
この記事でわかること
- 結婚相談所の仕事の年収は300〜400万円台、求人実例は月給30万円・想定年収390万円〜
- 担当会員は1人100名以上が業界一般。業務量の多さの正体は担当数にあると分かる
- 求人票で見るべきは固定残業の時間数・ノルマの単位・担当上限・成婚率の分母の4点
- よく挙がる不満は連絡の不備と紹介のミスマッチ。会員側の伝え方で噛み合わせが変わる
結論から書きます。結婚相談所の仕事は年収300〜400万円台・担当会員100名超・土日が稼働日という条件が重なる仕事です。きつさの中身は、本人の性格より「どの働き方を選んだか」でほぼ決まります。まず数字から確認していきましょう。
この記事は二つの立場の方に向けて書いています。ひとつは、婚活アドバイザーへの転職や相談所の開業を検討している方。もうひとつは、すでに会員として活動していて「担当カウンセラーは何を抱えているのか」を知りたい方です。後者で、まず費用の全体像から知りたいという方は結婚相談所の値段は総額30〜60万円|内訳と1回あたり3.6万円の実像のほうが近道かもしれません。本記事は前半で年収・労働時間・担当会員数の公表値を確認し、後半で求人票の数字の読み方、働き方ごとのきつさの違い、よく挙がる不満の中身、市場と離職の数字、そして会員側から見た担当者の使い方まで扱います。なお、お見合い→仮交際→真剣交際→成婚という段階を持つIBJ(日本結婚相談所連盟)加盟の相談所を前提にしています。カウンセラーの仕事とは、この4段階すべてに伴走し続けることだと考えてください。
先に書き手の立場を明かしておきます。筆者は相談所での勤務経験者ではありません。公表統計・業界団体の発表・求人掲載情報を突き合わせて整理する編集の立場です。ですからここに書けるのは、現場の肌感覚ではなく資料から読み取れる範囲までです。記事中の数値は2026年9月時点で公表資料を確認したもので、出どころは末尾にまとめました。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
数字で見る「結婚相談所の仕事がきつい」の正体|年収300〜400万円台と担当100名超
公表されている数値を並べると、輪郭がはっきりします。
| 項目 | 公表されている数値 | 出典の性質と時点 |
|---|---|---|
| 平均年収 | 300〜400万円(勤務型で月給25〜30万円が多い) | 専門学校・業界メディアの集計値。公的統計ではなく目安 |
| 求人の実例 | 月給30万円(基本給25万円+固定残業代5万円)/想定年収390万円〜+インセンティブ | 求人サイトに掲載されていた1社の条件(2026年9月に掲載を確認。求人は短期間で差し替わる) |
| 副業型の年収 | 100万〜360万円 | 会計サービスの解説記事。幅が非常に広く、集計方法は示されていない |
| 担当会員数 | 1人あたり100名以上 | 相談所運営サイトが業界一般として記す数字。統計値ではない |
| 土日の稼働 | 90分の無料相談を1日4回入れる日もある | 相談所運営サイトの現場記述(1社の例) |
ここで一度、電卓を叩いてみます。担当100名に月1回30分ずつ面談すると、それだけで月50時間。お見合いの日程調整、お断りの連絡、プロフィールの手直し、仮交際中の相談を足せば、面談以外の時間のほうが長くなります。「業務量が多い」という上位記事の表現は、突き詰めるとこの担当数の話です。
土曜日を例に、公表されている数字だけで一日を組み立ててみます。90分の無料相談が4本入れば、移動も休憩も抜きで6時間。相談と相談のあいだの短い空き時間が、金曜の夜に届いたお断りの連絡を返し、翌週のお見合い枠を押さえるための持ち時間になります。終業は20時頃という記述もありますが、会員の多くは出勤前と帰宅後しか動けません。連絡が夜に集まるのは担当者の段取りが悪いからではなく、会員側の生活時間がそうなっているからです。ここは動かせない。
担当数が増えたとき最初に効いてくるのは、面談そのものより連絡の量です。ただしこれは公表資料や現場記述から読み取れる傾向であって、統計値ではありません。相談所の規模や事務スタッフの有無で大きく変わります。

きつさを求人票から読む4点|固定残業30時間と「実質24時間対応」はなぜ両立するのか
この業界の求人には、一見すると矛盾する記述が同居しています。片方の情報源では「通常業務は20時頃終了だが、その後も会員から連絡があり実質24時間対応」とされ、別の求人票では「固定残業30時間分=4万円込み、月平均残業は約10時間」と書かれている。どちらも嘘ではありません。差が出るのは、会員からのLINE相談を業務時間として数えているかどうかです。
面接で確認したい数字は4つあります。
- 固定残業の時間数と金額:30時間分が含まれるなら、実残業10時間という説明と整合するか聞く
- ノルマの単位:入会数なのか成婚数なのか。前者は集客、後者は伴走の仕事になり、日々の動きが変わる
- 1人あたりの担当上限:上限を設けているか、繁忙期に何名まで増えるか
- 社内で使う成婚率の分母:在籍会員か、退会者か
聞き方にもコツがあります。
❌「残業は多いですか?」(多い・少ないの主観で返ってきて終わります)
⭕「終業後に会員さんから連絡が入った場合、それは勤務時間として記録されますか?」
❌「ノルマはありますか?」
⭕「評価は入会数と成婚数のどちらの比重が大きいですか。直近1年で目標を達成した方の割合はどのくらいでしょうか」
条件を数字で聞くと、答えられる会社と言葉を濁す会社に分かれます。これは求職者にとっていちばん安価な判断材料です。
「きつい」の中身は働き方で正反対になる|人間関係・成果プレッシャーの読み替え方
上位に並ぶ記事の多くは、きつい理由を5〜7個並べます。代表格は「人間関係のストレス」と「成果へのプレッシャー」の2つ。ただ、この2語は雇用形態を混ぜたまま使われていることが多く、そのままだと的を外します。
人間関係と一口に言っても、大手の正社員が向き合うのは上長との目標管理と社内の数字であり、独立した仲人にとっては会員対応と仲人同士のつながりです。同じ言葉で、中身が別物。成果のプレッシャーも同じで、入会数を追う営業的な圧と、成婚が出ない時期に自分の伴走を疑ってしまう圧とでは、効いてくる場所が違います。集客に追われる独立仲人と、決められた会員を担当する大手の正社員では、しんどさの方向が逆です。だから先に列を決めます。
| 働き方 | 主なきつさ | 収入の決まり方 | 休みの取りやすさ |
|---|---|---|---|
| 大手の正社員 | 目標数値と担当数の多さ | 月給+インセンティブ | シフト制。土日は原則稼働 |
| 加盟相談所の従業員 | 業務範囲の広さ(集客・事務・面談を兼任) | 月給中心。会社規模で差 | 会社次第。少人数ほど代われる人がいない |
| 独立した仲人 | 集客と固定費。会員ゼロでも月会費は出ていく | 完全に成果連動 | 自分で決められるが、決めないと休めない |
| 副業・兼業 | 本業との時間のぶつかり(相談は平日夜と土日) | 件数次第。年収100万〜360万円のレンジ | 調整しやすいが対応が遅れやすい |
「きつい仕事ランキング」を読む前に、自分がどの列にいるのか決めてください。そこが決まらないまま読むと、他人のきつさを自分のものとして受け取ってしまいます。
やりがいの出どころも、列ごとに違います。正社員なら担当した会員から届く成婚の報告、独立仲人なら自分で決めた方針がそのまま結果に返ってくる場面。向いている人を一言で言うなら、返信を溜めない人です。人当たりの良さより、こちらのほうが実務では効きます。
きつさの多くは運用で起きる|よく挙がる不満2つと会員側の使い方
「きついのは、難しい会員さんがいるからだ」と語られがちです。ただ、実際に挙げられている不満の中身を見ると、少し違う景色が見えます。ある相談所運営サイトが整理したクレーム17パターンには、「返信が遅いなど連絡の不備」と「紹介の質が希望と合わない」という運用面の項目が含まれています。これは件数を集計した順位ではなく、列挙されたパターンの一部です。それでも、並ぶ項目の多くが会員の人柄ではなく段取りの話だという点は、見ておく価値があります。
ここからは会員側の話です。担当者が100名を抱えている前提に立つと、こちらの伝え方で結果が変わります。返信を早くするのではなく、返信の回数を減らせる伝え方をするのがコツです。
❌「いい人がいたら紹介してください」
⭕「優先順位は①勤務地が都内②喫煙しない③年齢差5歳以内の順です。この3つが揃わない場合は①を優先してください。平日は21時以降なら返信できます」
希望の優先順位を3つに絞り、返信可能な時間帯を添える。これだけで、連絡と紹介という噛み合わせの悪くなりやすい2点が整理されます。実際、条件を絞り込めずにお見合いを重ねて消耗してしまう方は珍しくありません。判断そのものに疲れてしまう仕組みは婚活疲れの正体は判断疲れ|8割が経験する3原因と再開4週間で詳しく書いています。
続けられるかで判断する|将来性・離職・独立の数字
この仕事を続けるか迷ったとき、判断材料になるのは市場の数字です。厚生労働省の人口動態統計(確定数)によると、2024年(令和6年)の婚姻件数は48万5,063組で、前年より1万322組増えて2年ぶりの増加でした。平均初婚年齢は夫31.1歳・妻29.8歳。ただし同統計は速報・概数・確定数で数字が動きます。引用するときは、どの段階の公表値かを必ず確かめてください。一方、矢野経済研究所が2025年6月に公表したブライダル関連市場(主要6分野計)は1兆8,448億円で前年比99.9%と、ほぼ横ばいです。IBJの公表値(2026年9月に公式サイトで確認)では登録会員数が2025年8月に10万名を突破し、2026年7月末時点で110,420名・加盟相談所4,818社、2025年の年間成婚者は19,112名となっています。
読み取れるのは「需要はあるが、急には伸びない」という構図です。会員数は増えているものの市場全体は横ばいで、相談所の数も増えている。つまり、待っていれば楽になる仕事ではありません。
次に離職です。「きつい」で検索する方の多くは、続けるか辞めるかを決める材料を探しているはずなので、離職率と平均勤続年数を探しました。結論として、結婚相談所カウンセラーという職種単位の公表統計は見つかりませんでした。個人の退職体験記や個社の採用ページはありますが、母集団が示されていないため数字としては扱えません。ここは分からないと書いておきます。業務内容が重なるのは人材紹介の営業やブライダル関連の職種ですが、実際にどこへ移っているかを示す集計も確認できませんでした。
成婚率の数字にも注意が必要です。業界共通の定義がなく、分母が「退会者」か「在籍全会員」かで大きく変わります。IBJ成婚白書2024の退会者ベースでは年代・性別によって15.7〜49.0%。在籍会員を分母にした値としては、経済産業省の調査として複数のメディアで紹介されている「1年以内で男性8.4%・女性10.1%」という数字がありますが、これは2004年の調査とされるもので、筆者は一次資料を確認できていません。20年以上前の値であり、現在の実態を示すものではない点に注意してください。判断材料から外してもらって構いません。求人説明や加盟説明会で成婚率を示されたら、「その分母は何ですか」と一言確認するほうが確実です。
独立・開業の数字は、出典によって食い違います。加盟金は個人で百数十万円〜200万円規模とする記載が複数ありますが、税抜表示か、税込・研修費込みかで見え方が変わり、どれが現行条件かは公表資料だけでは判断できませんでした。月額はネットワーク月会費15,000円に、カウンセラー1名あたり3,800円などが加わる形とされています。金額は改定されるため、検討する段階で必ず公式サイトと説明会で最新の条件を確認してください。継続率も同じです。IBJ公式は事業継続率96.9%(廃業率3.1%)としていますが、その分母が加盟中の相談所全体なのか、開業から一定年数が経過した相談所なのかは公表ページ上で明示されていません。分母の分からない継続率は、成婚率と同じ扱いをするのが安全です。
よくある質問
Q. 結婚相談所での仕事は、結局きついですか?
A. 担当会員が100名規模になり、土日が稼働日になる点はほぼ共通してきついと言えます。ただし収入の決まり方と休みの取りやすさは働き方で正反対なので、「相談所の仕事」ではなく「どの形で働くか」で判断してください。
Q. 結婚相談所カウンセラーの年収はどのくらいですか?
A. 平均では300〜400万円、勤務型で月給25〜30万円という集計が多く見られます。求人の実例では月給30万円・想定年収390万円〜+インセンティブという条件がありました。副業型は100万〜360万円と幅が大きく、平均値だけでは実態をつかめません。
Q. ノルマはありますか?
A. 会社によります。重要なのは有無より単位です。入会数が目標なら集客の仕事、成婚数が目標なら伴走の仕事になり、日々の時間の使い方が変わります。面接では比重と達成割合を数字で確認してください。
Q. 未経験・無資格でも働けますか?
A. 未経験可の求人は出ています。ただし入社後は、プロフィール作成の支援からお見合いの調整、仮交際中の相談まで幅広く担当することになります。資格の有無より、返信の速さと記録を残す習慣のほうが実務では効きます。
Q. 会員の立場です。担当者が忙しそうで相談しづらいのですが。
A. 遠慮するより、要件を先に書くほうが結果的に早く進みます。「相談したいこと」「自分の考え」「いつまでに決めたいか」の3点を最初の1通にまとめてください。担当者が返信1回で答えられる形にするのがいちばんの近道です。入会前の面談で何を聞けばいいか迷う方は、結婚相談所の無料は3種類|無料相談で聞く7つの質問と見分け方【2026】が下敷きになります。
きつさを自分の条件に当てはめる
この記事の要点をまとめます。
- 年収は300〜400万円台が中心。求人実例では月給30万円・想定年収390万円〜+インセンティブ
- 担当会員は1人100名以上が業界一般とされ、業務量の多さの正体はここにある
- 求人票では固定残業の時間数・ノルマの単位・担当上限・成婚率の分母の4点を確認する
- よく挙がる不満は「連絡の不備」と「紹介のミスマッチ」。会員側は希望の優先順位3つと返信可能な時間帯を先に伝えると噛み合いやすい
- 2024年の婚姻件数は48万5,063組で2年ぶり増加、一方でブライダル市場は前年比99.9%と横ばい
- 職種単位の離職率・勤続年数の公表統計は見つからなかった
- 開業の数字は出典間で食い違う。加盟金も継続率も、必ず一次情報と分母を確認する
転職を検討している方へ。持ち帰るのは1枚だけで足ります。面接で聞く4点――①固定残業は何時間分でいくらか、②評価は入会数と成婚数のどちらの比重が大きいか、③1人あたりの担当上限と繁忙期の上振れ、④社内で使う成婚率の分母。この4つをメモの1行目に書いて面接に入れば、求人票の見え方が変わります。
会員として活動中の方へ。担当者を「忙しい人」ではなく「段取りを預ける相手」として使ってみてください。優先順位を3つに絞るだけで、お見合いの当たりは変わります。どう絞ればいいか判断がつかないときは、無料相談で状況を一度整理するところから始めても構いません。
※本記事の数値は、2026年9月時点で確認した公表資料および求人掲載情報に基づく目安です。年次・集計条件・母集団が異なるものを並べているため単純比較はできず、条件は改定されることがあります。成果や待遇には個人差があり、特定の結果を保証するものではありません。
出典
- 厚生労働省「人口動態統計(確定数)」2024年(令和6年)の婚姻件数・平均初婚年齢
- 矢野経済研究所「ブライダル関連市場に関する調査(主要6分野計)」2025年6月公表/日本経済新聞報道
- IBJ(日本結婚相談所連盟)公式サイト「数字でIBJチェック」登録会員数・加盟相談所数・年間成婚者数(2026年9月確認)
- IBJ「成婚白書2024」退会者を分母とした年代別・性別の成婚率
- 経済産業省の調査として複数メディアで紹介されている在籍会員ベースの値(2004年調査とされるもの。一次資料は未確認)
- IBJ公式「開業資金とFCの比較」加盟金・月会費/マネーフォワード クラウド会社設立「結婚相談所の開業は儲からない?」事業継続率
- Indeed・スタンバイ掲載の婚活アドバイザー求人(月給・固定残業・想定年収。2026年9月に掲載を確認した1社の条件)
- 東京ウェディング・ホテル専門学校「結婚カウンセラーの年収・仕事内容」平均年収レンジ
- マネーフォワード クラウド確定申告「副業で婚活アドバイザーを始める際の基礎知識」副業型の年収レンジ
- 東京よろず「結婚相談所の仕事はキツい?クレーム17パターン」列挙されたクレームの類型
- イノセントブライダル「結婚相談所カウンセラーの1日」終業時刻・土日の相談件数
- 医師のとも良縁「カウンセラー1人あたりの担当会員数」業界一般の担当数
