へ同時に在籍すること
- 担当変更:同じ相談所の中でカウンセラーだけを替えること
- 休会:籍を残したまま活動と月会費を一時停止すること。制度の有無は相談所ごとに異なります
乗り換えか掛け持ちかで迷う方もいます。掛け持ちは月会費が二重になるうえ、同じ連盟の加盟店同士だと同一人物が二重掲載になり、連盟のガイドラインに触れるおそれがあります。担当が2人になって方針が割れる、という副作用も起きやすい。今の相談所に不満があって動くなら、費用と手間の面で乗り換えのほうが筋が通りやすいので、本記事は乗り換えに絞って進めます。
この先は、見切りラインの根拠になる在籍データ、原因が相談所側か自分側かの切り分け、乗り換え前に試す第3の選択肢、違約金と乗り換え割を含めた損益計算、同じ連盟内と別連盟で変わるもの、6週間の実務手順の順に進めます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
結婚相談所を乗り換えるタイミング|3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月の3ライン
「半年出会いがなければ乗り換え」とよく言われます。ただ、感覚の数字で線を引くと、早すぎる乗り換えで初期費用を二重に払うか、遅すぎて月会費だけが積み上がるかのどちらかになりがちです。
IBJが2026年4月に公開した「2025年成婚白書」(約2万人の成婚者を分析)では、成婚者は平均11人とお見合いし、交際約4ヶ月で結婚を決めています。在籍期間の中央値は男性約9.2ヶ月、女性約7.6ヶ月。ここから逆算すると、3本のラインが引けます。
3ヶ月ライン:申込枠を使い切ってもお見合い成立が0〜1件なら「直す」時期
成婚者が平均11人とお見合いしているなら、3ヶ月で成立0〜1件のペースでは9ヶ月で11人に届きません。ただしこの段階で疑うべきは相談所ではなく、写真・プロフィール文・申込先の年齢帯です。乗り換えではなく、直せるものを直す時期です。
6ヶ月ライン:相談しても具体的な方針が返ってこないなら「担当を変える」時期
お見合いは組めるのに仮交際が続かない。断られた理由を聞いても「ご縁ですね」で終わる。半年たってもこの状態なら、原因は相談所側のサポートにある可能性が高まります。担当変更かセカンドオピニオンを入れるタイミングです。
9ヶ月ライン:在籍が中央値を超えたら「乗り換え」を本格検討
中央値とは、成婚した人を在籍期間の短い順に並べたときの真ん中の値です。在籍期間の分布は短期側に山があり、長期側に裾が長く伸びる形になるため、平均値は長期在籍の方に押し上げられて実感より長く出やすい。だから見切りの目安には中央値を使います。男性9ヶ月・女性8ヶ月を過ぎても成婚の見通しが立たないなら、成婚者の中では「後ろ半分」に入ったということ。ここで初めて、環境を変える選択肢が費用に見合ってきます。
いずれも成婚者を分析した数値であり、活動中の全員に当てはまる目安ではありません。成立件数もラインの位置も、年齢・地域・希望条件で前後します。

乗り換えの原因は相談所側か自分側か|切り分ける5項目
「出会いがないなら環境を変えるべき」。これが世間の通説です。ところが乗り換えのご相談を受けていると、出会いの少なさの原因が相談所側にあったケースのほうが少ない印象があります。数字にはしていませんが、写真の古さ、自己PRの冒頭、申込先の年齢帯の3つを変えただけで申し受けの数が動く方は珍しくありません。
相談の場で乗り換え理由として多く聞くのは、「アドバイスの方向性が合わない」「サポートが薄い」の2つです。どちらも相談所側の要因です。一方で「申込枠が少ない」という不満は、そもそも枠を使い切っていない人には関係がありません。
次の5項目のうち3つ以上が当てはまるなら、原因は自分側にある可能性が高く、乗り換えても同じ結果になりやすいです。
- 毎月の申込枠を8割以上使っていない
- プロフィール写真が1年以上前のもの、または自撮り・スナップ写真
- 申し込み先が自分より5歳以上若い層に偏っている
- 断られた理由を担当に聞いたことがない
- 担当からの提案を「合わない」と感じて実行していない
逆に、枠を使い切り、写真と文章を更新し、提案も実行したうえで半年動かないなら、それは相談所側の問題です。自己PRの直し方は婚活の自己PR例文3選|成立率6%台と冒頭6〜7行から逆算する書き方とNG例にまとめています。
乗り換え前に試す第3の選択肢|担当変更・休会・セカンドオピニオン
「担当と合わない気はするけれど、言い出しにくい」というご相談は珍しくありません。流れはだいたい似ています。入会して3ヶ月ほどで、担当の返事が遅いと感じ始める。申込先を相談しても「いいと思いますよ」しか返ってこない。言い出せないまま半年が過ぎ、月会費の明細を見て初めて「このまま続けていいのか」と立ち止まる。そこで「乗り換え」を検索する方が多いのですが、乗り換えは最後の手段です。その前に、費用の小さい選択肢が3つあります。
| 選択肢 | 費用の目安 | かかる期間 | 向く人 | できない場合 |
|---|---|---|---|---|
| 担当変更 | 0円 | 即日〜2週間 | 相性・連絡頻度・言い方が不満 | 担当が1人だけの小規模相談所 |
| 休会 | 月会費が減額または0円(相談所ごと) | 1〜3ヶ月 | 婚活疲れ・仕事の繁忙期 | 休会制度がない相談所 |
| セカンドオピニオン(単発カウンセリング) | 数千円〜数万円 | 1回60〜90分 | 方針そのものが正しいか迷っている | 所属先の内部事情までは分からない |
| 乗り換え | 違約金上限2万円+初期費用5〜20万円 | 1〜2ヶ月 | 上の3つで解決しなかった | 仮交際中は原則見送り |
担当変更の切り出し方は、感情ではなく「事実→理由→依頼」の順にすると通りやすくなります。
❌ 悪い例:「担当さんと合わない気がするので、変えてもらえませんか」
⭕ 良い例:「この3ヶ月で申込30件・成立2件でした。断られた理由の分析と申込先の見直しを一緒にしたいので、別の視点を持つ方に担当をお願いできますか」
数字を添えると、相談所側も「クレーム」ではなく「改善依頼」として受け取れます。担当が1人しかいなくて変更できない場合は、所属先と利害のない第三者のカウンセラーに単発で相談する方法もあります(有料カウンセリング)。ただし外部の人間は所属相談所の内情までは把握できないので、「今の方針が妥当か」「乗り換えで何が変わるか」を確かめる用途に限るのが現実的です。
乗り換え費用はいくら?違約金の法定上限2万円と損益3モデル
結婚相談所の契約(期間2ヶ月超かつ金額5万円超)は特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たり、中途解約のルールが法律で決まっています。
- 契約書面を受け取ってから8日以内:クーリングオフ(無条件解約)が可能
- サービス開始前の解約:相談所が請求できる上限は3万円
- サービス開始後の解約:提供済みサービスの対価+違約金「2万円か契約残額の20%のいずれか低い額」が上限
つまり活動開始後に相談所が請求できる違約金は、最大でも2万円です。ただし提供済みサービスの対価は別に差し引かれ、すでに支払った登録料・初期費用のうち提供済みの分は戻らないのが一般的です。ここが「乗り換えは損」と感じる正体です。国民生活センターや大阪府の消費生活相談窓口の案内をもとにしていますが、実際の精算は契約書の記載が優先されます。必ずご自身の契約書で確認してください。
| モデル | 違約金(法定上限) | 新しい相談所の初期費用 | 乗り換え割 | 実質負担の目安 |
|---|---|---|---|---|
| A:初期費用が安い相談所へ | 2万円 | 5万円 | 0円 | 約7万円 |
| B:中規模の相談所へ | 2万円 | 10万円 | 1万円 | 約11万円 |
| C:初期費用が高い相談所へ | 2万円 | 20万円 | 3万円 | 約19万円 |
※違約金とは別に、今の相談所へ支払い済みの初期費用のうち提供済み分は戻りません。表の実質負担には含めていないので、実際の持ち出しはこれより増えます。
初期費用5〜20万円、月会費1〜2万円、成婚料0〜30万円は2026年時点の複数の料金調査に基づく相場で、相談所により幅があります。乗り換え割は「他社からの移籍で登録料1万円引き」程度が多く、大きくても3万円前後。しかも「退会から半年以内」「同じ連盟の加盟店からの移籍は対象外」「会員証や会費の支払い履歴の提示が必要」など条件付きが目立ちます。割引を前提に動いたのに条件に当てはまらなかった、というご相談は珍しくありません。割引の有無で乗り換え先を選ぶより、初期費用の総額と月会費で比べるほうが確実です。
解約時に「解約金が5万円と言われた」「返金の話が食い違う」といった場面になったら、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターにつながります。国民生活センターにも、結婚相談所の解約・返金に関する相談は継続的に寄せられています。

同じ連盟内(IBJ→IBJ)と別連盟で変わるもの・変わらないもの
ここが多くの解説で抜けている点です。IBJ加盟店から別のIBJ加盟店へ移る場合、会員データベースは同じなので、出会える相手の母集団は1人も変わりません。変わるのはカウンセラー、推薦文、申込戦略、月の申込枠の4つだけです。
裏を返せば、不満が「アドバイスの質」「サポートの薄さ」なら同一連盟内の乗り換えで解決します。しかし「申し込んでも成立しない」「希望年代の相手が少ない」という不満なら、乗り換えても相手は同じ顔ぶれです。IBJは2026年7月時点で登録会員約11万人・加盟相談所約4,800社と業界最大規模で、30代が中心層。相手の年代分布そのものを変えたいなら、別の連盟も含めて検討する必要があります。
あなたの不満は「人」への不満ですか、それとも「相手の顔ぶれ」への不満ですか。この答えで、乗り換え先の範囲が決まります。
結婚相談所の乗り換え手順|6週間の進め方
実務の手順は、次の週単位が目安です。
- 1〜2週目:5項目で原因を切り分け、担当変更または休会を今の相談所に打診する
- 3〜4週目:乗り換え候補の無料相談を2〜3社受ける。同一連盟内なら「申込枠・推薦文の書き方・仮交際中の面談頻度」を、別連盟なら「会員の年代分布」を必ず聞く
- 5週目:今の相談所にプロフィールの非公開設定を依頼し、退会手続きを進める。仮交際中の相手がいる場合は、交際の結論を先に出す
- 6週目:新しい相談所で登録。同一連盟内では退会完了を確認してから登録しないと二重掲載になり、連盟のガイドラインに抵触する可能性があります
仮交際中に乗り換えを進めると、旧相談所の退会と新相談所の登録が重なり、相手側の相談所から指摘を受けることがあります。交際そのものが白紙になりかねないので、交際中の乗り換えは原則として交際の結論が出てからにしてください。
無料相談で聞いておくべき質問は結婚相談所の無料はどこまで?課金の線引きと相談で聞く12の質問に、大手と個人で何が違うかは結婚相談所の大手と個人の違いは3つ|会員数の差は連盟で消える、5週間の決め方にまとめています。

結婚相談所の乗り換えでよくある質問
Q. 結婚相談所の乗り換え割とは何ですか?
他社で活動していた人が入会するときに、登録料や初期費用を割り引く制度です。相場は1万円前後から3万円程度で、「退会から半年以内」「同じ連盟の加盟店からは対象外」など条件が付くことが多いです。適用の可否と証明書類は、契約前に各相談所へ確認してください。
Q. 結婚相談所を乗り換える時期はいつが良いですか?
在籍が成婚者の中央値(男性約9.2ヶ月・女性約7.6ヶ月)を超え、直せるものを直しても動かないときが目安です。実務上は、仮交際が終了した直後で、月会費の締め日より前に退会手続きを終えると二重の費用が出にくくなります。
Q. 乗り換えたいのですが、どうすればいいですか?
①原因を5項目で切り分ける→②担当変更・休会を打診→③候補の無料相談を2〜3社→④非公開設定と退会→⑤新相談所で登録、の順で、およそ6週間が目安です。同一連盟内では退会完了後に登録するのが鉄則です。
Q. 乗り換えても変わらない人はどんな人ですか?
申込枠を使い切っていない、写真が古い、申込先が若い層に偏っている、断られた理由を聞いていない、提案を実行していない。この5つのうち3つ以上当てはまる人は、乗り換えの前に自分側を直すほうが費用対効果が高いです。
乗り換えを決める前の次の一歩
- 乗り換えはいつでも可能。ただし変わるのは「原因が相談所側」の人だけ
- 見切りラインは3ヶ月(直す)・6ヶ月(担当を変える)・9ヶ月(乗り換え検討)。根拠はIBJ成婚白書の在籍中央値
- 活動開始後の違約金は法律上最大2万円。損の正体は戻らない初期費用と、新しい相談所の初期費用5〜20万円
- 乗り換え割は1〜3万円程度で条件付き。割引ではなく総額と月会費で選ぶ
- IBJ→IBJは相手の母集団が同じ。「人」への不満か「顔ぶれ」への不満かで乗り換え先の範囲を決める
まずは今週、申込枠の消化率と直近3ヶ月の申込数・成立数を数えてみてください。その数字が、担当変更で済むのか、乗り換えが必要なのかを教えてくれます。数字を見ても判断がつかなければ、所属先と利害のない第三者に方針だけ確認する方法もあります(有料カウンセリング)。
本記事の数値は公表統計・複数の料金調査・法令の一般的な解釈に基づく目安であり、成果や費用には個人差・相談所ごとの差があります。相談の場での傾向として書いた部分は統計値ではありません。契約・解約の条件、料金、連盟の会員属性は変動するため、必ずご自身の契約書と各相談所・各連盟の公式情報でご確認ください。
出典
- IBJ(日本結婚相談所連盟)「2025年成婚白書」(2026年4月公開、成婚者約2万人を分析):平均お見合い人数11人、交際約4ヶ月、在籍期間中央値 男性約9.2ヶ月・女性約7.6ヶ月
- IBJ 2026年7月度 登録会員数・成婚組数・加盟相談所数(IBJプレスリリース/財経新聞 2026年8月4日報道)
- 国民生活センター・大阪府消費生活相談窓口:特定継続的役務提供(結婚相手紹介サービス)のクーリングオフ・中途解約の上限
- 初期費用・月会費・成婚料・乗り換え割の相場:2026年時点の複数の結婚相談所料金調査サイトの公表値。変動するため保証しません
