
この記事でわかること
- 成婚前の確認はお金・住まい・仕事・子ども・成婚の定義の5領域に集約される
- 成婚料は相談所により無料〜30万円超と幅があり、金額は各相談所の規約で要確認(支払いは退会時が多い)
- 成婚の定義は相談所ごとに違い(プロポーズ成立型・両家顔合わせ型)、確認不足だと退会後に交際が停滞するリスク
- IBJ加盟相談所のアンケート(回答約986人)では成婚退会後6ヶ月以内の入籍が約8割という参考傾向
成婚前に確認しておきたいことは、突き詰めると「お金」「住まい」「仕事」「子ども」、そして意外に見落とされる「成婚の定義」の5領域です。ここを退会前にすり合わせておけば、退会後に「こんなはずじゃなかった」と立ち止まるリスクはぐっと下がります。逆に、勢いのまま成婚退会してしまうと、相談所のカウンセラーという伴走者を失った状態で難しい話し合いをすることになります。
この記事では、その5領域を7つの確認項目に落とし込んで整理します。真剣交際が進んで「そろそろ成婚退会」が視野に入ってきた方に、最後の確認として読んでいただければと思います。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
結論:成婚退会は「ゴール」ではなく「入籍への出発点」
まず前提を一つ。多くの相談所で、成婚退会は入籍そのものを指しません。プロポーズの成立や結婚の意思確認、両家の顔合わせをもって「成婚」とする相談所が大半です。IBJ(日本結婚相談所連盟)本体の定義でも、プロポーズの成立や結婚の意思確認をもって成婚とするのが原則で、同居や入籍そのものは成婚の条件としないのが基本です。ただし、加盟する各相談所の運用には差があります。
つまり退会した時点では、まだ入籍していないのが普通なのです。ここを誤解したまま退会すると、伴走者がいない状態で入籍準備を進めることになります。
では、退会前に何を確認しておけばいいのか。現場でご相談が多い順に、7項目を見ていきましょう。まずは全体像を一覧で押さえてください。
| # | 領域 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1・2 | お金 | 相手の貯金・借金・年収/成婚料などの実費 |
| 3 | 住まい | 同居・転居・親との距離 |
| 4 | 仕事 | 結婚後の働き方と家事・育児の分担 |
| 5 | 子ども | 希望の有無とタイミング |
| 6 | 成婚の定義 | 相談所ごとの定義/退会後サポートの有無 |
| 7 | スケジュール | 入籍までの時系列の共有 |

確認1・2:お金——貯金・借金と、成婚料などの実費
お金の確認は二層に分けると整理しやすくなります。一つは相手との家計、もう一つは自分たちが今から払う費用です。
相手の貯金・借金・年収の考え方
「借金の有無を聞きにくい」というご相談は、真剣交際の段階で本当によく寄せられます。結婚前の借金は、一般的には配偶者に返済義務が及びません。ただし連帯保証人になっている場合や、生活費など日常の暮らしに関わる債務(日常家事債務)は例外で、配偶者も責任を負うことがあります。いずれにせよ入籍後は同じ家計になり、生活設計には確実に影響します。奨学金なのか、車のローンなのか、そうでないのか。金額よりも「何のための借入で、返済の見通しがあるか」を確認できれば十分なことがほとんどです。
ここで通説に一つ異論を。「お金の話は退会後、二人で落ち着いて」と言われがちですが、私は逆だと考えています。聞きにくいお金や過去の話ほど、カウンセラーがいる退会前に確認しておくほうが、角が立たずに済むのです。退会前は、第三者を挟める最後のタイミングでもあります。
成婚料・結婚式・新生活の費用
見落とされがちなのが、成婚に伴う自分側の実費です。成婚料は相談所によって幅が大きく、無料のところから30万円を超えるところまでさまざまです。一般的な目安として15〜30万円程度とされることもありますが、これはあくまで参考値で、金額・支払いのタイミング(成婚退会時が多い)・男女の負担割合はいずれも各相談所の規約で決まります。効果や進み方に個人差があるのと同じで、成婚料も「相場はこれ」と一律には言い切れません。自分が所属する相談所の規約で、正確な金額を必ず確認してください。
これに結婚式や指輪、新居費用が重なります。誰がどこまで負担するのか、退会前に大枠だけでも話しておくと、退会後の資金繰りで慌てずに済みます。総額の内訳や2026年の最新事情を知りたい方は、結婚相談所の費用相場は総額いくら?内訳と2026年の最新事情で確認できます。
確認3:住まい——同居・転居・親との距離
住む場所は、仕事にも親との関係にも直結する要の項目です。どちらの職場に近い場所に住むのか。将来的に親と同居する可能性はあるのか。転勤があるなら、そのときどうするのか。
現場では、住むエリアの希望は一致していたのに、親との距離感や将来の同居をめぐって意見が割れる、というケースをよく見ます。「なんとなく相手に合わせるつもり」で退会し、いざ物件探しの段階で希望がぶつかる、というご相談も珍しくありません。エリアだけでなく、親との距離をどう考えるかまで、二人の第一希望を口に出しておくと、後の話し合いがずっと楽になります。
確認4:仕事——結婚後の働き方と家事の分担
共働きを続けるのか、どちらかが働き方を変えるのか。ここは子どもの希望とセットで考えると噛み合います。
特に、家事・育児の分担を「なんとなく」で流さないこと。現場では、結婚後の働き方はよく話していたのに、日々の家事の分担は一度も口にしていなかった、というご相談をよく見ます。平日の食事は誰が用意するのか。掃除や洗濯は。細部まで決める必要はありませんが、「二人とも当事者だ」という前提を共有できているかが肝心です。
確認5:子ども——希望の有無とタイミング
子どもを望むか、望むならいつ頃を考えているか。人数の希望や、妊娠・育児にまつわる考え方。ここは価値観の根幹に触れるため、ずれていると入籍後に大きな溝になりかねません。
現場では、子どもを望むかどうかは話していても、「いつ頃」というタイミングまでは詰めていなかった、というご相談は珍しくありません。年齢によっては時間的な制約もあります。だからこそ、退会前に率直に話しておきたい項目です。曖昧なまま進めず、お互いの本音を確認しておきましょう。
確認6:成婚の「定義」——退会後に交際が止まる落とし穴
上位の一般的な記事ではあまり触れられませんが、現場で最も注意を促したいのがこれです。
先に述べたとおり、成婚の定義は相談所ごとに異なります。大きく分けると、プロポーズの成立をもって成婚とする「プロポーズ成立型」と、両家の顔合わせまでを条件とする「両家顔合わせ型」があります。ここを確認せずに退会すると、伴走者を失ったあとで交際が停滞し、いわゆる「成婚迷子」になるリスクがあります。
※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。真剣交際の熱量のまま退会したものの、退会後に相手の煮え切らない態度が見え、相談先を失って悩む——こうした流れは実際に起こり得ます。自分の相談所が何をもって成婚とするのか、そして退会後に何かあったときのサポートはあるのかを、退会手続きの前に必ず確認してください。
確認7:入籍までのスケジュール——半年以内が一つの目安
IBJ加盟相談所を対象としたアンケート(回答約986人)では、成婚退会後6ヶ月以内に入籍した人が約8割という傾向が報告されています。あわせて成婚者の交際日数の中央値は男女とも約90〜119日(およそ3〜4ヶ月)、真剣交際の目安も3ヶ月前後というのが一つの見方です。ただしこれらは調査の対象や年によって変わる参考値で、絶対の基準ではありません。
この数字をそのまま逆算すると、退会前後にやることの順番が見えてきます。ここでつまずきやすいのは、スケジュール感を共有しないまま退会し、親への挨拶の段取りでばたつくパターンです。親への挨拶や親紹介はプロポーズの前に済ませ、女性側の親から先に、という流れをとる人が多いようです(決まりではありません)。おおまかな時系列を二人で口に出しておくだけで、退会後の半年はずいぶん落ち着きます。

よくある質問
Q. 成婚退会したら、もう相談所には相談できませんか?
相談所やプランによって対応は異なります。退会後のフォローがある所もあれば、退会をもってサポート終了となる所もあります。だからこそ、退会前にサポート範囲を確認しておくことが大切です。効果や進み方には個人差がある点も念頭に置いてください。
Q. 借金や過去の結婚歴は、いつ確認すべきですか?
カウンセラーが間に入れる真剣交際中〜退会前が現実的です。第三者を挟めるため、直接聞くより角が立ちにくいという利点があります。なお再婚に関する不安がある方は、再婚率の実際と進め方をまとめた婚活でバツイチは不利じゃない|再婚率と成功の進め方【2026年版】も参考になります。
Q. 確認すること全部を、退会前に決めきる必要がありますか?
結論まで出しきる必要はありません。大切なのは「話題に一度も触れていない項目をなくす」こと。方向性さえ共有できていれば、細部は退会後にすり合わせられます。
退会ボタンを押す前に、もう一度
成婚退会は嬉しい節目ですが、同時に伴走者を手放す瞬間でもあります。お金・住まい・仕事・子ども、そして成婚の定義とスケジュール。この7項目を一度でも話題にできていれば、退会後の半年は落ち着いて進められるはずです。
もし「この相手で本当に退会していいのか」「確認の切り出し方がわからない」と迷いがあるなら、それは立ち止まって整理すべきサインかもしれません。自分の状況を客観的に見たい方は、婚活タイプ診断で現在地を確かめるところから始めてみてください。
