
この記事でわかること
- 年収が効くのは主に申込成立まで。IBJ白書(会員内成婚率)では500万円台で平均34.6%を超え、800万円超は43〜46%で頭打ち
- 同じ500万円台でも30代前半は50%超、40代前半は30%台。年収100万円の上積みより今の年齢で動く方が合理的
- 希望年収600万円以上の相手は同年代なら5〜7人に1人。最低ラインで検索し年齢の組み合わせで調整する。女性は年収を公開した方が成婚率は高い傾向
- 年収以外で補えるのは職業の安定・共働き前提の申込文・額面での正しい年収申告の3点。12週の手順で成立率を判断
「3か月で40件申し込んで、成立は3件。やっぱり年収ですか」。38歳・年収480万円の男性会員から、こうしたご相談を受けることは珍しくありません。
※本記事に登場する相談ケースは、個人が特定されないよう複数の事例をもとに内容を再構成しています。
結論から言うと、年収が影響するのは事実です。ただし効くのは主に「お見合い申し込みが成立するか」の段階までで、しかも金額そのものより年齢との組み合わせと見せ方で結果が大きく変わります。IBJの2025年成婚白書では、同じ年収500万円台でも30代前半男性の成婚率は50%超、40代前半は30%台と公表されています。
先に用語を整理します。結婚相談所(IBJ加盟)の活動は、①お見合い申し込み→②お見合い成立→③仮交際→④真剣交際→⑤成婚の順に進みます。この記事で「申込成立率」と呼ぶのは、①に対して②へ進んだ割合のことです。年収が最も強く効くのはこの①→②の場面で、③以降は会話や価値観の比重が上がる、というのが現場での見立てです。
もう一つ。この記事で使う「成婚率」は、IBJが独自の算出式(成婚退会者数÷退会者数)で公表しているIBJ会員内の数値です。世の中一般の「結婚できる確率」ではなく、相談所で活動した人のうち成婚で退会した割合、と読んでください。
この記事では、全国平均と婚活市場の二重基準、年収×年齢の成婚データ、女性側の希望年収の現実、年収以外で補える3つの要素と12週の手順、よくある失敗の順に扱います。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
婚活で年収480万円は低いのか:全国平均と相談所市場の二重基準
まず、480万円という数字の立ち位置を2つの物差しで見ます。ここを混同したまま自己評価を下げる方が本当に多いからです。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は男性587万円、女性333万円です。ただし平均は一部の高年収に引っ張られます。総務省「就業構造基本調査」をもとにした民間の二次集計(nenshuu.net)では、30代後半の未婚男性の年収中央値は414万円、既婚者は596.1万円。公的統計そのものではなく集計方法は同サイト独自ですが、世の中の未婚男性の中では480万円は中央より上、という位置づけは押さえておいてください。
ところが相談所の中は別世界になります。加盟相談所の集計による参考値ですが、IBJ男性会員は年収500万円以上が約65%、最も多い層は500〜699万円とされています(thegorgeous.jp集計、2026年1月時点。IBJ公式の一次資料ではありません)。この分布に照らすと、市場の中で480万円は「下から3分の1」あたりに入るわけです。相談者の落胆は、この二重基準を知らないことから来ています。

では、申込成立率は年収帯でどれくらい違うのか。公表された年収帯別の成立率は見当たらないため、肌感で書きます。400万円台前半の30代後半男性なら10件に1件前後、500万円台で1〜2件、600万円以上で2〜3件、というあたりが私の観測の範囲です。統計値ではなく、写真・年齢・申込先の選び方で倍以上動く数字なので、自分の数字と比べる材料程度に見てください。
婚活の年収と成婚率データ:500万円台で平均超え、800万円超で頭打ち
「年収が低いと結婚できない」という不安に対しては、IBJの2025年成婚白書(成婚者19,112名の活動データ)が最も参考になります。繰り返しになりますが、以下はIBJ会員内の成婚率です。
成婚率は年収400万円台から500万円台に乗るところで全体平均(34.6%)を超えます。成婚者の18.2%が600万円台で、500〜600万円台を合わせると約4割。一方、年収800万円超は43〜46%で頭打ちです(IBJ結婚みらい研究所)。
| 年収帯 | 成婚率の目安 | 年齢による差 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 400万円台 | 全体平均(34.6%)をやや下回る | 若いほど差が縮まる | 年齢で補える幅が大きい |
| 500万円台 | 30代前半50%超/40代前半30%台 | 約20ポイント | 同じ年収でも年齢差が大きい |
| 800〜900万円 | 40代前半は30〜34歳より約12ポイント低い | 約12ポイント | 高年収でも年齢が効く |
| 800万円超全体 | 43〜46% | — | 年収の上積みは効きにくい |
※IBJ会員の成婚者を対象とした集計で、年により数値は変動します。将来の成果を保証するものではありません。
婚活で高年収男性なら安泰か:「年収は高いほど有利」の通説を現場から修正する
年収は高いほど有利、と言われます。データ上も現場でも、これは半分しか正しくありません。
800万円超の男性からは「条件で見られている気がして、申し受けを断り続けてしまう」という相談が一定数あります。あるいは自分の年収に見合うようにと、相手への希望条件を年齢・容姿ともに引き上げ、結果として申込が成立しない。統計値ではありませんが、現場で繰り返し見るパターンです。
そして年齢の方がシビアに評価される。同じ500万円台で30代前半と40代前半の差が約20ポイントというのは、年収100万円の上積みでは埋まらない差です。年収を上げる努力より、今の年齢で動く方が合理的だと私は考えています。
女性の希望年収「600万円以上」の現実:婚活で同年代なら5〜7人に1人
もう一つ、対になる相談があります。35歳・年収380万円の女性会員。希望年収を600万円以上に設定して検索すると候補は多いのに、自分から申し込むと成立しない。「私は高望みなんでしょうか」というご相談です。
年収600万円以上の男性は給与所得者の約3割ですが、年代で大きく違います。国税庁データをもとにした民間の二次集計(nenshuu.com、令和5年分ベース)では、30代前半で約10%、30代後半で15〜20%、40代で35〜40%。集計は同サイト独自のものですが、同年代で探す限り600万円以上は5〜7人に1人という感覚は現場でも合っています。相談所内では半数近くが該当しますが、同じ条件で申し込む競争相手も多い。
希望そのものは高望みではありません。参考値ですが、未婚女性200名を対象にした結婚相談所Presiaの2025年調査では、最低ラインは400万円台、理想は500万円台が最多です。IBJの成婚ボリュームゾーンが500〜600万円台で約4割ですから、理想と現実は一致しています。ズレが出るのは年収ではなく、年齢の組み合わせです。
実務では、希望年収を「最低ライン」と「理想」に分け、検索条件は最低ラインで設定します。第1案は「500万円以上・年齢±5歳」。第2案は「450万円以上」に下げ、勤続年数や転勤の有無で絞る。それでも成立しなければ、世帯年収で考える代替案があります。
ここで女性側の年収データが効いてきます。IBJの2025年成婚白書(第5弾)では、女性の成婚率は年収300万円以下34.9%、300〜500万円41.2%、500万円以上37.7%。さらに年収を公開した女性の成婚率は非公開の約1.8倍と公表されています。公開した人が活動意欲や年収水準の高い層に偏っている可能性はあるので因果までは言えませんが、少なくとも「公開した方が成婚率は高い傾向」までは言えます。年収が低いから隠す、という判断はデータと逆方向です。
婚活で年収以外に補える要素は3つ:職業の安定・申込文の書き方・年収の申告方法
年収を短期間で上げるのは難しい。では何で補うのか。第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)では、結婚相手に経済力を重視・考慮する男性が48.2%まで上昇しました。共働きが前提になるほど、評価軸は「本人の年収」から「二人の家計」へ動きます。
補える要素を3点に分けます。
1. 職業と雇用の安定を数字で書く。「安定した仕事です」ではなく、勤続年数・転勤の有無・平均的な帰宅時間を書きます。年収480万円でも「勤続12年、転勤なし、19時帰宅」は、女性側の家計と育児の見通しに直結する情報です。実際、年収欄には一切触らず、この3つを申込文の冒頭に足しただけで翌月から成立の返事が増えた、という会員は珍しくありません。年収を上げたわけではなく、読む側が知りたい順番に情報を並べ替えただけ。ここが一番費用のかからない改善点です。
2. 共働き前提の家計イメージをプロフィール文に入れる。良い例と悪い例を対比します。
❌ 「年収は高くありませんが、誠実さには自信があります」
⭕ 「勤続12年で転勤はありません。家事は今も自炊と洗濯を担当しており、共働きなら家計も家事も半分ずつが自然だと考えています」
前者は年収の言い訳から始まり、読み手の注意を年収に固定します。後者は年収に触れず、相手が知りたい生活の形を先に見せています。
3. 年収の申告方法を正しく。相談所は入会時に収入証明の提出が一般的なので、盛ることはできません。書くのは額面(賞与込み)で、手取りは書かない。証明書類は源泉徴収票・課税証明書・確定申告書のいずれかが通常で、副業分は確定申告書で証明できる場合に限り合算します。詳細は所属先の規定を確認してください。
手順は12週で組みます。1〜2週目にプロフィール文を上の型で書き換え、写真を確認。3〜6週目は申込先を年齢±3歳、希望年収を「こだわらない」または自分の年収帯に設定している相手を中心に週10件申し込む。7〜12週目は成立率で判断し、8週連続で5%未満なら写真かカウンセラーへの相談を優先します。5%という線は私の運用基準で、文面と写真が整った会員は先に書いた肌感(400万円台でも10件に1件前後)に落ち着くことが多いため、その半分を2か月割り続けるなら入口に別の原因があると見ています。写真の撮り直しに出費できない場合は、スマホ・自然光・第三者撮影の3条件を揃えるだけでも印象は変わります。
申込先の選び方は競争率の把握が前提になるので、結婚相談所の男女比は男54%|年代別に見る競争率と戦略の立て方も合わせて確認してください。
現場で多い失敗パターン:年収を「盛る・隠す・言い訳する」
年収400万円未満の成婚率は全体平均を下回ります。ただし成婚者はいて、若いほど幅があります。ここで失敗しやすいのが3つの反応です。
盛るのは証明で発覚し、真剣交際で信頼を失います。隠す(非公開)は、女性側データで示したとおり公開者より成婚率が低い傾向にあります。そして言い訳は、お見合いの場で最も多い失敗です。年収を聞かれたら次のように答えると、話が家計の相談に変わります。
❌ 「今は480万くらいで…まあ平均以下なんですけど」
⭕ 「額面で480万円です。転勤がない分、家事や子育ての時間は取りやすいと思っていて、共働きならどう分担したいか聞かせてもらえますか」
それでも申込が2か月成立しない場合、原因は年収以外にあることが多い。婚活がうまくいかない原因は4つ|詰まっている段階から立て直す自己診断で段階を切り分けてください。40代の方は結婚相談所は40代で成果が出る?成婚データと総額55万円の現実も参考になります。
婚活と年収のよくある質問
Q. 婚活で年収はいくらあれば大丈夫?
A. IBJ成婚白書(IBJ会員内の成婚率)では500万円台に乗ると全体平均(34.6%)を超えます。ただし400万円台でも30代前半なら幅があり、年齢の影響の方が大きいのが実態です。
Q. 年収は手取りと額面どっちを書く?
A. 額面(賞与込み)です。収入証明と一致させる必要があるため、手取りで書くと過少申告になります。
Q. 年収600万円以上の男性はどれくらいいる?
A. 給与所得者全体では約3割ですが、国税庁データをもとにした民間集計では30代前半で約10%、30代後半で15〜20%、40代で35〜40%。相談所内では半数近くに上がります。
Q. 女性も年収を書くべき?低いと不利になる?
A. 書いた方がよいと考えています。IBJの2025年成婚白書では、女性の成婚率は年収300万円以下でも34.9%と全体平均とほぼ同水準で、年収帯による差は男性ほど大きくありません。一方で年収を公開した女性の成婚率は非公開の約1.8倍と公表されています(因果までは不明)。低いから隠す、より、額面を書いたうえで働き方や家計の考えを添える方が相手には伝わります。
Q. 相手の年収はどこを見ればいい?
A. 金額より、勤続年数・雇用形態・転勤の有無・年収を公開しているかの4点です。同じ500万円でも安定度と家計の見通しは大きく違います。
次の一歩:年収を上げる前に、今週できること
- 年収が効くのは主に申込成立まで。IBJ会員内では500万円台で平均を超え、800万円超は頭打ち
- 同じ年収でも30代前半と40代前半で約20ポイント差。年収より年齢で動く
- 希望年収は「最低ライン」で検索し、理想は年齢の組み合わせで調整する
- 女性は年収を公開した方が成婚率は高い傾向(約1.8倍・因果は不明)。隠す判断はデータと逆方向
- 補うのは職業の安定・共働き前提の申込文・正しい年収申告の3点
自分がどの段階で詰まっているか分からない方は、婚活タイプ診断(10問・約3分)で傾向を確認してから条件を組み直すと迷いが減ります。
※本記事の数値はIBJ成婚白書・国税庁統計・各社調査の公表値で、集計時期により変動します。成婚率や成立率は目安であり、成果や効果には個人差があります。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2024.htm)/IBJ「2025年 IBJ成婚白書」およびIBJ結婚みらい研究所(https://www.ibjapan.jp/mirai-lab/seikon-hakusho/538/、https://www.ibjapan.jp/mirai-lab/seikon-hakusho/573/)/IBJプレスリリース(PR TIMES、女性の年収と成婚率・男性年収の実態)/Forbes JAPAN「女性の年収公開で成婚率1.8倍」/国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」/総務省「就業構造基本調査」をもとにした民間二次集計(nenshuu.net)/国税庁データをもとにした民間二次集計(nenshuu.com)/IBJ加盟相談所による会員年収分布の集計(thegorgeous.jp、2026年1月時点・参考値)/結婚相談所Presia「お金と結婚に関する意識調査2025 女性版」(未婚女性200名・参考値)
