
この記事でわかること
- お見合い結婚は申込み→お見合い→仮交際→真剣交際→成婚の5段階で進む仕組みだとわかる
- IBJ成婚白書の平均はお見合い11回・交際約4.1ヶ月・在籍8ヶ月前後という具体的な目安
- 「見合い1.1%」は相談所やネット経由を含まない数字で、実態はネット20.2%側に移っている
- 離婚率10%説に公的統計の裏づけはなく、出典の性質まで確かめて判断する必要がある
お見合い結婚とは、結婚を前提にした紹介で初めて会い、交際を重ねて結婚に至る出会い方です。親や仲人が相手を決め、本人は断れない——そのイメージは、今の実態とはかなり離れています。会うかどうかも、交際を続けるかどうかも、ひとつずつ本人が決めます。
この記事が扱うのは、IBJ(日本結婚相談所連盟)に加盟する結婚相談所を通したお見合い結婚です。30〜40代で「お見合いって実際どう進むのか」「恋愛結婚と何が違うのか」を確かめたい方に向けて書きました。前半で言葉の定義と5段階の流れ、中盤で「見合いは1.1%」という統計の読み方と恋愛結婚との違い、後半で離婚率や恋愛感情をめぐる通説の検証、最後によくある質問に答えます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
お見合い結婚とは「結婚を前提に、紹介で出会う」こと
恋愛結婚との決定的な違いは、出会った時点ですでに「結婚したい」という前提が共有されている点にあります。付き合ってから結婚の意思を確かめるのではなく、意思がある人同士が会うところから始まる。順番が逆、と言い換えてもいいかもしれません。
混同されやすい言葉を先に整理します。
- お見合い=紹介を受けた相手と初めて会う場そのもの。1時間前後の顔合わせを指します。
- お見合い結婚=その出会い方を起点に成立した結婚。結婚後の暮らし方が特別なわけではありません。
- 仮交際=お見合い後、双方が「また会いたい」となった段階。複数の相手と並行して進められます。
- 真剣交際=一人に絞り、結婚を具体的に話す段階。ここで他のお見合い申し込みは止めます。
- 成婚=結婚の意思が固まり、相談所を退会すること。入籍日とは一致しません。
現代の「お見合い」は3つの経路に分かれる
ひとくちにお見合いと言っても、入口は3つあります。親や知人の紹介、結婚相談所、そして自治体の結婚支援センターです。最後のひとつは意外と知られていません。こども家庭庁の地域少子化対策重点推進交付金では、自治体のマッチングシステム高度化が補助率3/4で支援されており、埼玉県の「恋たま」は2025年6月末時点で累計成婚646組、愛媛県ではAI導入前の6年半で455組だった成婚が、導入後5年半で1,300組に増えたという集計もあります(いずれも自治体・報道ベースの公表値)。費用を抑えて「現代のお見合い」を試す選択肢として、検討の俎上に載せる価値はあります。
この記事の本題は2つめ、結婚相談所経由のお見合いです。
昔のお見合いと今のお見合い、変わったのはどこか
「お見合いって、親が決めたら断れないんですよね?」というご質問は、今でも珍しくありません。1930年代には結婚の約7割が見合いだったとされ、恋愛結婚が見合いを数の上で上回ったのが1965〜66年頃。当時のお見合いは家と家の話し合いが主役で、本人の意思は後からついてくるものでした。
今は違います。申し込むのは本人、受けるか断るかも本人。写真と経歴(釣書・身上書にあたる情報)を先に見るという形式だけが残り、決定権は完全に当事者側へ移りました。残ったのは「結婚の条件を先に開示する」という合理的な部分だけ、と考えるとわかりやすいと思います。

申込みから成婚までの5段階|平均はお見合い11回・交際4.1ヶ月
実際の進み方を、起点からの週数で追います。約2万人を分析した「2025年 IBJ成婚白書」の平均値を目安として添えました。

各段階の中身と期間の目安
- 0〜1週目:お見合いの申し込み/システムで相手を検索し、1日に複数人へ申し込めます。返事までは数日かかるのが普通です(→お見合い申し込みの返事は平均3〜5日|待ち日数別の動き方)。
- 2〜4週目:お見合い当日/成立から実施まで2〜3週間空くことも。成婚白書の平均では、成婚までにお見合い11回を経験しています。
- 1〜3ヶ月目:仮交際/複数人と並行が前提。週1回前後のデートで価値観をすり合わせます。
- 3〜6ヶ月目:真剣交際/一人に絞り、仕事・住まい・お金・家族の話に踏み込みます。
- 6〜9ヶ月目:成婚退会/成婚白書での交際期間は約4.1ヶ月(124〜125日)、在籍期間は男性約9.2ヶ月・女性約7.6ヶ月、成婚時の年齢は男性35歳・女性33歳が平均値です。
「結婚 見合い」で検索して出てくる“スピード婚”のイメージは、この数字が根拠です。ただし平均は平均。半年で決まる方もいれば、2年かける方もいます。
お見合い当日の流れ・所要時間・持ち物
相談所経由のお見合いは、ホテルのラウンジなどで1時間程度が目安です。開始10分前に着席し、相手が来たら立って挨拶。自己紹介から趣味や仕事の話へ移り、終了時間が来たら「またお会いしたいです」と伝えるか、担当カウンセラーに返事を預けて解散します。
持ち物はプロフィール(相手の分を印刷したもの)、飲み物代、スマートフォンだけ。会話の中身で迷う方はお見合いで何を話す?60分の時間配分と沈黙の戻し方も参考にしてください。
途中で止まったとき、どこから戻れるか
仮交際は、どちらかが終了を伝えればその時点で終わります。真剣交際まで進んでから白紙に戻ることもあります。珍しい話ではありません。いずれの場合も、戻る場所は「申し込み」の段階です。プロフィールを更新し、翌週からまた申し込める。やり直しの単位が小さいことは、この仕組みの数少ない利点だと感じています。
費用についても触れておきます。IBJ加盟相談所の一般的な体系は、登録料(初期費用)・月会費・お見合い料・成婚料の4本立てです。公開されている相場では初期費用5〜20万円、月会費1〜2万円、成婚料10〜30万円、1年活動して成婚退会する場合の総額目安は25〜50万円。相談所ごとに差が大きく、お見合い料の有無でも変わります。結婚相談所の契約は特定継続的役務提供にあたるため、金額と解約条件は必ず契約書面で確認してください。
「見合いは1.1%」は本当に少数派なのか
国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査(2025年調査、2026年9月公表)によると、夫婦の出会いのきっかけで「見合い」は1.1%。1982年の29.3%から激減しています。この数字だけを見れば、お見合い結婚は絶滅寸前に見えます。
でも、読み方には注意が要ります。

同じ調査の内訳は「職場や仕事で」20.9%、「友人・兄弟姉妹を通じて」20.2%、そして「ネットで」20.2%。ネット経由は前回調査の11.0%からほぼ倍増しました。ここで言う「見合い」は仲人を介した伝統的な形式を指しており、結婚相談所やネット婚活サービス経由は別カテゴリに振り分けられます。実際、一世代前の集計では「見合いで」と「結婚相談所で」を合わせると7.6%でした(2015年時点の同調査。現在は数字が異なる可能性があります)。
つまり、お見合い結婚の実質的な担い手は「ネットで」20.2%の中に移っていると読むほうが実態に近い。リクルート ブライダル総研の婚活実態調査2024(2024年9月公表、2023年の婚姻者が対象)でも、婚活サービスを通じて結婚した人は15.3%に達しています。1.1%という数字を「もう誰もやっていない」と受け取るのは、早とちりです。
ちなみに婚姻そのものは2年連続で増えています。厚生労働省の人口動態統計によれば2025年の婚姻件数は48万9,119組(前年比+4,027組)、平均初婚年齢は夫31.0歳・妻29.7歳。一方で18〜34歳の未婚者のうち「一生結婚するつもりはない」と答えた人が男性24.0%・女性21.5%と、調査開始以来初めて2割を超えました。結婚する人と、しない人。分かれ方がはっきりしてきた、という時代です。
恋愛結婚との違いと、向いている人・向いていない人
| 項目 | お見合い結婚(相談所) | 恋愛結婚 |
|---|---|---|
| 出会った時点の前提 | 双方が結婚を希望している | 結婚の意思は未確認 |
| 事前にわかる情報 | 年齢・職業・年収・学歴・独身証明など | 基本的に本人の話のみ |
| 交際の進め方 | 仮交際は複数並行、真剣交際で1人に絞る | 最初から1対1が一般的 |
| 結婚までの期間 | 成婚白書の平均で交際約4.1ヶ月 | 見合い1.3年に対し恋愛4.6年という集計も(2015年時点の古いデータ) |
| 第三者の関与 | 担当カウンセラーが間に入る | なし |
| 費用 | 登録料・月会費・成婚料などが発生 | デート代のみ |
向き不向きは、性格よりも「今の生活で何が足りていないか」で決まります。
- 向いている:結婚の意思がはっきりしている/出会いの母数が足りない/条件のすり合わせを先にしたい/第三者に相談しながら進めたい
- 慎重に考えたい:まず恋愛から始めたい/数ヶ月単位で決めることに強い抵抗がある/費用をかけずに様子を見たい段階
後者に当てはまる方は、入会を急ぐ必要はありません。出会い方ごとの性質の違いはお見合い婚活とアプリの違い|性格と使える時間で選ぶ3つの出会い方で整理しています。
お見合い結婚をめぐる3つの通説を、現場目線で検証する
通説1「お見合い結婚は離婚率が10%で低い」
恋愛結婚の約40%に対してお見合い結婚は約10%——この数字は多くの婚活サイトで引用されています。ただ、出会い方別の離婚率を集計した公的統計は存在しません。人口動態統計は離婚件数を記録しますが、その夫婦がどう出会ったかは追っていないためです。業界団体の発表とされる数字を、出典の性質を伏せたまま使うのはフェアではないと考えています。詳しい検証はお見合い結婚の離婚率10%説を検証|出典がある数字は6.7%にまとめました。
通説2「お見合い結婚では恋愛感情が育たない」
海外の研究では逆の報告もあります。Epstein らの2013年の研究では、恋愛結婚は年数とともに愛情が下がる傾向、見合い的な結婚は上がる傾向が示されました。ただしこれは文化背景の異なる国のデータで、日本の見合い結婚については女性の満足度が男性より低いという指摘もあり、当時の性別役割分業が要因と推定されています。どちらか一方を結論にはできません。「順番が違うだけで、育つ人は育つ」——今言えるのはそこまでです。
通説3「短期間で決めるから、相手をよく知らないまま結婚する」
これは、現場感覚としてはっきり異なります。交際期間が4ヶ月だとしても、その4ヶ月で話す内容が恋愛交際とまるで違うからです。勤務地、転勤の有無、親との同居、子どもの希望、貯蓄と家計の分け方。恋愛では3年目にようやく出てくる話題が、仮交際の2回目で出てきます。期間が短いのではなく、重い話を先にしているだけというのが実感に近い。
私が担当した範囲では、仮交際が3人を超えたあたりから予定の調整に追われ、一人ひとりの話が浅くなる方が多い印象です(統計値ではなく、あくまで目安としてお読みください)。並行する人数を絞ったほうが、結果的に話は深くなります。
「断りにくい」をどう扱うか——伝え方の実例
仲人が間に入るぶん断りづらい、という指摘はその通りです。ただし相談所では、お断りは担当カウンセラーを経由して伝える仕組みになっています。相手に直接言う必要はありません。大事なのは、カウンセラーへの伝え方です。
- ❌「なんとなく違いました」→次の紹介に何も活きません
- ⭕「会話は楽しかったのですが、転勤の可能性についての考え方が合わないと感じました。次は勤務地が固定の方を中心に見たいです」
- ⭕(迷っている場合)「今は半々です。もう一度会ってから決めたいので、仮交際で続けさせてください」
結論が出ないまま返事を待たせるより、「迷っている」と言ってしまうほうが早く進みます。お断りされる側に回ったときの受け止め方はお見合いのお断り理由|会う前は写真35%・後は会話29%に整理しました。
30代後半で「お見合い=親の決めた相手」という前提のまま相談に来られ、実際には自分で検索して申し込む仕組みだと知って拍子抜けされる——そんな場面は何度もありました。※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。
よくある質問
Q. お見合い結婚とはどういうことですか?
A. 結婚を前提にした紹介で初対面し、交際を経て結婚することです。現在は本人の意思で会う・断るを決めます。
Q. 現代におけるお見合い結婚とは、昔と何が違いますか?
A. 決定権が家から本人へ移った点です。写真と経歴を先に見る形式は残りましたが、申し込みも返事も本人が行います。
Q. お見合い結婚は今どれくらいありますか?
A. 第17回出生動向基本調査では「見合い」が1.1%です。ただし結婚相談所やネット経由は別集計で、婚活サービス経由の結婚は15.3%という調査(リクルート ブライダル総研、2024年9月公表)もあります。
Q. 結婚までどれくらいかかりますか?
A. 2025年 IBJ成婚白書の平均では、お見合い11回・交際期間約4.1ヶ月・在籍8ヶ月前後です。進み方には個人差があります。
Q. 費用はいくらぐらい必要ですか?
A. 公開されている相場では初期費用5〜20万円、月会費1〜2万円、成婚料10〜30万円、1年で総額25〜50万円が目安です。相談所ごとに体系が異なるため、契約前に書面で確認してください。
仕組みがわかったら、次に決めるのは「どの入口か」
お見合い結婚の中身は、昔のイメージとは別物になりました。残っているのは「結婚したい人同士が、条件を開示して会う」という骨格だけです。
次に決めることは一つ。親や知人の紹介、結婚相談所、自治体の支援センター——どの入口から試すかです。判断には、自分がどこで止まりやすいタイプかを知っておくと役に立ちます。当サイトの婚活タイプ診断(10問・約3分)は、そのための簡易的な整理に使えます。結果が合うかどうかにも個人差がありますので、参考のひとつとしてお使いください。
この記事で使ったデータの出典
- 国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査」(2025年調査、2026年9月公表)――見合い1.1%、1982年29.3%、職場20.9%、ネット20.2%(前回11.0%)、「一生結婚するつもりはない」男性24.0%・女性21.5%。夫婦調査の「見合い」は仲人を介した形式を指し、相談所・ネット経由は別区分
- 同調査(2015年時点の集計)――「見合いで」+「結婚相談所で」7.6%、見合い結婚の交際期間1.3年/恋愛結婚4.6年。10年以上前のデータであり、現在は異なる可能性があります
- 厚生労働省「令和7年(2025)人口動態統計月報年計(概数)」(2026年6月公表)――婚姻48万9,119組、平均初婚年齢 夫31.0歳・妻29.7歳。概数のため確定値で変動する場合あり
- IBJ「2025年 IBJ成婚白書」(2026年公表、約2万人分析)――お見合い11回、交際期間約4.1ヶ月(124〜125日)、在籍期間 男性約9.2ヶ月・女性約7.6ヶ月、成婚年齢 男性35歳・女性33歳。IBJ加盟相談所の会員が母集団で、婚活者全体の平均ではありません
- リクルート ブライダル総研「婚活実態調査2024」(2024年9月公表、2023年の婚姻者が対象)――婚活サービス経由15.3%、ネット系婚活11.4%
- こども家庭庁「地域少子化対策重点推進交付金」資料――自治体マッチングシステム高度化の補助率3/4
- Epstein et al.(2013)"How Love Emerges in Arranged Marriages"――海外データに基づく研究で、日本の見合い結婚に直接当てはまるものではありません
- 費用相場は複数の比較メディアが公表する目安の範囲であり、個別の相談所の料金を保証するものではありません
