
この記事でわかること
- 結婚相談所の成婚は入籍ではなく、相談所ごとに定義が3タイプに分かれること
- 成婚率は分母(退会者数か在籍会員数か)で数字が激変し、そのままでは比較できないこと
- 成婚料は成婚の定義と連動し、定義が早い相談所ほど請求も早いこと
- 成婚退会後の破談リスクと、退会前に結婚観を詰めておく重要性
「成婚率90%と聞いて入会したのに、成婚退会がゴールじゃなかったなんて」——資料を見比べている段階でこう戸惑う方は、珍しくありません。結論から言えば、結婚相談所の「成婚」は入籍を意味しないことが多く、その線引きは相談所によって違います。ここを理解しないまま成婚率だけで選ぶと、後で「思っていた話と違う」となりがちです。この記事では成婚の定義を3タイプに整理し、契約前に確認すべき点まで具体的にお伝えします。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
「成婚率90%」に戸惑ったケースから見る、成婚のズレ
冒頭のようなご相談は、現場で本当によく受けます。多くの方が「成婚=結婚(入籍)」だと思って活動を始めますが、相談所の世界での成婚は少し違う意味を持っています。
一般的に成婚とは、お相手と結婚を決めて、相談所を退会することを指します。婚姻届を出したかどうかは、実は条件に入っていないケースがほとんど。サンマリエやツヴァイなど各社の説明でも、入籍・届出は成婚の必須条件とはされていません(各社公表資料に基づく/2026年時点の整理です)。
つまり「成婚しました」は、ゴールテープではなく、二人だけで結婚へ進む区切り。ここに認識のズレがあると、成婚率の数字も成婚料の請求タイミングも、まるで違って見えてくるのです。
成婚の定義は3タイプ|「入籍までの距離」で見分ける
相談所ごとの定義は、細かく見ればさまざまですが、入籍までにあと何段階あるかで整理すると分かりやすくなります。時間軸は「真剣交際→プロポーズ・婚約→結婚(入籍)」の順に進むので、これに沿って大きく3つのタイプに分かれます。
| タイプ | 成婚とみなす時点 | 入籍までの距離 |
|---|---|---|
| ①真剣交際型 | 真剣交際に入った時点 | 最も遠い(婚約・両家挨拶がこの先) |
| ②婚約型 | プロポーズ・婚約が成立した時点 | 中間(入籍手続きが残る) |
| ③意思確認型 | 二人が結婚の意思を固めた時点 | 近い(入籍の一歩手前) |
IBJ(日本結婚相談所連盟)やIBJメンバーズは、「婚約(プロポーズ)=成婚」に近い定義(②婚約型)とされています。ツヴァイやパートナーエージェント系は「結婚の意思を固めて婚活を終えること」に近い定義(③意思確認型)です。同じ「成婚」でも、指している地点が違うわけですね(いずれも各社公表資料に基づく2026年時点の整理で、細部は改定される場合があります。正式な定義は必ず各社の規約でご確認ください)。
ここで押さえておきたいのは、あなたが確認すべきなのは「その相談所の成婚は、プロポーズを前提にしているか」という一点だということ。プロポーズ前提なら結婚への意思は固まっていますが、意思確認だけで成婚とする定義だと、退会後にお互いの気持ちが揺れる余地はまだ残っています。
成婚率のからくり|分母を見なければ数字は比べられない
「成婚率が高い=結婚しやすい」と考えたくなりますが、ここは現場から強くお伝えしたい部分です。成婚率は計算方法(分母)が各社バラバラで、そのままでは比較できません。
算出方法は主に3種類あります。
- 成婚退会者 ÷ その期間の退会者数(数字が高く出やすい。50%超はこの方式が多い)
- 成婚退会者 ÷ 全退会者数
- 成婚退会者 ÷ 在籍会員数(実態に近く、10〜20%に落ち着きやすい)
結婚相談所比較ネットなどの解説でも、分母を退会者数にするか会員数にするかで数字が大きく変わると指摘されています。公表値が20%前後から90%超までばらつくのは、実力差というより計算式の差が大きいのです。参考までに、リクルートブライダル総研「婚活実態調査2018」では、相談所利用者が実際に結婚した割合は20.7%というデータがあります(母集団や年齢層が各社と異なるため、あくまで目安です)。
なお経済産業省の調査で「業界平均の成婚率は約10%」という数字が引用されることがありますが、これは2006年(平成18年)の古い調査値です。現在の実態を表すものではないので、参考程度にとどめてください。
資料請求や無料相談のときに、ひとこと「成婚率の分母は何ですか?」と聞いてみてください。実際、この質問にその場で明快な答えが返ってこず、後日回答になった——というお声をうかがうことも珍しくありません。分母をすぐ示せるかどうかは、その相談所が数字とどう向き合っているかが透けて見えるところ。ここに誠実に答えられる相談所は、数字の見せ方も信頼してよいと考えます。
成婚料は「成婚の定義」と連動している
定義の話は、そのままお金の話につながります。成婚料の相場はおよそ20万円前後(社により5〜20万円ほど、高いところは50万円程度)とされますが、これは各社が公表する料金表を参考にした目安で、金額には幅があります。問題はいつ発生するかです。
成婚料は「真剣交際成立」「婚約成立」「両家顔合わせ」など、社によって発生タイミングが異なります。つまり成婚の定義が早い相談所ほど、成婚料の請求も早く来るという構造です。真剣交際に入っただけで成婚料が発生する定義なら、入籍のずっと手前で費用が確定することになります。
ここは損得に直結するので、契約前に必ず確認したいところ。費用の全体像を整理しておきたい方は、結婚相談所の費用相場は総額いくら?内訳と2026年の最新事情もあわせて読んでおくと、成婚料が総額のどこに乗るのかが見えてきます。
成婚退会は「ゴール」ではなく「二人だけの再スタート」
成婚退会=入籍ではないため、退会後に破談・婚約解消になるケースは実際にあります。「せっかく成婚したのに」というご相談も、現場では時折お受けします(※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています)。原因は価値観のズレ、生活習慣やお金の感覚の発覚、親の反対、いわゆるマリッジブルーなどさまざまです。
ここで一つ、通説への異論を。「成婚まで伴走してくれるから相談所は安心」とよく言われます。確かにその通りなのですが、多くの相談所のサポートは成婚退会で終わり、退会後の入籍までは基本的に二人だけの領域です。だからこそ、退会前にお互いの結婚観をどこまで詰めておけるかが、最後の分かれ目になります。
IBJの成婚白書2024によると、成婚された方の在籍期間は中央値で約9ヶ月、交際期間は約4ヶ月というデータがあり、比較的短い期間で結婚を決めている傾向がうかがえます(年間成婚組数は過去最多の16,398組)。短期間で意思決定するからこそ、退会の前に確認すべきことを取りこぼさない姿勢が効いてきます。何を確認すべきかは成婚前に確認すること7つ|退会前が最後のチャンスにまとめました。
よくある質問
Q. 結婚相談所での成婚の定義は?
A. 一般には「結婚を決めてお相手と相談所を退会すること」を指し、入籍(婚姻届の提出)は条件に含まれないことがほとんどです。IBJ系は婚約(プロポーズ)を成婚とし、ツヴァイなどは結婚の意思を固めた時点を成婚とするなど、線引きは相談所ごとに異なります(各社公表資料に基づく2026年時点の整理)。
Q. 成婚とプロポーズ・婚約は同じですか?
A. IBJ加盟の相談所では「婚約=成婚」に近い定義が多く、この場合はほぼ同じ時点を指します。一方、意思を固めただけで成婚とする定義もあるため、契約前に「プロポーズ前提の成婚か」を確認しておくと安心です。
Q. 成婚後に破談したら、成婚料は返ってきますか?
A. 返金の可否は相談所の規約によって異なり、成婚退会後は返金対象外としているところも少なくありません。金額もタイミングも社ごとに違うため、契約前に「成婚料の発生時点」と「返金条件」を規約で必ず確認しておくことをおすすめします。
Q. 成婚率が高い相談所を選べば結婚できますか?
A. 成婚率は分母の取り方で数字が大きく変わるため、高さだけで結婚のしやすさを判断するのは難しいのが実情です。「必ず結婚できる」といった断定的な表現には注意し、数字の前提(分母は何か)と成婚の定義をそろえて比べることをおすすめします。
迷ったら、まず「定義」を並べて比べてみる
成婚の定義は、成婚率の数字にも、成婚料のタイミングにも、退会後の安心感にも、すべて響いてきます。だからこそ、複数の相談所を見るときは料金や会員数だけでなく、「ここは何をもって成婚と呼ぶのか」を横に並べて比べてみてください。そこがはっきりしている相談所ほど、活動の見通しは立てやすくなります。
とはいえ、資料を何社も並べて自力で読み解くのは骨が折れるもの。どのタイプの成婚定義が自分の希望に合いそうかを整理する入り口として、まずは自分の婚活スタイルを知るところから始めても遅くありません。サイト内の婚活タイプ診断(10問・約3分)で自分の傾向をつかんでおくと、定義を比べるときの物差しがはっきりします。手をつけやすいところから始めてみてください。