
この記事でわかること
- 業界平均10%の根拠は2006年の経産省調査。IBJの最新実データでは日本の婚姻の約4.1%が相談所経由
- 成婚率の分母は3通り。全会員か退会者かで、同じ実績が10%にも50%にもなる仕組みがわかる
- お見合い平均11回・交際約4ヶ月というIBJの行動データから、自分に必要な月の申し込み数を逆算できる
- 年間総額÷成婚率で「成婚1件あたりの期待コスト」を出し、高額相談所と中価格帯を同じ土俵で比較する方法
結婚相談所の成婚率は、業界平均で約10%。一方で各社の公表値は27%〜76%まで開きます。この差は実力差ではなく分母の取り方の違いです。読み方さえ分かれば、自分がどのくらいの確率で成婚できるかも見積もれます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
結論から|「平均10%」の出典は2006年の調査です
まず、いちばん広く引用されている数字の出どころから。結婚相談所経由で結婚に至った割合は男性8.4%・女性10.1%。これは経済産業省「少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究報告書」の数値で、2006年の調査です。しかも成婚者数を平均会員数(男性481.2人/女性405.8人)で割った暫定的な値でした。
20年前の推計値。それが今も「業界平均10%」として一人歩きしています。
では現在のデータはどうか。業界最大の連盟であるIBJ(日本結婚相談所連盟)は、2024年の成婚数を16,398組と公表しました。同年の日本の婚姻件数(499,999件)の約3.3%にあたります。2025年はさらに伸び、成婚者19,112名を分析した「2025年 IBJ 成婚白書」では成婚数が2万組を突破し、日本の婚姻の約4.1%に達したとしています。連盟ひとつで、日本の結婚の25組に1組。ここに他連盟や単独系の相談所も加わります。相談所での婚活は、もう特殊な手段ではありません。
なお、IBJの資料は「組」と「名」が混在します。他社の数字と並べるときは、単位を必ず確認してください。
成婚率の分母は3通り|27%〜76%まで開くからくり
各社が「成婚率」と呼んでいるものは、同じ計算式ではありません。主に3つの型があります。
| 算出方法 | 分母 | 数字の出方 |
|---|---|---|
| 成婚退会者数 ÷ 全会員数 | 在籍している会員すべて | 低く出る(10%前後になりやすい) |
| 成婚退会者数 ÷ 年間退会者数 | その年に辞めた人だけ | 高く出る(40〜50%台も) |
| 成婚退会者数 ÷ 対象コースの会員数 | 限定された母集団 | さらに高く出やすい |
2番目が、いわゆる「からくり」と呼ばれる型です。退会者だけを分母にすると、いま活動を続けている人が全員カウントから消えます。100人が在籍し、そのうち20人が退会、うち10人が成婚退会だったとしましょう。分母を全会員にすれば10%、退会者にすれば50%。同じ実績で5倍違う。
実際の公表値も、パートナーエージェント27.0%、ツヴァイ42.3%(分母は年間退会者数)、IBJメンバーズ50.5%(主要コース実績では55.0%との記載も)、フィオーレ52.6%と幅があります(各社公表値/結婚相談所比較ネットほか)。業界全体で見れば27%〜76%という開き。ただし会員の年齢層もコース内容も各社で違うため、この数字を横に並べて優劣を判断するのは無理があります。

「成婚率」と「成婚退会率」は同じ意味ではない
検索では「成婚退会率」という言葉もよく使われます。厳密には、成婚退会率は退会した人のうち成婚を理由にした人の割合を指すことが多く、上の表でいう2番目の型です。「成婚率」と書かれていても中身は成婚退会率、というケースは珍しくありません。
さらに「成婚」の定義そのものも各社バラバラです。プロポーズの承諾、婚約、真剣交際の成立、両親への挨拶。どこを成婚と呼ぶかで、当然ながら率は動きます。真剣交際に入った時点を成婚とする相談所と、婚約が整った時点とする相談所を、同じ土俵で比べることはできません。
そしてもう一つ。成婚は入籍ではありません。成婚退会後に関係が終わる可能性はゼロではなく、そこは各社の数字に含まれていません。「成婚退会=結婚が決まったこと」だと思って入会し、あとから定義を知って驚かれるご相談は現場でもよくあります。定義の違いは結婚相談所の成婚の定義とは|入籍とは違う3タイプを解説で詳しくまとめました。
「成婚率の高い相談所を選べばいい」は、半分だけ正しい
比較サイトの多くは、成婚率ランキングを結論に置きます。分かりやすい。でも現場の感覚では、ここは慎重になったほうがいい部分です。
成婚率は、相談所のサポート力だけで決まる数字ではないからです。会員の年齢構成、男女比、料金設定(高額なほど本気度の高い人が残りやすい)、そして分母の取り方。この4つの影響が大きい。極端にいえば、入会審査を厳しくして若い層だけを集めれば、サポート内容を一切変えなくても数字は上がります。
見るべきは率そのものより、その率がどう計算されたかを尋ねたときに、はっきり答えてくれるかどうかです。説明を濁す相談所より、「うちは退会者を分母にしています」と即答する相談所のほうを、私は信頼します。選ぶ軸そのものは結婚相談所の比較は「連盟×型」で9割決まる|2026年版に整理しています。
自分の成婚率を見積もる|年代と行動量から逆算する
ステップ1:年代・性別で当たりをつける
IBJ成婚白書の分析では、成婚者の代表像は男性35歳・女性33歳。成婚年齢のピークは女性30歳・男性34歳です。年収500万円台の30代前半男性では成婚率が50%を超える一方、40代前半では30%台に下がるという傾向も示されています。業界平均10%ではなく、自分の属性に近いところの数字を出発点にしてください。
ステップ2:必要な行動量に置き換える
ここからが実務的な話です。IBJのデータでは、成婚者は平均11回のお見合いを経て成婚に至り、交際期間は124〜125日(約4ヶ月)。在籍期間の中央値は男性約9.2ヶ月・女性約7.6ヶ月で、約3人に1人(32.4%)が半年以内に成婚しています。お見合いから仮交際へ進む率は全年代で約40%以上と、年齢による差は思ったより小さい。
つまり、月に2回お見合いを組めば半年で12回。成婚者の平均回数に届きます。そこから交際に約4ヶ月。合計で10ヶ月前後という、中央値どおりの絵になります。

ステップ3:止まっている場所を特定する
お見合いが月1回以下で止まっている方の場合、原因の多くは「出会いがない」ことではなく、申し込み件数とプロフィール写真にあります。月に5件しか申し込んでいないのに相手がいないと感じている。こうしたご相談はよく受けます。お見合いの成立率を仮に10%とすれば、月5件では0.5回。数字のうえでは、会えないのが当たり前です。※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。
成婚率という言葉は、こうして「月に何件申し込むか」まで分解して初めて自分ごとになります。もちろん、進み方には個人差があります。
成婚1件あたりの「期待コスト」で比べてみる
もう一つ、比較記事がほとんど扱わない見方を紹介します。料金と成婚率は、本来セットで見るものです。
結婚相談所の費用相場は、初期費用5〜20万円、月会費1〜2万円、成婚料0〜30万円。1年活動した場合の総額はおよそ30〜60万円(Collect.、ナレソメノートほか)。ここに成婚率を掛け合わせると、成婚1件あたり期待値としていくらかかるかが見えてきます。
| 年間総額 | 成婚率 | 成婚1件あたりの期待コスト |
|---|---|---|
| 40万円 | 50% | 約80万円 |
| 40万円 | 27% | 約148万円 |
| 60万円 | 50% | 約120万円 |
成婚率50%の高額な相談所と、27%の中価格帯を同じ土俵に乗せられます。成婚率の定義が各社で違う以上、この計算もあくまで目安。それでも「高いほうが結局は安い」「安いほうが得」といった感覚論よりは、判断の材料になります。料金体系は改定されるため、最新の金額は各社の公式サイトで必ず確認してください。

「思ったより低かったら辞められるの?」への答え
成婚率を気にする方が本当に怖いのは、数字そのものではなく、合わなかったときに抜けられないことだと思います。ここは法律で守られています。
結婚相手紹介サービスの契約は、期間が2ヶ月を超え、かつ金額が5万円を超える場合、特定商取引法の特定継続的役務提供にあたります。契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフが可能。その期間を過ぎても、理由を問わず中途解約ができます。
- サービス開始前に解約した場合、事業者が請求できる額の上限は3万円
- 開始後に解約した場合は、2万円または未提供分の20%相当額のいずれか低い額が上限(これに提供済みサービスの対価が加わります)
以上は東京くらしWEBなど自治体の消費生活相談窓口の案内によるものです。国民生活センターへの結婚相手紹介サービス関連の相談は年間1,500件前後で推移しており、契約をめぐるトラブルは今も一定数あります。入会前に解約条件を書面で確認する。ここだけは飛ばさないでください。
よくある質問
Q. 結婚相談所の成婚率の平均は、結局いくつですか?
広く引用される「約10%」は2006年の経産省調査に基づく暫定値です。最新の実データとしては、IBJの成婚が2024年で16,398組、日本の婚姻の約3.3%(2025年は約4.1%)。母集団が異なるため単純比較はできませんが、平均を一つの数字に決めようとするより、算出方法とセットで読むほうが実態に近づきます。
Q. 成婚率を公表していない相談所は避けるべき?
そうとは限りません。定義が業界で統一されていない以上、あえて出さないという判断もあります。公表の有無より、尋ねたときに算出方法を説明できるかどうかで見てください。
Q. 成婚退会したあとに別れることはありますか?
あります。成婚は入籍ではないからです。だからこそ退会のタイミングが重要で、その見極め方は成婚退会のタイミングは「3ヶ月」ではない|早すぎる退会の落とし穴で解説しています。
Q. 成婚料は必ずかかりますか?
相談所によります。相場は0〜30万円で、オーネットのように成婚料0円の会社もあれば、5万〜22万円の幅で設定している会社もあります。0円だから得とは限らず、その分が月会費に反映されている場合もあるため、総額で比べてください。
数字を見終えたら、次は「自分の1ヶ月」を決める
成婚率の読み方は、ここまでで十分です。分母を確認する。自分の年代の数字を出発点にする。行動量に翻訳する。この3つができれば、どこの数字を見ても振り回されることはありません。
そのうえで決めるべきなのは、来月の自分の予定です。何件申し込み、何回お見合いを組むのか。成婚率という他人の統計より、そちらのほうがはるかに結果を動かします。
自分の年齢や希望条件だと現実的にどれくらいの見込みになるのか。ひとりで計算しきれないときは、無料相談で現状を整理するところから始めてみてください。
