相談所の内側

結婚相談所スタッフの本音|止まる人と進む人の差はお見合い2.7倍

結婚相談所スタッフの本音|止まる人と進む人の差はお見合い2.7倍

この記事でわかること

  • 成婚者は平均11人とお見合いし約4ヶ月で決断。お見合い数は非成婚者の約2.7倍(IBJ成婚白書)
  • 「条件を広げましょう」の本当の意味と、明日できる動きを建前→本音の翻訳表で5つ提示
  • 成婚率はIBJ定義で50%前後。別の分母で算出した数値もあり、横並び比較はできない
  • 自己点検7項目の該当数で、申込数を直すか方針を立て直すかを判断できる

結婚相談所スタッフの本音を一言にすると、「あと少し申し込んでいただければ、結果は変わる可能性があります」です。IBJが約2万人分の活動データを分析した成婚白書では、成婚した方のお見合い数は、成婚せずに退会した方の約2.7倍でした。性格や条件の前に、まず活動量の差が出ています。

この記事は、IBJ加盟の結婚相談所で活動中の方、または入会を迷っている30〜40代の方に向けたものです。相談所のカウンセリングに関わる立場から、「うまく進む人」と「止まる人」が何で分かれるのかを、公表データと現場で繰り返し見るパターンの両面で整理します。書いている人間の立場と編集の方針は運営者・編集方針に記載しています。相談所で働く側の給与・労働環境の話は主題にしません。

※本記事に出てくる現場のやりとりは、特定の個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成したものです。特定の方の成果を示すものではなく、活動の結果には個人差があります。

前提の用語を整理します。相談所の活動は①お見合い申し込み → ②お見合い成立・初対面 → ③仮交際(複数の方と同時進行で会う段階) → ④真剣交際(一人に絞る段階) → ⑤成婚退会という順に進みます。本音は、この段階ごとにまったく違います。

以下では、カウンセラーが本音を言えない構造的な理由、建前を実務に翻訳する一覧表、段階別の本音、「理想を下げてください」という通説への異論、見限りのサインの自己点検、成婚率の分母の読み方と料金相場、向き不向きまで順に見ていきます。

この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています

IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。

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結婚相談所スタッフの本音は「申し込み数が足りない」に集約される

IBJの2025年成婚白書(約2万人分析・PR TIMESで公表)によると、成婚した方は平均して11人とお見合いし、交際期間は約4ヶ月で結婚を決断しています。そして前述のとおり、成婚者のお見合い数は非成婚者の約2.7倍。つまり「11人に会うまで動き続けられたかどうか」が分岐点になっているわけです。

では、11人に会うには何件申し込む必要があるのか。ここは信頼できる公的統計が見つかりませんでした。申し込みが成立する割合を数%台として紹介している実務集計もありますが、これは一事業者が自社の活動から出した参考値で、業界平均でも公的統計でもありません。効果や優位性の根拠として読まないでください。

確かなのは、成立しない申し込みのほうが多いという構造だけです。だからこそ、月に5件しか申し込まなければ、成立が1件も出ない月は普通に起こります。そこで「自分は相談所に向いていない」と判断してしまう方が、現場では本当に多いのです。向き不向きではなく、まだ試行回数が足りていないだけ、という場合がかなりあります。

申し込みから仮交際までの通過率の目安は、お見合いの流れQ&A|申し込み成立7%から仮交際44%までの順番で段階ごとに整理しています。逆に成立が増えすぎた時の受け方はIBJのお見合いが成立しすぎた時|受ける上限は週2枠・月6件をご覧ください。

お見合いから成婚までの段階と、成婚者・非成婚者の活動量の差
お見合いから成婚までの段階と、成婚者・非成婚者の活動量の差

カウンセラーが本音をそのまま言わない3つの理由

退会のご連絡をいただいたあとの面談で、「どうしてもっと早く言ってくれなかったのか」と言われることは珍しくありません。半年間、申し込みが月に数件のまま動かず、こちらは「条件を少し広げてみませんか」とだけ伝え続けていた。会員の方は、それを「このままで大丈夫」という意味に受け取っていた。すれ違いの中身は、だいたいこのかたちです。言わない側にも理由があります。

最初の理由は、傷つけない配慮が、そのまま遠回しな言い方になることです。容姿や年収に関わる指摘は、どれだけ丁寧に言葉を選んでも刺さります。だから「もう少し条件を広げてみましょう」に置き換わる。悪意ではないのですが、やわらかくした分だけ中身が届かなくなります。

2つ目は、担当する会員数の問題です。一人のカウンセラーが抱える人数が多い相談所では、連絡の優先順位がどうしても動きの速い方へ寄ります。入会契約が評価につながる給与体系をとる会社もある、と業界解説メディアで説明されることがありますが、これは二次情報であり、仕組みは会社ごとに異なります。特定の会社を指すものでも、業界全体がそうだという話でもありません。

3つ目は、契約上の慎重さ。結婚相談所の契約は、一定の要件を満たす場合に特定商取引法の「特定継続的役務提供」として扱われ、解約や返金の規定が関わってきます。退会や休会をにおわせる発言は、こちらからは言いにくい。だから「少しお休みされますか」という形になります。

では、その建前は実際には何を指しているのか。現場でよく使う言い方を、実務の中身に置き換えてみます。

よく聞く建前 伝えたい中身 読者が明日できること
もう少し条件を広げてみましょう 今の条件では申し込める相手が月に数人しかいない 年齢の上下を各3歳、エリアを1駅分だけ外して検索し直す
お写真を一度撮り直しませんか 申し込みが通らない原因の大半が1枚目の写真 2〜3ヶ月以内に撮影を予約する(当面は表情の自然な1枚に差し替え)
お相手も迷われているようです 返事が遅い=優先順位が下がっている こちらから次の日程を2案だけ出す
いいご縁だと思いますよ 条件より相性で進む相手なので手放さないでほしい 別れ際に次に会う日をその場で決める
少しお休みされますか このまま動かないと費用だけが増える 休会の条件・費用・再開手続きを担当者に確認する

断る連絡の入れ方ひとつでも印象は変わります。❌「申し訳ありませんが、今回はご縁がなかったということで」とだけ送るより、⭕「お時間をいただきありがとうございました。お会いしてみて、お互いの生活リズムが合いにくいと感じたのでお断りさせてください」のほうが、担当者が次の紹介を組みやすくなります。

段階別に違う「結婚相談所スタッフの本音」

入会前の面談で見ているのは、条件ではなく柔軟さ

無料相談の場でカウンセラーが見ているのは、年収や年齢よりも「一度やってみてから判断できる方か」という点です。現場では、提案を全部断ってから「で、どうすればいいんですか」と戻ってこられるケースをよく見ます。逆に、写真を撮り直すなど最初の提案を1つだけ実行した方は、その後の数字が動きやすい印象があります。ここは複数の相談事例から見たパターンの整理で、統計値ではありません。結果には個人差があります。

お見合い期は「数」と「上限」の両立がいちばん難しい

この段階の本音は、申し込みを増やしてほしいのと同時に、受けすぎないでほしいという矛盾した願いです。週に3〜4件入ると、準備も振り返りも雑になります。目安は週2枠まで。

とはいえ、成立が続いた時に「断ってください」とは言いにくい。実際には「来週は2件で止めて、残りは翌週に回しましょう」と日程の組み替えとして伝えます。枠を守れなかった方には、責める言い方はしません。4件会った週の振り返りを一緒に読み返して、どの1件が雑になったかを本人に見つけてもらう。そのほうが次の月から変わります。

仮交際・真剣交際で止まる人は、決める基準を持っていない

仮交際は複数同時進行が前提なので、3人と並行していると「全員ふつうに良い人」という状態になりがちです。ここで決めきれず全員と自然消滅する流れは、現場でもっともよく見る停滞のかたちです。成婚した方の交際期間が約4ヶ月(IBJ成婚白書)という数字は、裏を返せば4ヶ月以内に判断材料がそろう設計になっているということ。お金の使い方、親との距離、働き方の希望。この3つを仮交際のうちに聞けていれば、真剣交際で迷う時間は短くなります。

退会を考える段階の本音も書いておきます。担当者としては引き止めたい気持ちはありますが、合わない担当のまま続けるより、担当変更を申し出てもらったほうが結果的に良いことが多いです。言い方は「相性の問題なので、別の方の視点も一度うかがいたいです」で十分通ります。

ついでに、現場側の違和感も一つ。「成婚退会」という言葉そのものです。結婚の意思が固まった時点を成婚として扱う運用が一般的で、式や入籍はそのあと。定義は連盟や相談所ごとに違います。送り出す側としては、ゴールテープを一本手前に張っている感覚が残ります。だから成婚率という数字を、達成度のように読まないでほしい——これは本音です。

「理想を下げてください」はスタッフの本音ではない

世間では、相談所のカウンセラーは理想を下げさせようとする、とよく言われます。ここは現場感覚とずれています。条件を一律に下げても、うまくいかない方はうまくいきません。

本音に近いのは「条件の数を減らして、順番をつけてほしい」です。年収・年齢・エリア・学歴・体型と5つ並べると、該当者は一気に減ります。そこで下げるのではなく、絶対に譲れない1つと、会ってから判断してよい3つに仕分ける。順番が決まれば、申し込める相手は自然に増えます。

IBJ成婚白書では、女性の成婚のピークは30歳、男性は34歳と約4歳の差があり、20代は成婚までの平均が約187日(半年弱)で40代より4.7ヶ月早いという結果も出ています。また「妻が年上」の組み合わせが約1.9倍に増えたという報告もあります。年齢の条件を機械的に切ると、増えている層をまるごと見ずに終わることになります。条件を下げる話ではなく、見る順番の話です。

自分の条件の優先順位があいまいなら、婚活タイプ診断(10問・約3分)で今の傾向を言葉にしてから整理すると進めやすくなります。

その「うまくいかない」には、<br>必ず理由があります。

スタッフが見ている「見限りのサイン」と自己点検7項目

担当者の連絡が減ったと感じる時、こちらの熱量が落ちている場合もありますが、多くは下の状態が重なっています。該当数で次の行動を決めてください。

  • 直近1ヶ月の申し込みが10件未満
  • 提案されたことを、まだ1つも実行していない
  • プロフィール写真を1年以上更新していない
  • お見合い後の振り返りを担当者に送っていない
  • 仮交際が3ヶ月以上続いているが、将来の話をしていない
  • 断る理由をいつも「ご縁がなかった」で済ませている
  • 条件を4つ以上、同時に必須にしている

0〜1個なら、試行回数が積み上がるのを待つ時期です。やり方を変えないほうがいい。2〜3個なら、申し込み数と写真のどちらか1つだけを直します。4個以上なら、個別の工夫より方針の立て直しが先です。担当者に「今の条件で申し込める人数」を具体的に出してもらうところから始めてください。

「結婚相談所はやばい」「入ったけど後悔した」「3ヶ月でやめた」という声も、よく目にします。中身を聞いていくと、サービスそのものへの不満というより、上の7項目が4つ以上重なったまま半年が過ぎた、という話が多い。費用だけが減り、何も起きなかった記憶が残れば、評価は当然きびしくなります。やめる判断そのものは悪くありません。ただ、やめる前に「条件の順番」と「申し込み数」の2つだけは一度動かしてからのほうが、納得して終われます。

男性で段階ごとに詰まっている方は、婚活で男性が詰まる3段階|申込・お見合い・交際の直し方も合わせてどうぞ。

成婚率の分母と料金の本音|スタッフから見た向き不向き

もう一つの本音は、成婚率という数字の読み方です。IBJの定義では成婚者÷(成婚者+退会者)で計算するため50%前後になります。一方、在籍会員全体を分母に置くと10〜20%程度になると説明する業界解説もありますが、これは二次情報で、算出方法も対象も公開されていません。数字そのものを比べる材料には使えません。

大事なのは、数字が高いか低いかより、どの分母で出した数字かを聞けるかどうかです。入会前に聞いておくとよいのは次の3つ。成婚率の計算式(分母は何か)、カウンセラー1人あたりの担当会員数、休会と退会の条件。いずれも答えにくい質問ではありません。

費用の相場感も押さえておきましょう。下の幅は比較メディア(結婚相談所比較ネット)が公表している目安で、相談所ごとに差があります。幅のどこに落ち着くかは、サービス形態と活動期間でほぼ決まります。仲人型で担当が手を動かす分だけ初期費用と成婚料は上がり、活動が長引けば月会費が積み上がる。表の数字は「安い・高い」の判定ではなく、自分の想定期間を当てはめる枠として見てください。最新の金額は必ず各社の公式情報で確認してください。

項目 相場の幅 読み方
初期費用(登録料・入会金) 5〜20万円 仲人型は上寄り、オンライン型は下寄りになりやすい
月会費 1〜3万円 動かない月も発生する固定費。期間が延びるほど効く
お見合い料 0〜1万円/件 無料の相談所もある。件数を増やす方針なら要確認
成婚料 0〜30万円 成婚の定義と発生条件を契約書で確認する
入会〜成婚までの総額 30〜60万円 活動期間と件数で変動する

IBJ加盟相談所の総額の試算はIBJの結婚相談所の料金は総額いくら?内訳4項目と期間別試算で期間別に出しています。

カウンセラーが伴走する形の良い面と負担も、正直に並べます。

良い面 負担・限界
お見合い成立率やお断り理由など、自分では見えない数字を教えてもらえる 月会費が継続して発生し、動かない月も費用はかかる
断る・進めるの連絡を第三者が担うので、気まずさが減る 担当者との相性に左右される(変更は可能だが申し出が必要)
交際の段階が決まっているため、関係があいまいなまま長引きにくい 決断を求められる時期が来るのが早く感じる人もいる

向いている方は、提案を一度試してから判断できる方、半年〜1年という期限を自分で持てる方、第三者に数字で指摘されたほうが動ける方。向いていない方は、まだ結婚の時期を決めていない方、条件を1つも動かしたくない方、月に数件の申し込みで判断したい方です。後者の場合、入会よりも先に方針の整理だけを済ませたほうが費用の無駄が減ります。設計から見直したい方向けに有料カウンセリングもありますが、まずは自分で7項目を点検するだけでも十分です。

よくある質問

Q. スタッフが本音で「成婚しにくい」と感じるのはどんな人ですか。

A. 条件が厳しい方ではなく、申し込み数が月10件に届かない方と、提案を1つも試さない方です。IBJ成婚白書で成婚者のお見合い数が非成婚者の約2.7倍という結果が出ており、活動量の差がもっとも大きく出ています。

Q. 担当者と合いません。変更はお願いできますか。

A. 言って大丈夫です。「相性の問題なので、別の方の視点も一度うかがいたいです」で通ります。可否や回数は契約内容次第なので、そこは入会前に確認を。

Q. カウンセラーにノルマや歩合はあるのですか。

A. 会社ごとに違います。契約が評価につながる仕組みをとる会社もあると業界メディアは書いていますが、二次情報です。聞くなら「担当会員数」と「入会後も同じ担当か」。この2つで実務上の差はだいたい見えます。

Q. 成婚率が高い相談所を選べば成婚できますか。

A. 成婚率は分母の取り方で変わります。IBJ定義(成婚者÷成婚者+退会者)なら50%前後ですが、別の分母で算出した数値を示す解説もあり、横並びの比較はできません。数字の高さより、計算式を開示できるかで見てください。結果には個人差があります。

Q. 入会後に合わないと感じたら解約できますか。

A. 結婚相談所の契約は、政令で定める役務に該当し、かつ契約金額と契約期間が一定の要件(おおむね金額5万円超・期間2ヶ月超)を満たす場合に、特定商取引法の特定継続的役務提供として扱われます。この場合、契約書面の受領から8日以内のクーリング・オフと、その後の中途解約の規定が適用されます。要件に当たらない契約や、上限額・精算方法は個別に異なるため、消費者庁の案内と自分の契約書面の両方を必ず確認してください。

Q. 婚活サービス経由で結婚する人は実際どのくらいいますか。

A. リクルート「婚活実態調査2024」では、2023年に結婚した人のうち婚活サービス経由が15.3%、婚活サービス利用者のうち結婚に至った人は47.4%と報告されています。利用者の内訳は婚活サイト45.2%、結婚相談所29.8%です。調査対象や集計方法が異なるため、相談所の優劣を示す数字ではありません。

次の一歩:今日決めるのは1つだけ

本音の芯は2つだけです。

  • 活動量が足りていなければ、他の工夫はほとんど効かない(成婚者のお見合い数は非成婚者の約2.7倍・IBJ成婚白書)
  • 「条件を広げましょう」は下げる話ではなく、譲れない1つに順番をつける話

全部を一度に直す必要はありません。申し込み数を月10件に戻すか、写真を撮り直すか、譲れない条件を1つに決めるか。どれか1つで十分です。自分でどこから手をつけるか決めかねたら、現状の棚卸しだけを行う無料相談も使えます。

※本記事の数値は公表時点の目安です。相談所ごとに制度・料金・担当体制が異なり、活動の結果には個人差があります。特定の成果を保証するものではありません。契約や解約の条件は必ずご自身の契約書面と公式情報でご確認ください。

出典と注記

この記事を書いた人

さかとく

婚活サロン 彩星(さいせい)主宰/IBJ加盟結婚相談所 現役カウンセラー

IBJ加盟の結婚相談所で現役カウンセラーとして活動中。これまでに累計200名以上を担当し、今も第一線で数十名を並行サポートしているため、今の市場と現場を踏まえた助言ができます。ウェブマーケティングのライターとして培った「選ばれる見せ方」と、年間数千人の応募が集まる企業で人事部長として採用責任者を務めた「人を見極める視点」を、婚活に翻訳してお伝えしています。

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