
この記事でわかること
- 「お見合い10%・恋愛40%」は双方とも一次出典が確認できない数字だと分かります
- 届出に出会い方の欄がないため、公的統計に出会い方別の離婚率は存在しません
- 出典のある調査では30代で相談所6.7%・アプリ8.7%・職場や友人12.7%。差は定説ほど大きくない
- 離婚動機1位「性格が合わない」から逆算した、短期で決める前の確認7項目
「お見合い結婚の離婚率は10%、恋愛結婚は40%」——この比較に一次出典はありません。国の統計に出会い方別の離婚率という項目はなく、10%という数字の出どころも確認できません。ただし、相談所経由のほうが離婚の出現率が低いという、出典をたどれる民間調査は存在します。
この記事で扱うのは、(1)10%説の出どころ、(2)公的統計で何が分かるか、(3)出典のある調査の数字と読み方、(4)離婚率が低いと言われる理由の検証、(5)交際期間の短さと離婚の関係、(6)短期で決める前に確認する7項目です。IBJ加盟の結婚相談所(お見合い→仮交際→真剣交際→成婚)で婚活している30〜40代の方を想定しています。数字は出典と年次を添え、確認できないものは確認できないと書きます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
「お見合い結婚の離婚率は10%」という数字はどこから来たのか
よくこう言われます。お見合い結婚は10%、恋愛結婚は40%。けれど現場の実感は、この数字への信頼とは少し違います。
検索上位に並ぶ記事をたどっていくと、ほぼ全てがこの「10%対40%」を冒頭に置いています。しかし、調査主体・調査年・対象人数が書かれているものは見つかりません。出典の記載がない数字が、引用の連鎖だけで定説になっている状態です。
「ネットで相談所の離婚率は1%未満と書いてありました。本当ですか」というご質問は珍しくありません。お答えするのはいつも同じです。その数字を誰がどう数えたのか、たどれません。
公的統計に「出会い方別の離婚率」は存在しない
理由は単純で、婚姻届にも離婚届にも出会ったきっかけを書く欄がないからです。役所が集計できるのは戸籍の情報だけ。だから厚生労働省の人口動態統計をどう探しても、見合いか恋愛かで分けた離婚率は出てきません。
公的統計から言えるのは、ここまでです。
- 2025年(令和7年)確定数は離婚179,073組、婚姻489,158組。離婚率(人口千対)は1.50で、前年の1.55から低下(厚生労働省 人口動態統計)
- 2024年(令和6年)は離婚185,904組・離婚率1.55。2025年は前年比6,831組の減少に転じた(同)
- 同居期間別では5年未満が最多で51,640件=27.7%。一方で20年以上も約22%を占める(同)
- 結婚した夫婦の出会いのきっかけは見合い3.8%、職場・仕事21.4%、友人・兄弟姉妹25.9%、ネット(SNS・アプリ)13.6%。平均交際期間は2.8年(国立社会保障・人口問題研究所 第16回出生動向基本調査/2021年)
「3組に1組が離婚」の分母のズレ
もうひとつ押さえておきたいのが分母です。その年の離婚件数をその年の婚姻件数で割ると約38%になりますが、これは誤用です。今年離婚した夫婦が結婚したのは10年も20年も前で、当時の婚姻件数はもっと多かった。分母と分子が別の集団なのです。
年齢別の離婚率合計を年齢別の婚姻率合計で割る方法だと0.32(2020年)。これが「3組に1組」の本来の根拠です。つまり比較対象として置かれている「恋愛結婚40%」のほうも、根拠を確認できる数字ではありません。分母の置き方で数字が変わる話は婚活業界に多く、結婚相談所のぶっちゃけ話|成婚率の数字が割れる理由を分母から読むでも同じ構造を書いています。

出典のある数字で見ると、30代は6.7%だった
では何も言えないのか。そうではありません。出典をたどれる調査が1つあります。
ナレソメ総研が2025年2月に30〜49歳の既婚男女19,639名へ行った調査では、出会い方別の離婚出現率が公表されています。30代では、職場・学校・友人といった身近なつながりが12.7%、マッチングアプリが8.7%、結婚相談所が6.7%。40代の結婚相談所は14.8%でした。
| 出会い方(30代) | 離婚出現率 |
|---|---|
| 職場・学校・友人などのつながり | 12.7% |
| マッチングアプリ | 8.7% |
| 結婚相談所 | 6.7% |
順序は定説と同じ方向を向いています。ただ、幅は「10%対40%」のような劇的なものではありません。そして次の3点は必ず添えて読んでください。
- 民間1社の調査であるため参考値として扱うのが妥当です。大規模な公的統計とは位置づけが違います
- 属性の差が混ざっています。相談所の利用者は年齢・結婚意欲・初婚かどうかの偏りが大きく、「出会い方の効果」と「人の属性の効果」が分けられていません
- 観測できる期間が短い。相談所が追えるのは成婚退会までで、その後の20年を追跡したデータは公表されていません
40代の14.8%が30代の2倍以上になっている点も見逃せません。出会い方よりも、結婚した年齢や再婚かどうかのほうが効いている可能性があります。
お見合い結婚の離婚率が低いと言われる理由と、その弱点
よく挙げられる理由は3つに集約されます。どれも的を射ていますが、裏側があります。
| よく言われる理由 | 現場で見える弱点 |
|---|---|
| 最初から結婚が目的なので、動機のズレが起きにくい | 結婚したいという一致と、一緒に暮らせるかは別の問題。目的が揃っているほど「合わない」と言い出しにくくなる面もある |
| 年収・年齢・勤務形態などの条件を先に確認できる | 紙の上で合う条件と、生活習慣やお金の使い方は別物。条件確認で安心した分、生活面の確認が薄くなるケースをよく見ます |
| カウンセラーという第三者が間に入る | 第三者の存在は、迷いを整理する力にもなりますが、周囲の目として離婚を選びにくくする圧力にもなり得ます |
3つめが、この記事でいちばん伝えたい点です。離婚率が低いことと、夫婦の満足度が高いことは同じではありません。親も担当者も知っている関係ほど、やめる判断にコストがかかる。低い数字の一部はそれで説明がついてしまいます。
条件を点数のように扱う考え方の限界については婚活ランク表は鵜呑みにしない|年収1000万は男性の9.7%でも触れています。
交際期間の短さは、離婚に直結するのか
ここが読者の方の本当の不安だと思います。結婚相談所では、お見合いから成婚まで数ヶ月で進む方が珍しくありません。一方、第16回出生動向基本調査が示す全体の平均交際期間は2.8年。何年も一緒にいた人たちと比べて、数ヶ月で決めて大丈夫なのか。
同居期間別の離婚データを重ねると、見え方が変わります。離婚は5年未満が27.7%と最多ですが、20年以上も約22%。1985年の2.04万組から約4.07万組へ、熟年層の離婚はおよそ2倍になっています。
つまり離婚のリスクは、結婚直後と、長く経ってからの二つの山に分かれています。短期間で決めることが影響しうるのは主に前者。後者には、出会い方はほとんど効きません。「お見合いだから一生安心」でも「短期間だから危険」でもなく、効く場所が限られているだけです(いずれも傾向の話で、個人差があります)。
交際期間そのものより、その期間に何を確認したかのほうが差になります。3ヶ月で生活の話を10項目詰めた方と、2年付き合って家計の話を一度もしなかった方では、前者のほうが準備は進んでいます。進み方の段取りはお見合いの流れQ&A|申し込み成立7%から仮交際44%までの順番にまとめています。
短期で決める前に確認したい7項目
何を確認すればいいか。離婚の動機から逆算するのが最短です。令和6年の司法統計では、離婚調停の申立て動機の1位は男女ともに「性格が合わない」で、男性59.9%・女性38.3%。この「性格」は、多くの場合もっと具体的な生活の衝突に分解できます。
- お金の管理—口座は分けるか、生活費の負担割合、貯蓄目標の金額
- 仕事と転勤—転勤の可能性、単身赴任の可否、相手の就業継続の希望
- 親との距離—同居の意向、帰省の頻度、将来の介護の考え方
- 子ども—希望人数、時期、治療まで考えるかどうか
- 家事の分担—料理・掃除の担当と、外注や家電に頼る許容度
- 休日と一人の時間—どのくらい一緒に過ごしたいか、趣味や交友への感覚
- 不機嫌になったときの作法—黙るのか、話すのか、どう仲直りするのか
7のような話題は、結婚前に確認しづらいと敬遠されがちです。けれど真剣交際でのすれ違いの多くは、ここで起きています。
聞き方も効きます。
- ❌「価値観は合いますよね?」—相手は「はい」としか答えられません
- ⭕「生活費はどう分けるのが理想ですか。私は食費を共通にして、残りは各自が気楽かなと思っています」—自分の案を先に出すと、相手も具体で返せます
仮交際の段階でこの7項目を順に確認した方が、真剣交際に入る前に「ここだけは譲れない」を1つに絞れたケースをよく見ます(※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。結果には個人差があります)。
担当者に聞いておく3点
- この方の活動期間と、これまでのお相手との進み方の傾向
- 真剣交際に入る前に、どの項目まで確認しておくべきか
- 条件面でこちらが確認し漏らしている点はないか
よくある質問
Q. お見合い結婚の離婚率はどれくらいですか?
A. 公的統計に出会い方別の離婚率はないため、確定値は存在しません。出典をたどれる数字としては、ナレソメ総研の2025年調査(30〜49歳既婚男女19,639名)で30代の結婚相談所が6.7%、40代が14.8%。民間1社の調査であり参考値です。
Q. 恋愛結婚とお見合い結婚の離婚率はどのくらい違いますか?
A. 「10%対40%」という比較は、どちらの数字も一次出典を確認できません。同じ調査内での比較では、30代で結婚相談所6.7%・マッチングアプリ8.7%・職場や友人のつながり12.7%。方向は同じですが、差は定説ほど大きくありません。
Q. お見合い結婚の離婚率が低いと言われるのはなぜですか?
A. 結婚を前提に始まる、条件を先に確認できる、第三者が関わる、の3点が主な説明です。ただし相談所の利用者には年齢や結婚意欲の偏りがあり、出会い方の効果と属性の効果が分けられていません。第三者の存在が離婚を選びにくくしている部分も考えられます。
Q. 交際期間が短いまま結婚して後悔しませんか?
A. 期間の長さより確認項目の数のほうが実務的な差になります。本文の7項目を仮交際のうちに通しておくと、短い期間でも判断の材料は揃います。それでも迷う場合は、真剣交際を延ばすという選択も普通にあります。
数字ではなく、確認できた項目の数で決める
離婚率の話を調べ始めた方に毎回お伝えしているのは、ひとつです。10%という数字はあなたの結婚を守ってくれません。守るのは、結婚前に具体で話せた項目の数です。
今日できることは、上の7項目のうち、次に会ったときに聞く1つを決めること。自分がどのタイプの進め方に向いているかを整理したい方は、婚活タイプ診断(10問・約3分)から始めるのも手です。進め方そのものに迷いが出てきたら、無料相談で状況の整理だけして帰っていただくこともできます。
出典
- 厚生労働省「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)」離婚179,073組/婚姻489,158組/離婚率1.50 資料
- 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」離婚185,904組/離婚率1.55/同居期間5年未満51,640件(27.7%) 資料
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年調査)見合い3.8%/ネット13.6%/平均交際期間2.8年 結果の概要。調査年が2021年のため、現在は数値が異なる可能性があります
- ナレソメ総研「出会い方で離婚率は変わるのか」(2025年2月6〜14日実施、30〜49歳既婚男女19,639名)調査結果/リリース。民間企業による自社調査で、公的統計とは集計条件が異なります
- 令和6年 司法統計をもとにした離婚動機の整理(「性格が合わない」男性59.9%/女性38.3%)弁護士ドットコム
- 「3組に1組」の算出方法の解説(年齢別離婚率合計÷年齢別婚姻率合計=0.32/2020年)アトム法律事務所
本文の数値は公表時点のものです。離婚のしやすさ・しにくさを保証するものではなく、結果には個人差があります。
