
この記事でわかること
- 「お見合い結婚の離婚率10%」に出典はなく、届出に出会い方の欄がないため公的には算出できないこと
- 「3組に1組」は離婚件数÷婚姻件数で、別世代の数字を割ったもの。恋愛結婚の離婚確率ではないこと
- 民間調査での出会い方別の離婚出現率は30代で相談所6.7%・アプリ8.7%・職場等12.7%と数ポイント差であること
- 離婚動機1位「性格が合わない」(夫65.4%・妻48.9%)を、交際中に確かめる5項目へ分解する方法
「お見合い結婚の離婚率は約10%」。この数字に、たどれる出典はありません。厚生労働省の人口動態統計は夫婦の出会い方を集計していないため、お見合い婚だけを取り出した離婚率は、そもそも公的には計算できないからです。
この記事は、結婚相談所での婚活を検討している30〜40代の方に向けて、①なぜ10%という数字が確かめられないのか、②それでも参考になる調査は何か、③数字より先に見るべき「離婚の理由」は何か、④スピード婚は危ないのか、の順で扱います。前提はIBJ加盟の結婚相談所での婚活(お見合い→仮交際→真剣交際→成婚)です。
本題に入る前に、混同されやすい言葉を3つだけ整理させてください。
- ① 離婚率…人口1,000人あたりの年間離婚件数のこと。2025年は1.50です(厚生労働省「人口動態統計」)。「あなたが離婚する確率」ではありません。
- ② 特殊離婚率…その年の離婚件数÷その年の婚姻件数。「3組に1組」の正体はこれです。離婚した夫婦が結婚したのは20〜30年前で、分母と分子が別の世代になっています。
- ③ 見合い結婚…統計上は親族・知人による紹介やお見合いを含む広い言葉で、結婚相談所経由とイコールではありません。ここがずれると数字の読み違いが起きます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
お見合い結婚の離婚率は本当に10%なのですか?
結論から言えば、確かめられません。
婚姻届にも離婚届にも、二人がどう出会ったかを書く欄はないからです。役所が集めているのは戸籍情報だけ。だから国の統計には「お見合いで結婚した夫婦が、その後どれだけ離婚したか」というデータが初めから存在しません。これはデータが足りないという話ではなく、集計の設計上そうなっているという話です。

では「約10%」はどこから来たのか。業界内で長く使われてきた経験則の目安、というのが正直なところです。婚活業界側の資料でも「20〜25%」という別の数字が示されていることがあり、業界内ですら一致していません。恋愛結婚側の「30〜40%」も、多くは前述の特殊離婚率(3組に1組)を流用したもので、お見合い婚の10%とは計算方法が違います。計算方法の違う2つの数字を並べて「3〜4倍の差」と言っている——これが「10%説」の構造です。
「離婚率が低いと聞いたので相談所にしました」というご相談は、実際に珍しくありません。数字そのものより、その数字が何を測ったものかを知っておくほうが、後々の判断を助けると感じています(これは私が受けた相談の範囲での傾向で、統計値ではありません)。
なぜ公的統計では出会い方別の離婚率が出せないのですか?
理由は3つに分けられます。
1つ目は、先に書いた届出に出会い方の欄がないこと。2つ目は、相談所側も追跡できないことです。相談所が把握できるのは「成婚退会したか、途中で退会したか」まで。退会後の夫婦に調査票を送っても、応じてくれるのは5〜6割程度というのが業界内で語られる水準で、円満な家庭ほど回答しやすい偏りが残ります。
3つ目が見落とされがちな点で、世代がそろっていないことです。見合い結婚が主流だったのは1930年代(見合い69.0%・恋愛13.4%)で、逆転したのは1960年代後半。2018年7月〜2021年6月に結婚した夫婦では、見合い結婚は9.0%まで下がり、恋愛結婚が約88%を占めます(国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」)。離婚が社会的に難しかった時代の夫婦と、いまの夫婦を同じ土俵で比べれば、前者の離婚が少なく出るのは当然とも言えます。
ちなみに同じ調査では「インターネットで」出会った夫婦が13.6%。すでに見合い結婚より多数派です。
恋愛結婚とお見合い結婚を比べた数字は、まったく無いのですか?
公的統計にはありませんが、出会い方を聞き取った民間調査はあります。参考値として扱う前提で紹介します。
ナレソメ総研が2025年2月に実施した調査(30代7,979人・40代11,660人、調査実施は株式会社マーケティングアンドアドシェイツ)では、初婚者の離婚出現率が出会い方別に集計されています。
| 出会い方 | 30代 | 40代 |
|---|---|---|
| 結婚相談所 | 6.7% | 14.8% |
| マッチングアプリ | 8.7% | 17.9% |
| コミュニティ(職場・友人等) | 12.7% | 18.2% |
相談所経由がいちばん低く出ています。ただし読み方には注意が必要です。相談所を使う層は結婚への真剣度や年齢・収入の分布が他の出会い方と違うため、この差がそのまま「相談所だから離婚しにくい」の証明にはなりません。また30代と40代で数字が倍近く開いていることからも分かるように、出会い方より結婚後の年数の影響が大きい可能性があります。あくまで民間1社の調査であり、3〜4倍というような大きな差は確認されていない、という読み方が妥当でしょう。
なお全体の傾向として、離婚件数は減っています。2024年は185,904組(離婚率1.55)、2025年は約17.9万組・離婚率1.50で、前年より約6,800組減少。ピークだった2002年の289,836組からは4割近く減りました(厚生労働省「人口動態統計」)。
お見合い結婚と結婚相談所での結婚は同じ意味ですか?
違います。ここを分けないと数字がずれます。
統計でいう「見合い結婚」には、親族や上司の紹介、地域の仲人を通じた縁談も含まれます。一方、読者の多くが思い浮かべているのは相談所でのお見合いでしょう。進み方もまったく別物です。相談所では、プロフィールを見てお見合いの申し込みをし、双方がOKならお見合い成立。1時間ほど会って、双方が希望すれば仮交際に進みます。
親の紹介による縁談は、断りにくさが前提にあります。相談所は逆で、断る前提の仕組みです。「条件で選ぶから冷静」という説明をよく見かけますが、実務上はむしろ断れる回数が多いことのほうが効いていると感じます。合わないまま進む圧力が小さいのです。この2つを同じ「お見合い結婚」として語ると、離婚率の話もかみ合いません。
相談所でのお見合い当日の進み方は、お見合いで話すこと|60分の配分と交際率44%の進行表で具体的に整理しています。
相談所のスピード婚は、かえって離婚しやすくないのですか?
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい論点です。
相談所の婚活は速い。IBJ『成婚白書 2024年度版』によれば、成婚者は女性34歳・男性36歳が中心で、在籍日数の中央値は約9か月、お見合い回数は約10〜12回。交際開始から約150日で6割以上、200日以内に約9割が成婚に至っています。一方、公的統計では同居期間5年未満の離婚がもっとも多く、2024年は51,634組でした。この2つを並べれば、「交際4〜6か月で結婚して大丈夫か」と不安になるのは自然です。
ただ、現場の感覚は少し違います。よく言われるのは「交際期間が短いから危ない」という説明ですが、私が見てきた範囲では、問題になるのは期間の長さではなく、その期間に何を話したかのほうです(統計値ではなく、担当した範囲での傾向です)。半年でも生活設計まで具体的に詰めた二人と、3年つき合っていてもお金と親の話を避けてきた二人とでは、結婚後の揺れ方がまったく違います。
むしろ注意したいのは逆のパターンです。プロフィールの条件が気持ちよくそろっていると、「ここまで合うのだから大丈夫」と安心して、確認作業を省いてしまう。条件の一致が、話し合いをしない口実になることがあるのです。仮交際で家事分担や転勤の話を飛ばしたまま真剣交際へ進み、そこで止まるケースは珍しくありません。
期間の目安から逆算して進めたい方は、婚活30代の進め方|成婚率49%(IBJ調べ)と9か月から逆算する手順もあわせてどうぞ。
離婚しにくくするために、婚活中にできることはありますか?
離婚率を気にするより、実際の離婚理由から逆算するほうが実用的です。
令和6年の司法統計(離婚調停の申立て動機・複数回答)では、1位は男女とも「性格が合わない」で、夫65.4%・妻48.9%。妻側の2位は「生活費を渡さない」でした。抽象的に見える1位も、分解すれば仮交際・真剣交際のうちに確かめられる項目になります。
| 離婚で挙がる動機 | 交際中に確かめる具体項目 | 聞くタイミング |
|---|---|---|
| 性格が合わない | 休日の過ごし方/不機嫌なときの態度/決め方(話し合う派か任せる派か) | 仮交際3〜4回目 |
| 生活費・金銭感覚 | 共働きを続けるか/財布は共通か別か/毎月いくら貯めたいか | 真剣交際の初期 |
| 家族・親族との関係 | 同居の希望/介護が必要になったときの想定/帰省の頻度 | 真剣交際の初期 |
| 子どもに関する考え | 希望の有無と人数/不妊治療をどこまで考えるか | 仮交際の終盤までに1度 |
| 働き方・転勤 | 転勤の可能性/転職の予定/残業の実態 | 仮交際3〜4回目 |
聞き方で結果が変わります。
- ❌「お金の管理ってどうするつもりですか?」(面接のようになり、相手が身構えます)
- ⭕「うちは実家が別財布だったんですが、そちらはどうでしたか?」(自分の前提を先に出すと、相手も答えやすくなります)
全部を一度に聞く必要はありません。1回のデートで1〜2項目。答えが返ってこない項目があっても、それ自体が情報です。相手が言葉を濁したとき、担当カウンセラーに間に入ってもらえるのは相談所の数少ない強みのひとつで、ここは遠慮せず使ってください。
条件で選ぶと、愛情のない結婚になりませんか?
この不安を口にされる方は多いです。「離婚率」で検索している方の本音が、実はこちら側にあることも少なくありません。
海外の研究では、インドのarranged marriage(家族の取り決めによる結婚)を対象に、結婚後の年数とともに愛情の自己評価が上がっていく傾向が報告されています(Epstein ら、Myers らほか)。ただし宗教的・社会的に離婚しにくい環境という事情が重なっているため、日本にそのまま当てはめることはできません。「条件から始めても愛情は育ちうる」という程度の補助線として受け取るのが妥当です。
現場でよく見るのは、お見合いの時点でときめかなかった二人が、仮交際で何度か会ううちに表情が変わってくる流れです。逆に初回から盛り上がった組が、3回目で急に止まることもある。最初の高揚感は、続くかどうかをあまり予測してくれません。
ある男性は、お見合い当日に「悪くはないが決め手がない」と話していました。仮交際を続ける中で、体調を崩したときの相手の対応を見て考えが変わった、と後から聞いています。※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。
よくある質問
Q. お見合い結婚の離婚率は何%ですか?
A. 公的に確定した数字はありません。広く流通する「約10%」に出典は確認できず、業界内でも「20〜25%」とする記述があります。参考値として、民間調査(ナレソメ総研・2025年2月)では結婚相談所経由の離婚出現率が30代6.7%・40代14.8%と集計されています。
Q. お見合い結婚の離婚率はなぜ低いと言われるのですか?
A. 最初から結婚を前提に会う、条件や価値観を事前にすり合わせる、第三者が間に入る、といった理由が挙げられます。ただしこれらは仕組みの説明であって、低さの証明ではありません。比較に使われる「恋愛結婚30〜40%」が特殊離婚率(離婚件数÷婚姻件数)の流用であることも、差が大きく見える一因です。
Q. 恋愛結婚とお見合い結婚で、離婚率はどのくらい違いますか?
A. 同じ条件で比較した公的データがないため、差を数字で示すことはできません。出会い方を聞き取った民間調査では、30代で結婚相談所6.7%・マッチングアプリ8.7%・職場や友人など12.7%と、数ポイント差の範囲にとどまっています。年齢層や結婚後の年数が異なる点も差に影響します。
Q. お見合い結婚の離婚率のデータはどこで見られますか?
A. 国の統計では出会い方別の離婚率は公表されていません(厚生労働省「人口動態統計」には出会い方の項目がないため)。関連して確認できるのは、見合い結婚の割合9.0%(国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」)と、婚活サービスの成婚実績(IBJ『成婚白書 2024年度版』など)です。
この記事の要点と、次に確かめること
- 「お見合い結婚の離婚率10%」にたどれる出典はない。届出に出会い方の欄がないため、公的には算出できない
- 「3組に1組」は特殊離婚率(離婚件数÷婚姻件数)で、別世代の数字を割ったもの。恋愛結婚の離婚確率ではない
- 民間調査では相談所経由が最も低いが、30代6.7%/40代14.8%と数ポイント差。年齢層の違いもあり、断定はできない
- 統計上の「見合い結婚」は親族・知人の紹介を含む広い概念で、結婚相談所経由とは別物
- 相談所の婚活は在籍中央値9か月・交際200日で約9割が成婚(IBJ成婚白書2024年度版)。速さ自体より、その間に何を話したかが分かれ目
- 離婚調停の動機1位は男女とも「性格が合わない」(夫65.4%・妻48.9%/令和6年司法統計)。交際中に確かめられる項目へ分解しておく
離婚率の数字を追いかけても、あなた自身の結婚生活は予測できません。代わりに手元でできるのは、上の表の5項目を自分の言葉にしておくことです。どの項目から聞くべきかは、婚活でつまずきやすい場所によって変わります。自分の傾向を先に把握しておきたい方は、婚活タイプ診断(10問・約3分)を使ってみてください。
※本記事の数値は、公表時点の統計・調査にもとづく目安です。集計年次や調査方法によって表記が変わることがあり、成果には個人差があります。特定の結果を保証するものではありません。
出典
- 厚生労働省「令和7(2025)年 人口動態統計(確定数)の概況」—離婚件数約17.9万組、離婚率1.50
- 厚生労働省「令和6(2024)年 人口動態統計(確定数)の概況」—離婚件数185,904組、離婚率1.55、同居期間5年未満の離婚51,634組
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(2021年)」—2018年7月〜2021年6月に結婚した夫婦の見合い結婚9.0%、恋愛結婚約88%、「インターネットで」13.6%
- 厚生労働省「平成27年版厚生労働白書」図表1-3-9—1930年代の見合い結婚69.0%・恋愛結婚13.4%(原典は上記調査)
- 最高裁判所「令和6年 司法統計(家事)」—離婚調停の申立て動機(複数回答)「性格が合わない」夫65.4%・妻48.9%
- 株式会社IBJ『成婚白書 2024年度版』—成婚者の年齢(女性34歳・男性36歳)、在籍日数中央値約9か月、交際約150日で6割以上・200日以内に約9割が成婚、お見合い回数約10〜12回
- ナレソメ総研「出会い方で離婚率は変わるのか」—2025年2月実施、30代7,979人・40代11,660人対象、調査実施:株式会社マーケティングアンドアドシェイツ。出会い方別の離婚出現率(初婚)。民間1社の調査のため参考値
- Epstein, R. et al. "How Love Emerges in Arranged Marriages" / Myers, Madathil & Tingle—arranged marriageにおける愛情・満足度の研究。文化的背景が異なるため日本への直接適用はできない
