
「バツイチの自分なんて、選んでもらえないんじゃないか」——40代で離婚を経験された男性から、無料相談でこう切り出されることは珍しくありません。前の結婚がうまくいかなかった負い目と、養育費の負担。その二つを抱えたまま、一歩を踏み出せずにいらっしゃいました。
結論からお伝えします。バツイチであること自体は、婚活で決定的な不利にはなりません。むしろ結婚生活の現実を知っている点は、相談所の現場ではプラスに働く場面が多いのです。大切なのは「離婚歴をどう伝え、どう進めるか」という設計。この記事では、その具体策を数値と現場感覚の両面から整理します。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
「バツイチだと難しい」は、どこまで本当か
まず不安の正体を、数字で見てみましょう。厚生労働省の人口動態統計をもとにした集計では、婚姻全体に占める再婚(夫婦のどちらか、または両方が再婚)の割合はおよそ26.8%。つまり4組に1組がどちらかの再婚という計算になります。決して珍しい話ではありません。
離婚後の動きも見てみます。離婚から5年以内に再婚した割合は男性26.6%、女性22.1%というデータがあります。20〜30代で離婚した人に限れば、3割以上が5年以内に新しいパートナーと出会っているとされます。「バツイチは再婚できない」という思い込みは、実態とはかなりずれているのです。

ただし、正直にお伝えすべき点もあります。年代が上がるほど再婚のペースは緩やかになる傾向があり、女性では40〜44歳で14.0%、45〜49歳で13.0%という数字も報告されています(いずれも厚生労働省の統計に基づく試算です)。数値は年代・調査時期で変わるため、あくまで傾向として捉えてください。だからこそ「難しい」で止まらず、進め方で差をつける発想が要ります。
相談ケースの彼が見落としていた「バツイチが選ばれる理由」
冒頭の男性は、自分の離婚歴を「弱み」としか捉えていませんでした。ここに大きな認識のずれがあります。
結婚相談所の現場では、再婚を望む方や離婚歴に理解のある方が一定数活動しています。そうした相手から見ると、一度結婚生活を経験した人はこう映ります。
- 結婚後の生活を具体的にイメージできる(理想と現実のバランスを知っている)
- 家事や家計の分担について、地に足のついた話ができる
- 失敗を振り返り、同じことを繰り返さない意識を持っている
とくに再婚を視野に入れている相手にとって、これらは初婚の方にはない安心材料です。現場では「バツイチの落ち着きが決め手になった」というご成婚のケースをよく見ます(※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています)。負い目に感じていた経験が、実は相手を安心させる材料になりうる。この視点の転換が、最初の一歩になります。
離婚歴は「いつ・どう伝えるか」——隠さないのが結局は近道
「離婚歴はいつ言えばいいのか」。これは検索でも非常に多い悩みです。
結婚相談所での婚活なら、答えはシンプルです。プロフィールの段階で最初から開示します。相談所ではお見合いを申し込む前に婚姻歴が分かる仕組みが一般的で、その上でお見合いが成立します。つまり相手は「バツイチだと知った上で会ってくれている」わけです。ここが、婚活アプリや婚活パーティーとの大きな違いでもあります。
よく「離婚歴はマイナスだから、会って印象が良くなってから伝えるべき」と言われます。でも現場の実感は逆です。後から打ち明けるほど「隠していた」という印象が残り、信頼を損ねます。最初から開示している相手のほうが、むしろ誠実だと受け取られる。隠さないことが、遠回りに見えて一番の近道なのです。
伝え方で一点だけ。離婚理由を聞かれたとき、前の相手を一方的に責める語り口は避けたほうが賢明です。「価値観の違いを、当時はうまく擦り合わせられませんでした」——このくらい落ち着いて話せると、相手は安心します。
お金の不安に、具体的な数字で向き合う
バツイチ婚活で最大の壁になりやすいのが、お金の話です。とくに養育費を払っている方は「相手にどう思われるか」を強く気にされます。
相場を知っておくと、話が具体的になります。厚生労働省の令和3年度 全国ひとり親世帯等調査によると、養育費の平均月額は母子世帯で約50,485円、父子世帯で約26,992円。最高裁の司法統計では、月4万〜6万円が最も多い水準とされています。

大切なのは、この数字を相手に隠さず、生活設計として一緒に考えられる形で伝えることです。「毎月5万円を子どもに送っている。その上で二人の家計はこう組みたい」と具体的に示せる人は、むしろ責任感のある相手として評価されます。抽象的に「お金が心配で」と濁すより、数字で語るほうが信頼につながる。これは現場で何度も確認してきた傾向です。お金の全体像が気になる方は、結婚相談所の費用相場は総額いくら?内訳と2026年の最新事情もあわせて確認しておくと、活動費用まで見通せます。
2024年の法改正で「離婚直後から動ける」ように
あまり知られていませんが、婚活の前提を変える制度改正がありました。
2024年4月1日施行の民法改正により、女性にだけ課されていた再婚禁止期間(離婚後100日)が廃止されました。以前は女性の場合、離婚後すぐに再婚できないという制約がありましたが、現在は離婚が成立すればすぐに次の婚姻へ進めます。嫡出推定のルールも見直され、離婚後に生まれた子の扱いも整理されました(出典:法務省)。
つまり「離婚が落ち着いてから」と待つ必要は、制度上はありません。もちろん心の整理には時間がかかるものですし、無理に急ぐ必要はまったくありません。ただ「制度が邪魔をして動けない」という状況は、もう存在しないのです。
どこで進めるか——バツイチ婚活と結婚相談所の相性
出会いの手段はいくつかありますが、離婚歴のある方の再婚では、結婚相談所の仕組みが噛み合いやすいと感じます。理由は三つです。
- プロフィールで婚姻歴が最初から共有され、隠す・伝えるの悩みが起きにくい
- 独身証明書の提出が必須で、相手が本当に独身だと確認できる(既婚者や遊び目的が入りにくい)
- お見合い→仮交際→真剣交際→成婚という段階があり、焦らず相手を見極められる
「一人で婚活を進める自信がない」という声もよく届きます。実際、離婚の傷が癒えきらないうちの活動は、判断が揺れがちです。伴走者と進める意義については婚活が一人でできないのは当然|自力の限界と伴走者の選び方で詳しく触れています。始める前の準備を整えたい方は結婚相談所の入会前準備|3週間前から動く逆算チェックリストが実務の助けになるはずです。
よくある質問
Q. バツイチの婚活はいつから始めるべきですか?
制度上は離婚成立後すぐに動けます。ただし心の整理が追いつかないうちは判断が鈍りがちです。前の結婚を冷静に振り返れるようになったら、それが一つの目安です。年齢との兼ね合いは婚活を始めるタイミングは何歳?逆算でわかる後悔しない開始時期を参考にしてください。
Q. 子持ちのバツイチは婚活に不利ですか?
一概に不利とは言えません。再婚を望む相手のなかには子どもがいる前提で相手を探す方もいます。むしろ隠さず最初から共有することで、価値観の合う相手と早く出会えます。連れ子との関係や面会交流など、成婚後の生活設計まで見据えて進めるのが失敗を避けるコツです。
Q. 婚活でバツイチだといつ伝えたらいいですか?
結婚相談所ならプロフィール段階で自動的に開示されます。会ってから伝えるか悩む必要はありません。離婚理由を聞かれたときは、前の相手を責めず、落ち着いて事実を話せれば十分です。
一度の失敗は、次を良くする材料になる
冒頭の男性は、離婚歴を「消したい過去」だと思い込んでいました。けれど整理して振り返れば、それは次の結婚で同じ後悔をしないための材料でもあります。バツイチであることは、婚活の終わりではありません。
まず必要なのは、自分の状況を正しく把握すること。再婚率、伝え方、お金、制度——不安の一つひとつを具体化すれば、進む道は見えてきます。何から手をつけるか迷ったら、あなたの状況に合った次の一歩を一緒に整理するところから始めましょう。効果や進み方には個人差がありますが、動き出した方から順に景色は変わっていきます。
