相談所の検討・入会前

結婚相談所の倒産が心配な人へ|契約前に見る3条項と解約の上限額

結婚相談所の倒産が心配な人へ|契約前に見る3条項と解約の上限額

この記事でわかること

  • 連盟加盟は紹介網の仕組みで、運営会社の財務を保証しない理由がわかります
  • 2023年の倒産11件・休廃業解散11件という実数と、その数字の読み方がわかります
  • クーリング・オフ8日、解約上限3万円/2万円、支払停止の抗弁の条件がわかります
  • 契約前に確認する3条項と、一括前払いと月額型で失う額の差がわかります

結論から書きます。結婚相談所が倒産した場合、前払いしたお金が戻ってくる可能性は高くありません。ただし契約前であれば、失う金額を数万円の範囲に抑える設計ができます。見るべきは「連盟に加盟しているか」ではなく、料金の払い方と契約書面の条項です。

この記事は、入会を迷っている方と、在籍中の相談所の様子が気になっている方の両方に向けて書いています。扱う範囲は、①世間でよく言われる「連盟加盟だから安心」への反論、②公表されている倒産件数の正しい読み方、③クーリング・オフと中途解約で戻る金額、④契約前に確認する3つの条項と払い方の設計、⑤連絡が取れなくなった後の手順、の5点です。特定の相談所の経営状態や社名については一切触れません。制度と自衛の手順だけを扱います。

先に言葉を4つ整理させてください。ここを混同したまま読むと、戻るお金の計算を間違えます。

  • ① 倒産…破産手続開始決定などで法的に事業が止まること。裁判所が選んだ破産管財人から会員に通知が届きます。
  • ② 休廃業・解散…法的手続きを取らずに営業をやめること。管財人も通知も来ず、電話がつながらないまま終わるケースがあります。
  • ③ 特定継続的役務提供…結婚相手紹介サービスは、契約期間が2か月を超え、かつ金額が5万円を超えると、特定商取引法のこの類型に入ります(消費者庁)。クーリング・オフや中途解約の上限が効くのは、この区分に当たるからです。
  • ④ 概要書面・契約書面…入会前に渡される説明書面と、契約時に受け取る書面。この受領日がクーリング・オフの起点になります。

この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています

IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。

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「連盟に加盟しているから倒産しても安心」は誤解です

よく言われます。「大きな連盟に加盟している相談所なら、もし潰れても連盟が何とかしてくれる」と。無料相談でこの前提をお話しになる方は珍しくありません。ただ、現場の実感は少し違います。

連盟が提供しているのは、主に会員データベースの共有と紹介の仕組み、そして加盟時の審査です。加盟相談所一軒ごとの財務を保証する制度ではありません。紹介網が大きいことと、あなたが契約した運営会社の資金繰りが安定していることは、別の話なのです。

規模の数字で言えば、IBJは2023年の成婚者が約35,000人、国内の婚姻件数の約3%に当たると発表しています(IBJ発表・PR TIMES)。これは紹介網の広さを示す数字で、加盟店の経営の安定を示す数字ではありません。連盟側が公表している事業継続率や廃業率も流通していますが、連盟自身の発表値であり、集計の対象や条件が外部から検証しづらい点は踏まえておきたいところです。

では、何を見ればいいのか。私が無料相談でお伝えしているのは、連盟名より先に運営主体(法人か個人事業か)・開業からの年数・料金の払い方の3点を確認してください、ということです。相談所は数百万円規模で開業できる事業で、集客が止まると短期間で立ち行かなくなります。だからこそ「どこに加盟しているか」より「誰がどれくらい続けているか」のほうが、判断材料として役に立ちます。

連盟加盟が保証するものと、しないものの対比
連盟加盟が保証するものと、しないものの対比

結婚相談所の倒産は年11件|「過去最多」が3年前の数字という事実

帝国データバンクの調査によると、2023年の結婚相談所の倒産は11件で、年間として初めて2桁になりました。同じ年の休廃業・解散も11件。合わせて22件が市場から退出し、これは10年前の約2倍に当たります(ITmedia、nippon.comなどが同調査を引用)。原因として挙げられているのは、マッチングアプリの定着、基本サービスで差別化しにくい構造、登録料の価格競争、イベント告知の広告費負担です。

ここで一つ、正直に書いておきます。2026年10月の時点で私が確認できた公表値は2023年分までです。「最新」とうたう記事の中身も、多くは2023年の22件を引いています。倒産件数の数字を見かけたら、まず年次を確認してください。

22件という数は、全国の相談所の総数から見れば割合としては小さいものです。しかし、自分の契約先がその1件に当たれば、損失は確率ではなく実額で来ます。だから備え方は「当たらないように選ぶ」より「当たっても失う額が小さい契約にする」のほうが現実的です。

そしてもう一つ。見落とされがちなのは、倒産と同じ件数ある休廃業・解散のほうです。

項目 倒産(破産手続) 休廃業・解散
会員への通知 破産管財人から届く 届かないことがある
窓口 破産管財人 連絡先が不通になる場合も
返金請求 債権届出(期限あり) 請求先の特定自体が難しい
会員データ・写真 管財人の管理下で処理 扱いが不透明になりやすい
乗り換えのしやすさ 事実が確認でき動きやすい 事実確認に時間がかかる

「倒産」という言葉で検索する方が多い一方、実務で厄介なのは右側です。手続きが始まらないので、債権届出という救済の入口にも立てません。この違いを知らずに待ってしまうと、動き出しが数か月遅れます。

払ったお金はどうなる?「8日・3万円・2万円」の3つの数字

お金の話は、契約のどの段階にいるかで答えが変わります。3つに分けます。

契約直後なら8日間のクーリング・オフで全額

結婚相手紹介サービスが特定継続的役務提供に当たる場合、法定の書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができ、支払った金額は返還されます(消費者庁 特定商取引法ガイド)。起点は契約日ではなく書面の受領日です。だから私は、書面を受け取ったその日に日付をメモするか、封筒ごと写真を撮っておくことをおすすめしています。

活動が始まってからの中途解約には上限額がある

8日を過ぎても、途中でやめることはできます。そのとき事業者が請求できる額には上限があります(消費者庁・国民生活センター)。

  • サービス提供開始前…上限3万円
  • サービス提供開始後…すでに提供された分の対価+「2万円」または「契約残額の20%」のいずれか低い方

つまり、まだお見合いが一度も組まれていない段階なら、理屈の上では3万円を超える解約料は請求できないことになります。ここを知らずに提示額をそのまま受け入れてしまう方は少なくありません。

倒産後は「一般破産債権者」になる|ただしクレジット払いには抜け道がある

残念な話を先に。相談所が破産すると、支払済みの登録料や前払い金について、会員は一般破産債権者という立場になります。税金などが先に支払われるため、返還はほとんど期待できないのが実情です。

ただし、分割やクレジットで払っていた場合は別のルートが残ります。割賦販売法の支払停止の抗弁です。事業者の倒産でサービスを受けられなくなった場合は、その典型例として挙げられています(日本クレジット協会)。注意点は2つ。支払総額が4万円未満だと対象外であること、そして書面でカード会社へ通知する必要があることです。電話で伝えただけでは手続きが進みません。

制度の適用は契約内容と支払方法によって変わります。個別の判断は、消費者ホットライン(188)や専門家へご相談ください。ここに書いた数字は制度上の目安であり、すべての契約で同じ結果になることを保証するものではありません。

その「うまくいかない」には、<br>必ず理由があります。

契約前に見る3つの条項と、払い方で損を限定する方法

「倒産しない相談所の選び方」はよく語られますが、外から財務を見抜くのは現実的ではありません。それよりも契約条件のほうが自分で設計できます。無料相談の場で確認していただきたいのは、次の3つです。

条項1|中途解約したときの精算方法

「既に提供した役務の対価」をどう計算するのかが書かれているかを見ます。お見合い1件あたりなのか、月単位の按分なのか。ここが曖昧な契約書は、やめるときに揉めやすい。

条項2|運営者が変わったときの扱い

事業譲渡や運営会社の変更があった場合、契約がどう引き継がれるのかという条項です。サービスが続いたからといって、条件が同じとは限りません。拠点が集約されて対面のサポートが遠くなる、担当者が変わる、といった変化は実際に起こります。「存続=無事」ではないのです。

条項3|休会の条件と、書面の受領日の記録

仕事や介護で活動を止めたいときの休会料と上限期間。そして前述のとおり、概要書面・契約書面を受け取った日付の記録。この2つは、半年後の自分を助けます。

次に払い方です。1年活動した場合の費用は、登録料3〜10万円・月会費1〜3万円・お見合い料・成婚料10〜30万円を合わせて総額25〜50万円程度が目安として紹介されています(料金比較メディア各社の集計。相談所ごとに差が大きく、変動します)。同じ総額でも、払い方で「倒産時に失う額」はまったく違います。

比較軸 一括前払い型 月額中心型
初期の支払額 大きい(割引がつくことも) 小さい
途中でやめたとき 精算の計算が必要 翌月以降が止まるだけ
倒産時に失う額 前払い分のほぼ全額 その月の会費程度
総額の見通し 立てやすい 活動期間で変動する
抗弁権の余地 クレジット払いなら残る 現金払いが多く使いにくい

一括前払い型のメリットは、総額が確定して家計の計画が立てやすいこと。デメリットは、やめるときも潰れたときも、お金が先に相手側に渡っていることです。月額中心型は逆で、損失は小さい代わりに、長引けば総額が読みにくくなります。

  • 一括前払い型が向いている人…活動期間を半年〜1年と決めて走れる方、割引後の総額が明確に有利な方。ただし現金一括ではなく分割やクレジットにして、抗弁権の余地を残しておく判断もあります。
  • 向いていない人…転勤や介護など予定が変わりやすい方、初めての入会で続けられるか自信がない方。第1案として月額型、それが選べない場合の第2案として「前払い部分が小さいプラン」を探す、という順序で考えてください。

無料相談での聞き方にもコツがあります。

  • ❌「経営は大丈夫ですか?」…相手は「大丈夫です」としか答えられず、情報が増えません。
  • ⭕「提供開始前に解約した場合の精算額は、書面のどこに書かれていますか?」…根拠のある答えが返ってくるかで、その相談所の姿勢が見えます。

聞くべき項目をもう少し広く押さえたい方は、結婚相談所の無料相談で聞く7つ|概要書面と解約の数字と、総額の内訳をまとめた結婚相談所の値段は総額いくら?内訳5項目と1年20〜60万の根拠を先に読んでおくと、当日の確認が速くなります。彩星の無料相談でも、契約書面の読み方の確認だけでお越しいただいて構いません。その場で入会をお決めいただく必要はありません。

もう連絡が取れないとき|当日から4週間の手順

すでに起きてしまった方向けの手順です。上位の解説記事は「返ってきません」で終わっているものが多いのですが、やるべきことは残っています。

  1. 当日〜3日目…契約書面・概要書面・振込記録・カード明細・担当者とのやりとりを1か所にまとめる。書面の受領日と支払日を時系列で書き出します。
  2. 当日〜1週目…消費者ホットライン188(お住まいの消費生活センターにつながります)に連絡し、状況と手持ちの書面を伝える。破産なのか休廃業なのかで次の手が変わるため、ここで整理してもらいます。
  3. 1〜2週目…クレジットや分割で支払っていた場合は、カード会社・信販会社へ支払停止の抗弁の申出を書面で提出する。支払総額4万円未満は対象外です。
  4. 通知が届いたら…破産管財人からの案内に従い、債権届出を期限内に行う。期限は厳守で、過ぎると手続きに参加できません。
  5. 2〜4週目…進行中のお見合いや仮交際の相手への連絡手段を確保する。相談所経由でしか連絡していない場合、ここが切れると関係ごと途切れます。
  6. 4週目以降…乗り換え先を検討する。プロフィール写真や各種証明書は再提出になることが多いので、手元のデータを残しておきます。

乗り換えのご相談をお受けするとき、書面を一枚も持っていない方が本当に多いのです。手続きが始まってから探すと間に合いません。個人情報や写真の扱いについても、規約の削除条項を確認して書面で請求するところまでやっておくと安心です。※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。

「それならアプリに移ればいい」というご意見もあります。相談所側の価値は、独身証明や年収証明といった身元確認と、迷ったときに相談できる相手がいることです。出会いのきっかけとしてはマッチングアプリが25.1%で1位(リクルートブライダル総研 婚活実態調査2024の引用値)ですから、アプリが有力な選択肢であるのは確かでしょう。どちらが自分に合うかは、使える時間と、誰かに伴走してほしいかどうかで変わります。判断軸を数字で比べたい方は結婚相談所アプリはどっち?4軸と数字で選ぶ判断フローもご覧ください。

よくある質問

Q. 結婚相談所の倒産率はどれくらいですか?

A. 公的に確定した「倒産率」は見つかりません。帝国データバンクの2023年調査で倒産11件・休廃業解散11件という実数が公表されているだけです。連盟が公表している廃業率(数%台)もありますが、連盟自身の発表値で集計条件が外部から確認しづらいため、参考値として扱うのが妥当です。

Q. 倒産件数は何件ですか?

A. 2023年は倒産11件、休廃業・解散11件、合計22件(帝国データバンク)。10年前の約2倍です。2024年・2025年分は、本稿作成時点で公表値を確認できていません。

Q. なぜ結婚相談所が倒産するのですか?

A. 同調査が挙げているのは、マッチングアプリの定着、基本サービスで差別化しにくい構造、登録料・入会金の価格競争、イベント告知にかかる広告費です。開業の資金負担が比較的軽い事業のため、集客が止まると短期間で資金が尽きやすい、という面もあります。

Q. 倒産した結婚相談所の社名を知りたいのですが。

A. 当サイトでは、他社サービスの経営状態や評価を記事で扱わない方針です。社名を調べるより、検討先の運営年数・運営主体・解約条項・払い方を確認するほうが、ご自身の損失を小さくできます。

Q. 登録していた写真や個人情報はどうなりますか?

A. 破産手続に入った場合は管財人の管理下で処理されますが、休廃業では扱いが不透明になりがちです。入会前に規約の保管期間・削除請求の方法を確認し、退会や解約の際は書面で削除を請求しておくことをおすすめします。

要点と、次の一歩

  • 連盟加盟は紹介網と審査の仕組みで、運営会社の財務を保証するものではない
  • 2023年の倒産は11件、休廃業・解散も11件(帝国データバンク)。「過去最多」は3年前の数字
  • 通知も管財人も来ない休廃業のほうが、実務では動きにくい
  • 書面受領から8日はクーリング・オフ、提供開始前の解約料は上限3万円、開始後は既提供分+2万円または残額20%の低い方
  • 倒産後は一般破産債権者。クレジット払いなら支払停止の抗弁(4万円未満は対象外・書面必須)
  • 見るべきは「潰れない会社選び」より、払い方と3つの条項(精算方法・運営者変更・休会と書面の受領日)

今日できることは1つだけです。検討中の方は、概要書面をもらったその日に受領日を記録し、解約の精算方法が書かれた箇所に付箋を貼ってください。在籍中で不安がある方は、手元の書面と支払記録を1か所に集めるところから。それだけで、万一のときの選択肢が変わります。

契約書面の読み方や、いま続けるべきか乗り換えるべきかの整理は、彩星の無料相談で一緒に行えます。より踏み込んで活動設計から見直したい場合は有料カウンセリングもご用意しています。自分の婚活の進め方の傾向を先に知りたい方は、サイト内の「婚活タイプ診断」(10問・約3分)もお試しください。

注記|本記事の金額・件数・割合は、記事作成時点で公表されている資料に基づく目安です。制度の適用や解約時の精算額は契約内容・支払方法によって異なり、同じ結果になることを保証するものではありません。現場での傾向として書いた部分は統計値ではなく、個人差があります。具体的な契約トラブルは消費者ホットライン(188)や専門家にご相談ください。

出典

この記事を書いた人

さかとく

婚活サロン 彩星(さいせい)主宰/IBJ加盟結婚相談所 現役カウンセラー

IBJ加盟の結婚相談所で現役カウンセラーとして活動中。これまでに累計200名以上を担当し、今も第一線で数十名を並行サポートしているため、今の市場と現場を踏まえた助言ができます。ウェブマーケティングのライターとして培った「選ばれる見せ方」と、年間数千人の応募が集まる企業で人事部長として採用責任者を務めた「人を見極める視点」を、婚活に翻訳してお伝えしています。

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