
この記事でわかること
- お見合い結婚の後悔は「見極め不足」「妥協の質」「短期決着の圧力」の3つに分解でき、それぞれ対処法が違う
- 「離婚率10%vs40%」は業界集計で公的統計ではなく、母集団も違うため安心材料に使えない
- 真剣交際の開始日を起点に1〜2週目・3〜6週目・7〜9週目・10〜12週目で確認する項目と聞き方のセリフ例
- 期限内に確認しきれない時は、延長の申し出→項目を2つに絞る→第三者に整理してもらう、の3段階で対処
お見合い結婚で後悔する原因は、「見極め不足」「妥協の質」「短期決着の圧力」の3つにほぼ分解できます。交際期間が短いこと自体より、その期間に何を確認したかで結果が分かれます。この記事では、真剣交際中に確認しておきたい項目を週ごとに整理しました。
先に用語を確認しておきます。IBJ加盟の結婚相談所では、お見合い(初回60分の顔合わせ)→仮交際(複数の相手と並行して会える期間)→真剣交際(1人に絞って結婚を前提に付き合う期間)→成婚退会、の順で進みます。多くの相談所が仮交際1〜2か月・真剣交際2〜3か月を目安にしており、これを「3か月ルール」と呼びます(運用は相談所ごとに異なります)。
後悔の3分解、「離婚率10%」説の検証、真剣交際1〜12週目の確認リスト、期限内に確認しきれない場合の代替案、すでに結婚して後悔している場合の出口、の順で書いていきます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
「真剣交際3週目、断る理由がないのに決められない」という相談ケース
最近いただいたご相談は、こんな内容でした。仮交際を2か月、真剣交際に進んで3週目。相手は誠実で、年収も住まいも希望に合う。それなのに「この人と決めていいのか」が分からず、夜になると不安が押し寄せる。担当者からは「そろそろ結論を」と言われている——。
※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。
婚活の現場で、この型の相談は珍しくありません。共通しているのは、「断る理由がない」を「決める理由がある」と取り違えている点です。この2つは別物。断る理由がないまま成婚退会すると、結婚後に「日常で出会っていたら選んでいなかったかもしれない」という形の後悔になりやすい。もちろん例外はありますが、私が担当してきた範囲ではそう感じています。
お見合い結婚は今や少数派ではありません。国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査では、2018〜2021年に結婚した夫婦のうち見合い結婚は9.9%。前回調査(2010〜14年に結婚した夫婦)と比べて4.6ポイント上がっています。その中心が親の紹介ではなく結婚相談所であることが、この記事の前提です。
お見合い結婚の後悔は3つに分解できる|見極め不足・妥協の質・短期決着の圧力
「後悔しそうで怖い」という漠然とした不安は、分解すると対処できるものに変わります。冒頭のケースを3つの原因に当てはめてみましょう。

原因1: 見極め不足|確認したのは「条件」で、確認していないのは「生活」
見極め不足とは、相手を知らなかったことではなく、確認する項目が偏っていたことです。プロフィールで分かる年収・学歴・家族構成は最初から把握できています。分からないのは、家計の分け方、休日の過ごし方、疲れている時の態度、けんかの後の戻り方。結婚後の生活で毎日出てくるのは後者のほうです。
司法統計(婚姻関係事件の申立て動機、3つまでの複数回答)によると、離婚調停の申立て動機で最も多いのは「性格が合わない」で、男性59.9%・女性38.3%です。複数回答なので、「男性の6割が性格の不一致だけを理由に申し立てた」という意味ではありません。そしてこれは結婚の形態を問わない数字で、お見合い結婚に固有の後悔でもない。つまり、お見合い結婚特有の後悔(恋愛感情の薄さ・交際の短さ)と、結婚一般の後悔(家事分担・お金・性格)は分けて考える必要があります。
原因2: 妥協の質|「言語化した妥協」と「なんとなくの妥協」は別物
妥協そのものは悪くありません。問題は、何を何のために譲ったかを言葉にしていない妥協です。
| 妥協の種類 | 例 | 後悔になりやすさ |
|---|---|---|
| 言語化した妥協 | 「年収は希望より50万円低いが、転勤がなく共働きを続けられる方を優先した」 | 低い(理由を思い出せる) |
| なんとなくの妥協 | 「もう疲れたし、悪い人ではないから」 | 高い(理由が残らない) |
| 他人基準の妥協 | 「担当者も親も良い人だと言うから」 | 高い(不満の矛先が外に向く) |
後悔の相談をされる方は、「なんとなく」か「他人基準」のどちらかに当てはまることが多い。これは統計ではなく、現場での私の実感です。譲れない条件を2〜3個に絞りなさい、という助言はよく見かけますが、絞った条件を「なぜそれを優先したか」まで書き残しておくほうが、結婚後の効き目は大きいと感じています。
原因3: 短期決着の圧力|交際中央値4か月という数字の裏側
IBJの成婚白書2024年度版では、成婚者の交際日数の中央値は約4か月、在籍日数の中央値は9か月、お見合い回数は10〜12回が目安です。夫婦全体の「出会いから結婚までの期間」の平均4.9年(第16回出生動向基本調査、結婚形態を問わない数字)と比べると、桁が違います。
圧力の正体は「期限」と「並行して会っていた他の相手をすでに断っている状態」の2つです。真剣交際に進んだ時点で、他の申し込みは受けられません。ここで「期限が来たから決める」と「確認が終わったから決める」が混ざります。この混同こそが、冒頭のケースの正体でした。
「お見合い結婚は離婚率10%だから後悔しにくい」は根拠が弱い
お見合い結婚の後悔を扱う記事の多くが、「お見合い結婚の離婚率は約10%、恋愛結婚は約40%」と書いています。私はこの数字を安心材料に使わないよう、いつもお伝えしています。
理由は2つ。この数字は政府統計ではなく結婚相談所・婚活業界の集計で、一次資料が明示されていないこと。もう1つは、母集団が違うことです。相談所の成婚者は30〜40代が中心で結婚の意思が固まった人だけなのに対し、恋愛結婚全体には20代の若年婚も含まれます。同じ土俵での比較になっていません。詳しい検証は結婚相談所の離婚率10%に根拠なし|2万人調査で見る本当の差で扱っています。
代わりに私が使うのは、結婚形態を問わない数字です。既婚男女3,000人を対象にした2025年の調査(ノマドマーケティング、プレスリリース由来のため参考値)では、42.8%が「結婚を後悔したことがある」と答えています。出会い方別に夫婦関係の満足度を比べた554名の調査(ナレソメノート、同じく参考値)では、婚姻5年以上で結婚相談所経由が最も高く、最も低い「学校」との差は1.25点でした。どちらも単一企業の調査で、調査設計の詳細は公開されていません。傾向をつかむ材料にとどめてください。
ここから言えるのは、「後悔は結婚形態を問わず起こる」「お見合い結婚が特別に後悔しやすい証拠はない」の2点までです。安心もできないし、悲観する根拠もない。だから確認項目を具体化する意味があります。
交際中央値4か月の中で確認する項目リスト|真剣交際1〜12週目の目安
「具体的に、いつ、何を聞けばいいんですか」。この問いに答えるのが、この記事の中心部分です。真剣交際の開始日を起点に、週単位で並べました。仮交際中に一部を済ませていれば、その分前倒しで構いません。
| 時期(真剣交際開始から) | 確認する項目 | 確認したいのは |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 住む場所・転勤の有無・共働きの前提・結婚の希望時期 | 生活の骨組みが一致するか |
| 3〜6週目 | 貯蓄と借金の有無・家計の分け方・子どもの希望と時期・不妊治療への考え | 数字を出し合えるか、答えにくい話題での態度 |
| 7〜9週目 | 親との距離(同居・介護・帰省頻度)・家事分担 | 相手の実家を交えた時に変わらないか |
| 10〜12週目 | 休日の過ごし方・けんかの仕方と仲直りの型・残した項目の最終確認 | 結婚後の日常を具体的に想像できるか、宿題が残っていないか |
順番には理由があります。1〜2週目の項目は「合わなければ真剣交際を続けても仕方がない」ものなので最初に置きます。3〜6週目のお金と子どもの話は、最も答えにくく、最も後悔に直結する項目です。ここを両親への挨拶より後回しにすると、断りにくい状況で確認することになります。7〜9週目は相手の実家が話題に入ってくる時期で、それまで穏やかだった人の言い方が変わることがある。10〜12週目は新しい項目を増やすより、残した宿題を片づける期間と考えてください。
確認したいのは「答え」より「答え方」
項目を確認する目的は、正解を照合することではありません。答えにくい質問をした時に、相手がどう振る舞うかを見ることです。はぐらかす、怒る、話をそらす。この反応は結婚後に何度も出てきます。逆に、数字を出してくれる、分からないことを分からないと言える、後日改めて答えてくれる。こうした態度は、条件の一致より長く効きます。
「貯蓄の話を出したとたん、急に別の話題になった」というご相談は珍しくありません。私がお願いしているのは、その場の反応だけで判断しないことです。数日たってから相手のほうから話を戻してくるか、そのまま流れるか。そこまで見て、初めて「答え方」が分かります。
聞き方の例を挙げます。
❌「借金とかないですよね?」
⭕「お互いの家計を先に共有しておきたくて。私は貯蓄が◯◯万円で、奨学金の残りが◯◯万円あります。◯◯さんの状況も教えてもらえますか」
❌「子どもは欲しいですか?」
⭕「私は◯歳までに1人は欲しいと思っていて、授からなかった時は治療も◯回までは考えています。◯◯さんはどう考えていますか」
良い例に共通するのは、自分の数字を先に出していることです。先に開示した側が、相手の開示を引き出します。仮交際中の会話の組み立ては仮交際のデート場所は「会話が続くか」で決める|回数別の正解にまとめています。
期限内に確認しきれない時の代替案|延長の申し出と第三者の使い方
理想どおりに12週で全項目が確認できるとは限りません。相手の仕事が忙しい、親の顔合わせが先に入った、自分の気持ちが追いつかない。そうした時の対処を3段階で示します。
第1案は、真剣交際の延長を担当者に申し出ることです。3か月という期間は相談所ごとに「目安」「原則」「延長可」と運用が分かれます。同じIBJ加盟でも扱いは同じではないので、「真剣交際の期限はいつで、延長を申し出た場合はどう扱われますか」と、真剣交際に入る前に聞いておいてください。延長の可否より、「未確認の項目が2つ以上残っているなら期限より項目を優先する」という基準を先に持つことが大切です。
第2案は、確認項目を2つに絞って相手に伝えることです。「あと、お金の分け方と親御さんとの距離感だけ、結論を出す前に話しておきたいです」と言えば、相手にも期限にも誠実です。全項目を完璧にする必要はありません。
第3案は、担当者以外の第三者に状況を整理してもらうことです。担当者は成婚まで伴走する立場なので、「決めるべき」に寄った助言になることがあります。今の相談所を辞めずに第三者の視点を入れる手順は婚活のセカンドオピニオンとは|辞めずに第三者へ相談する手順に書きました。「担当者には言いにくいが、誰かに整理してほしい」という段階なら、まずそちらを読んでみてください。担当者との相性そのものに迷いがある場合は結婚相談所のカウンセラーと相性が合わない時|見極め7質問と担当変更の判断が参考になります。
失敗しやすい時期も書いておきます。真剣交際7〜8週目、相手側から「両親に会ってほしい」と言われるタイミングです。ここで未確認の項目を抱えたまま顔合わせに進むと、以後は断る心理的な負担が急に重くなります。顔合わせの前に、3〜6週目の項目だけは終えておくことを勧めています。
すでにお見合い結婚して後悔している場合の出口
この記事を読む方の中には、すでに結婚していて「後悔している」と検索した方もいるはずです。結婚形態を問わず、既婚者の42.8%が後悔した経験を持つ(前述のノマドマーケティング調査、参考値)ことは、まずお伝えしておきます。
後悔の質は時期で変わります。出会い方別の満足度調査(ナレソメノート、参考値)で結婚相談所経由が高いのは婚姻5年以上の層で、結婚1年前後では恋愛感情の薄さに悩む声が目立ちます。「今の後悔がどの時期の後悔か」を切り分けるだけで、見え方が変わることがあります。
「離婚すべきか、修復できるか」を一人で決める前に、やってほしいことが1つあります。交際中に確認できなかった項目の「後追い確認」です。不満として伝えると衝突になりますが、「結婚前に聞けなかったことを今から聞きたい」と切り出せば、確認リストの3〜6週目以降の項目はそのまま使えます。ここで相手が答えようとするなら、修復の余地を探る材料になる。答える姿勢そのものがないなら、それが判断材料です。
それでも話し合いが成り立たない場合、相談先は婚活カウンセラーではありません。夫婦関係を専門とするカウンセリング、各自治体の家庭相談窓口(名称は自治体によって異なります)、法的な整理が必要になった段階では法テラス(日本司法支援センター)の相談窓口が候補になります。婚活の相談所は結婚までの伴走が専門なので、結婚後の問題は別の専門家に切り替えたほうが早い。これは私自身、そう案内しています。
お見合い結婚の後悔についてよくある質問
Q. お見合い結婚で後悔する人の割合はどのくらいですか?
お見合い結婚だけを切り出して後悔の割合を示した公的統計は、確認できていません。既婚者全体では42.8%が後悔経験あり(ノマドマーケティング、3,000人、参考値)で、離婚調停の申立て動機で最も多いのは形態を問わず「性格が合わない」です。お見合いに固有の後悔は「恋愛感情の薄さ」と「交際の短さ」の2つに絞られる、というのが現場での私の見方です。
Q. 真剣交際はどのくらいの期間が目安ですか?
IBJ成婚白書2024年度版では成婚者の交際日数の中央値が約4か月。相談所の目安は仮交際1〜2か月・真剣交際2〜3か月ですが、運用は相談所ごとに異なります。私は期間の長短より、確認項目が終わっているかどうかで判断してもらっています。
Q. 「好き」という気持ちがないまま結婚してもよいですか?
「ときめきがない」と「一緒にいて疲れない」は両立します。私が確認をお願いするのは、答えにくい質問をした時の相手の態度と、疲れている時の自分の反応です。この2つに違和感がなければ、恋愛感情の強さだけを理由に断る必要はないと考えています。もちろん、最後に決めるのはご本人です。
Q. 3か月ルールの期限が来たのに決めきれません。
未確認の項目が2つ以上あるなら、まず担当者に延長を申し出る。可否は相談所によって異なります。延長できないなら、項目を2つに絞って相手に伝え、その2つの答え方で判断する。期限が来たという事実だけで決めるのは、私はお勧めしていません。
Q. 条件で選ぶと後悔しますか?
条件で選ぶこと自体より、「なぜその条件を優先したか」を言葉にしていないことが後悔につながります。譲った条件と譲った理由をメモに残しておくと、結婚後に迷った時の拠り所になる。条件で選んだ方が後悔しやすい、という根拠は私の知る限りありません。
後悔を減らすための次の一歩
- 後悔の不安を「見極め不足」「妥協の質」「短期決着の圧力」のどれかに当てはめて言葉にする
- 「離婚率10%」を安心材料にせず、真剣交際1〜12週目の確認項目で判断する
- お金と子どもの話は、両親への顔合わせより前(3〜6週目)に済ませる
- 譲った条件と譲った理由をメモに残す
- 期限内に確認しきれなければ、延長の申し出→項目を2つに絞る→第三者に整理してもらう、の順で対処する
冒頭のケースの方には、「断る理由がない」の裏にある未確認項目を2つ書き出してもらうところから始めました。決められない理由は、多くの場合「何を確認していないか」が見えていないことにあります。もし今、担当者以外の視点で状況を整理したいと感じているなら、婚活のセカンドオピニオンとは|辞めずに第三者へ相談する手順も参考にしてください。
本記事の数値は公表資料に基づく目安であり、相談所の運用や個人の状況によって異なります。本文中の「現場の傾向」「私の実感」は統計値ではなく、筆者が担当した範囲での所感です。相談例は、個人が特定されないよう複数の事例をもとに再構成したもので、特定の個人の経過や成果を示すものではありません。結果には個人差があり、特定の成果を保証するものではありません。
出典一覧
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年、夫婦調査):見合い結婚の割合9.9%(前回調査比4.6ポイント上昇)、出会いから結婚までの平均期間4.9年(結婚形態を問わない全夫婦)
- IBJ「成婚白書2024年度版」:交際日数中央値約4か月、在籍日数中央値9か月、お見合い回数10〜12回
- 司法統計年報(家事編・婚姻関係事件の申立ての動機、3つまでの複数回答):「性格が合わない」男性59.9%・女性38.3%
- ノマドマーケティング「既婚男女3,000人調査」(2025年、DreamNews掲載のプレスリリース、参考値):結婚を後悔したことがある42.8%
- ナレソメノート「出会い方別 夫婦関係満足度調査」(554名、参考値)
