
この記事でわかること
- 女性で年収400万円超は約31.0%(国税庁調査の集計)。少数派だが正社員では平均帯という二重の立ち位置
- 未婚率は高いが、未婚者の人数では年収300〜400万円台が最多。レアケースだから結婚できないのではない
- 年収500万円以上の同世代未婚男性は約11%。年齢とエリアを重ねると候補は100人中3人まで絞られる
- 男性の58.3%は相手の年収を気にしない。動かすべきは自分の年収ではなく条件の優先順位とエリアの線
結論から書きます。年収400万円の女性が結婚できない、は言い過ぎです。統計で高いのは「未婚率」という割合で、未婚者の人数そのものは年収300〜400万円台がいちばん多い層です。つまり珍しすぎて相手がいないのではなく、最大のボリューム層の中にいます。
この記事で扱うのは、IBJ(日本結婚相談所連盟)加盟の結婚相談所での婚活を前提にした「条件のすり合わせ」です。年収350〜500万円・20代後半から40代の女性で、「自分の収入が足を引っ張っているのでは」と感じている方に向けて書いています。なお、人の年収や年齢を点数化して格付けする表は、当サイトの方針として作りません。
この先では、①本当に結婚できないのかという事実確認、②未婚率が高いと言われる理由、③男性側が女性の年収をどう見ているか、④条件の掛け合わせで相手の母集団がどれだけ絞られるかの計算の考え方、⑤優先順位の付け替え方、⑥結婚相談所で年収400万円台は不利かどうか、の順に答えていきます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
年収400万円の女性は、本当に結婚できないのですか?
「できない」と断定できる根拠はありません。確かめるべき数字は2つに分かれます。
まず立ち位置です。国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」で女性の平均給与は333万円(男性587万円)。年収400万円超の割合は、同調査をもとにした集計で女性は約31.0%、男性は約67.8%です。年収400万円台にしぼると女性全体では12.1%ですが、正社員の女性だけなら20.0%、女性正社員の平均は431万円(LIMO/Yahoo!ファイナンス)。分布の形で言えば、女性全体では上位3割の少数派、正社員の集団の中ではほぼ平均帯という二重の顔を持っています。手取りは独身・扶養なしで年約310〜325万円、月26万円前後が目安です。
もう一つが未婚率。2020年国勢調査(不詳補完値)の50歳時未婚率は男性28.3%・女性17.8%ですが、荒川和久氏が同調査を分析した結果では、正規雇用に限ると女性24.8%・男性19.6%で男女が逆転します(東洋経済)。年収400万円を超えた女性で生涯未婚率が25%を超える傾向も、同氏が示しています。
ここで止まるのが、よくある解説の限界です。同じ分析の中で荒川氏は、率ではそう見えても、未婚者の絶対人数は男女とも年収300〜400万円台の中間層がもっとも多いと指摘しています。4人に1人が未婚のままという数字は重いですが、裏返せば残りの3人は結婚しています。レアケースだから詰んでいる、という読み方は事実と合いません。
なお2020年国勢調査は5年以上前の集計で、現在は数値が動いている可能性があります。婚姻件数は2025年に48万9,119組と2年連続で増えました(厚生労働省 人口動態統計月報年計・概数)。

なぜ「年収が高い女性ほど未婚率が高い」と言われるのですか?
理由を年収そのものに求めると、打つ手がなくなります。現場で見ていていちばん大きいのは、使える時間と出会う人数の問題です。
出会いが職場に偏り、そこで止まる
責任のある仕事をしていると、平日の夜と土日のどちらかは仕事で埋まります。すると出会いの場が職場と取引先にしぼられ、その中に該当者がいなければ母集団はゼロのままです。「3年前から婚活したい気持ちはあるのに、まだ誰とも会っていない」というご相談は珍しくありません。止まっているのは年収ではなく、最初の1回の予約です。
経済的に困っていないので、締め切りが生まれにくい
生活が成り立っていることは強みですが、動く理由が弱くなるという副作用があります。平均初婚年齢は妻29.7歳(2025年・厚生労働省概数)。30〜34歳女性の未婚率は38.5%、35〜39歳は26.2%(2020年国勢調査)で、30代前半はまだ3人に1人以上が未婚です。焦る必要はありませんが、締め切りを自分で決めないと1年が静かに過ぎます。
相手に求める年収が、自分の年収に連動して上がる
これが数字としてはっきり出ます。結婚相手に求める最低年収の調査では、女性の73.2%が「400万円以上」を希望(マイナビニュース報道・2026年8月)。自分が400万円稼いでいると、無意識に500万円以上を基準にしがちです。ここが次章以降の本題になります。
男性は、女性の年収をどう見ているのですか?
世間でよく言われるのは「稼ぐ女性は男性のプライドを傷つけるから敬遠される」という説です。現場の実感は、これとかなり違います。私が担当してきた範囲では、お見合い後のお断り理由として「女性の年収が高いから」と伝えられたことはほとんどありません(統計値ではなく体感で、個人差があります)。実際に理由として挙がるのは、会話のテンポが合わなかった、次の日程が3週間先になった、といった別のことです。
調査も同じ方向を向いています。結婚相手に求める最低年収について男性の58.3%が「あまり/全く気にしない」(マイナビニュース報道・2026年8月)、別の調査では男性の41.4%が「こだわらない」で最多(スポーツ報知・2026年2月報道)、2025年のリンクバル調査でも男性の54.5%が「こだわらない」で1位でした。いずれも単独企業の調査なので参考値として読む必要はありますが、三つが同じ傾向を示しています。
長い目で見ると、むしろ評価されつつあります。国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年)では、結婚相手の条件として妻の経済力を「重視する・考慮する」男性は48.2%(前回41.9%から上昇)。共働き世帯は2024年に1,300万世帯まで増えました。年収400万円は、相手の男性から見ると「一緒に家計を組み立てられる相手」という材料になります。
ただし、安心材料になるのは相手が共働きを前提にしている場合です。専業主婦を望む男性にとっては魅力に映らないこともあります。そこは相性の問題で、優劣ではありません。
結婚が遠のく本当の原因は、どこにあるのですか?
条件を一つずつ足していくと、相手の候補が何人残るか。これを一度計算してみると、見える景色が変わります。
出発点の数字はこれです。荒川和久氏の分析(プレジデントオンライン)によると、25〜34歳の未婚男性で年収500万円以上は全国で約11%、東京都では約22%。20〜39歳の独身男性では12%です。「年収500万円くらいの普通の人」という希望は、同世代の10人に1人を全員で取り合う条件になっています。
| 積み上げる条件 | 残る割合の目安 | 未婚男性100人のうち |
|---|---|---|
| 年収500万円以上(25〜34歳・全国) | 約11% | 約11人 |
| +年齢が自分の±5歳以内 | 仮に半分 | 約5〜6人 |
| +通える範囲に住んでいる | 仮に6割 | 約3人 |
| +結婚への本気度が合い、お見合いが成立する | さらに一部 | 1人前後 |
11%は上記の公表分析の数値ですが、年齢とエリアの「仮に半分」「仮に6割」は計算の考え方を見せるための仮定で、統計値ではありません。自分の希望条件に当てはめて、割合を置き換えて使ってください。ここで分かるのは、条件は足し算ではなく掛け算で効くということ。3つ重ねた時点で、残るのは100人に3人です。東京都なら出発点が22%なので、同じ条件でも母集団はおよそ倍になります。住む場所と通える範囲は、年収条件と同じくらい効く変数です。
原因をあなたの価値に求める必要はありません。条件の組み合わせが、需給の上で成立しにくい形になっているだけです。人を年収で並べて優劣を付ける発想とは別の話だと、はっきり分けておきたいところです。この点は婚活ランク表は鵜呑みにしない|年収1000万は男性の9.7%でも人口比から検証しています。

もう一つ知っておくと気が楽になる数字があります。日本の結婚は依然として上方婚が約70%、同類婚20%、下方婚10%(2022年就業構造基本調査を荒川氏が分析/妻29歳以下・子なし)。妻の所得が夫を上回る夫婦は日本で5.2%にとどまります(ISSPの41カ国調査。インド27.7%、米国24.9%)。あなたが上方婚を望むのは特殊ではなく、同じ希望を持つ女性が非常に多い。だからこそ競争が集中します。
条件の優先順位は、どう付け替えればいいですか?
「妥協しましょう」とは言いません。入れ替える、が正確です。条件を3枠に振り分けてみてください。
- 絶対に外せない(3つまで)…一緒に暮らせるかどうかを左右するもの
- できれば満たしたい(いくつでも)…会ってから確かめるもの
- 手放す…満たされなくても生活が成り立つもの
振り分けの実例を挙げます。※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。
例1:30代半ば・年収420万円・都市部勤務の方
はじめの条件は「年収500万円以上/3歳上まで/長男以外/都内勤務」の4点。これを、絶対=共働きに前向きで、家事を分担する意思がある/できれば=年収450万円前後/手放す=長男かどうか、に組み替えました。年収の線を50万円下げ、長男の条件を外しただけで、申し込みを検討できる相手の数は体感で2倍以上に増えました(人数は相談所の在籍状況で変わります)。
例2:40代前半・年収450万円・地方在住の方
こちらは年収よりエリアの線を動かしました。車で30分圏内という条件を1時間圏内に広げ、月に1回は相手の住む街で会う前提にする。結果として候補が広がり、同時に「毎週会いたい」タイプの方とは最初から合わないと判断できるようになりました。条件は緩めるだけでなく、生活の形から決め直すのが実務的です。
どの条件を絶対枠に入れるべきか迷うなら、サイト内の婚活タイプ診断(10問・約3分)で自分の重心を見てから並べ替えると判断しやすくなります。

止まっている場所の切り分けは、結婚できない理由は性格じゃない|動いている人は16%だけも合わせて読んでください。
結婚相談所で年収400万円台の女性は不利になりませんか?
結論として、女性の年収が理由で活動が進まない場面はまず見ません。むしろ相談所は、年収や結婚の意思が書類で確認されている分、「共働きに前向きかどうか」を事前に見分けやすい場です。女性のお見合い申し込まれ件数の実データはお見合い申し込まれ件数|女性の月中央値は30代35.7件にまとめています。
プロフィールに年収は書くべきですか
IBJ加盟の相談所では、女性の年収は非公開や「〜400万円」といった幅での表示を選べる場合が多く、運用は相談所ごとに異なります。入会前に①年収欄は公開・非公開を選べるか ②公開する場合は幅か実額か ③後から変更できるかの3点を担当者に確認しておくと迷いません。私の実務では、共働きを希望する方なら公開を、専業も視野に入れている方なら幅表示をおすすめしています(考え方の目安で、正解は一つではありません)。
伝えるタイミングと言い方
仮交際の中盤、2〜3回目に会うころが自然です。言い方で印象が変わります。
- ❌「私、年収400万くらいあるので、生活は心配しないでください」…金額が主役になり、張り合う形に聞こえます
- ⭕「結婚後も仕事は続けたいと思っています。家計は二人で出し合う形が希望ですが、どうお考えですか」…金額ではなく生活の設計を話せます
費用面も一度は確認しておきましょう。IBJ加盟の相談所では登録料・月会費・お見合い料・成婚料という体系が一般的で、1年間の総額は30〜60万円が目安(サービスによって幅があります)。結婚相談所の契約は特定継続的役務提供にあたるため、料金と解約条件は必ず書面で確認してください。
よくある質問
Q. 年収400万円だと結婚は無理ですか?
A. 無理と言える根拠はありません。未婚率は高めですが、未婚者の人数では年収300〜400万円台が最多の層です(荒川和久氏による国勢調査分析)。結果には個人差があり、活動すれば必ず成婚するとお約束できるものでもありません。
Q. 年収400万円の手取りはいくらですか?
A. 独身・扶養なしで年約310〜325万円、月26万円前後が目安です(金融機関等の試算。控除の内容で変わります)。結婚後の世帯年収を考えるときは、この手取りベースで並べると現実的です。
Q. 相手の年収は何円を目安にすればいいですか?
A. 金額より先に「共働きを続けるか」を決めてください。共働き前提なら、世帯で必要な金額から逆算すると線が自然に下がります。25〜34歳の未婚男性で年収500万円以上は約11%(東京都は約22%)という前提は押さえておきましょう。
Q. 30代後半だと、もう遅いですか?
A. 2020年国勢調査では35〜39歳女性の未婚率は26.2%で、4人に1人以上が未婚です。ただし条件の数は若い頃より絞ったほうが動きます。遅いかどうかより、絶対枠を3つに決められているかが分かれ目です。
Q. 自分より年収が低い男性と結婚して、後悔しませんか?
A. 妻の所得が高い夫婦で離婚リスクが上がるという研究はありますが、その傾向は世代が下るほど弱まるとも指摘されています。相手が共働きを当然と考えているか、家事をどう分担するつもりかを仮交際のうちに具体的に聞いておくことが、金額の差より効きます。
今週できることは一つです。相手に求める条件を紙に書き出して、絶対に外せないものを3つだけ丸で囲む。残りを「できれば」と「手放す」に振り分ける。それだけで、自分がどれだけ狭い母集団を探していたかが見えます。年収は変えられませんが、条件の順番は今日変えられます。
出典
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(女性の平均給与333万円/男性587万円)結果報告(PDF)。年収400万円超の男女別割合(女性約31.0%・男性約67.8%)、年収400万円台の女性12.1%・正社員20.0%・女性正社員平均431万円は、同調査をもとにしたLIMO/Yahoo!ファイナンスの集計記事による
- 総務省「2020年国勢調査」(50歳時未婚率は不詳補完値。男性28.3%/女性17.8%、30〜34歳女性38.5%、35〜39歳女性26.2%)。5年以上前の集計のため、現在は数値が異なる可能性があります
- 荒川和久氏による国勢調査・就業構造基本調査の分析(正規雇用の生涯未婚率 女性24.8%・男性19.6%/未婚者数の山は年収300〜400万円台/25〜34歳未婚男性の年収500万円以上は約11%・東京都約22%/上方婚70%・同類婚20%・下方婚10%)。東洋経済オンライン、Yahoo!ニュース エキスパート、プレジデントオンライン掲載のコラム。個人の分析記事であり、公的統計の公表値そのものではありません
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年/妻の経済力を重視・考慮する男性48.2%)結果の概要(PDF)
- 厚生労働省「令和7(2025)年 人口動態統計月報年計(概数)」(婚姻48万9,119組、平均初婚年齢 妻29.7歳)概況(PDF)。概数のため確定値で変わる可能性があります
- 結婚相手に求める最低年収の各調査(マイナビニュース報道・2026年8月/スポーツ報知報道・2026年2月/リンクバル「恋愛・結婚に関する意識と実態調査2025」)。いずれも民間企業の調査で、対象者の属性・人数が異なるため参考値として扱っています
- 共働き世帯1,300万世帯(2024年)はJILPTによる労働力調査の整理、妻の所得が夫を上回る夫婦5.2%はISSPの国際比較調査(報道引用)
- 年収400万円の手取り目安は金融機関等の2026年版シミュレーション。結婚相談所の費用相場(1年総額30〜60万円)はIBJ加盟相談所の一般的な料金体系に基づく目安で、特定のサービスの料金ではありません
