
この記事でわかること
- 婚活ランク表のS〜Dに公的な統一基準はなく、同じ年収でも表ごとにラベルが変わる理由がわかります
- 年収1000万超は給与所得者男性の9.7%、600万円超は全体の24.9%。条件の希少性を公的統計の割合で確認できます
- 成婚した会員は退会した会員よりお見合い回数が多かった(男性約4倍・申込+21件/IBJ成婚白書2024。相関で因果は不明)
- 条件の掛け算で「高望み」かを判定し、1〜4週目で何から動かすかの手順まで持ち帰れます
婚活ランク表にS〜Dを分ける公的な基準はありません。出回っている表は事業者や個人が独自に作ったもので、同じ年収でも表によってランクが変わります。使いどころは一つだけ。自分の順位を決めるためではなく、自分が相手に求めている条件が、人口の何%に当たるのかを確かめるためです。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
婚活ランク表とは?婚活スペック表・婚活偏差値との違い
検索されている言葉が3つ混ざっているので、先に切り分けます。
- 婚活ランク表…年収・年齢・外見などの条件を、SS〜Dのような段階に当てはめた一覧。段階の数(4〜6段階)も条件も作成者ごとに違います。
- 婚活スペック表…同じ発想を点数式にしたもの。年齢・見た目・体型・年収・学歴・身長の6項目を100点満点で採点する形が多く見られます。
- 婚活偏差値…点数を偏差値に置き換えた言い方。50が平均と説明されますが、何を母集団にした50なのかは書かれていないことがほとんどです。
この記事が扱うのは、IBJ(日本結婚相談所連盟)加盟の結婚相談所での婚活です。お見合い→仮交際→真剣交際→成婚という段階を前提に書いています。想定しているのは、30〜40代で自分の位置が分からず、相手の条件をどこで区切ればいいか迷っている方です。
出所もはっきりさせておきます。この言葉が広まったきっかけは、ある結婚相談所がSNSとLINEで配った無料診断でした。そこから検証記事が派生して検索語になった、という流れです。配っているのは入会を募る側ですから、評価軸が「相談所で活動したほうがいい」方向に寄りやすい。批判ではなく、読む前提として押さえておきたい点です。
なお本記事は、IBJ加盟相談所で会員の活動支援を行う立場(当サロン運営者)が、公表資料と日々の面談を踏まえて書いています。筆者・運営者情報は運営者プロフィールに記載しています。自社サービス(婚活タイプ診断)の案内を含みます。
この先は、①出回る区分の一例 ②成婚を決めているものは何か ③出回る条件が人口の何%か ④「高望み」かどうかの判定 ⑤今日から4週間でやること ⑥よくある質問、の順に進みます。
よく見かける区分の一例(※あくまで一例で、公的基準ではありません)
「結局どんな表が出回っているのか」を先に見ておきましょう。下はネット上で見られる区分の傾向を、年収帯を軸にざっくり並べたものです。作成者によって段階数も境目も違うため、同じ年収が別の表ではひとつ上や下に動きます。当サロンとして採用している基準ではありません。
| 段階(一例) | 年収帯として割り当てられがちな目安 | 該当の目安(給与所得者) |
|---|---|---|
| SS | 1,000万円超 | 男性の9.7% |
| S | 800万円台〜1,000万円 | — |
| A | 700万円前後 | — |
| B | 600万円台 | 600万円超で全体の24.9% |
| C | 400〜500万円台 | 分布の山がある帯 |
| D | 300万円台以下 | — |
年収帯の割合は国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」、段階の割り当ては出回る表の傾向です。「—」は公表区分と一致しないため割合を出していません。この表の意味は、段階そのものではなく右端の割合のほうにあります。
同じランク同士なら話が進むのでは——そう考える方は少なくありません。
「ランクが釣り合えば上手くいく」は現場の実感と違う
よく言われる話ですが、現場の実感は少し違います。「自分はCランクらしいので、Cランクの方を探します」というご相談は珍しくありません。ただ、止まっている方に共通していたのは条件のズレよりも、申し込みの数と会う回数の少なさでした。
40代前半の男性で、相手に付けていた年収の下限を1つ外しただけで、検索に出てくる候補が二桁変わったケースもあります。条件を全部下げたわけではありません。外したのは1項目です。以上は当サロンでの面談傾向をもとにした再構成で、個人が特定されないよう複数の事例をまとめています。統計値ではありません。
もう一つ、表では説明できない逆説があります。同ランク同士のお見合いが、いちばん穏やかに進むとは限らない。お互いが「釣り合っている」と見ている分、相手に求めるものも同程度に厳しくなり、1回目で判断が下りやすい。釣り合いを探す作業そのものが、会う回数を減らしていることがあります。
数字でも同じ方向が出ています。IBJ「成婚白書2024年度版」では、成婚した会員は退会した会員よりお見合い回数が男性で約4倍・女性で約2.5倍、お見合いの申込数は男性+21件・女性+14件。在籍期間は中央値で約9か月、交際は約4か月で結論を出しています。
これはIBJ加盟相談所の会員を集計した事業者データで、婚活をしている人全体の統計ではありません。年齢層も相談所の会員に偏ります。また、回数の差は成婚者と退会者の間にあった相関で、「回数を増やせば成婚する」という因果を示したものではありません。行動量の多い方がもともと動きやすい状況にあった、という説明も成り立ちます。それでも、同じ土俵の中で両者を分けていた項目の一つが行動量だった、という読み方はできます。
年齢の影響もデータに出ます。同白書の年齢別成婚率は、男性が30〜34歳の49.0%をピークに45歳以上で23.6%、女性は29歳以下の36.4%から45歳以上で15.7%。この成婚率は同白書が集計対象とした退会者(成婚退会+成婚以外の退会)を分母にした割合で、在籍者全員や入会者全体を分母にした数字ではありません。読み替えるときは分母の違いに注意してください。45歳以上の数字は低く見えますが、2割前後の方は成婚しています。低い確率は「向いていない証拠」ではなく、会う件数と期間の設計をより丁寧にする理由と考えてください。

「年収=男性、若さ=女性」という二分法も動いている
ランク表の評価軸は、男性は年収と学歴、女性は年齢と容姿という形で固定されています。ところが国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」では、男性が妻に経済力を求める割合が41.9%から48.2%へ、女性が夫に家事・育児への姿勢を求める割合が57.7%から70.2%へ上がりました。女性が結婚相手の経済力を「重視する」または「考慮する」合計は91.6%で、経済力の重みは残ります。ただし一方通行ではなくなった、ということです。
お見合いの場で家事の分担や働き方の希望を早い段階で聞かれるケースは、以前より増えた印象があります。あくまで当サロンで見える範囲の話です。表の配点には、この変化が反映されていません。
出回る条件を人口比に当てはめる|年収と身長の実数
ランク表の最大の弱点は、条件の希少性を書かないことです。「SSは年収1,000万円以上」とだけ書かれても、それが何%の人なのかが分からない。公的統計に当てはめると、景色が変わります。
先に母集団を確認します。国税庁の調査は1年を通じて勤務した民間事業所の給与所得者が対象で、自営業者・経営者の役員報酬以外の所得・無職の方は含まれません。つまり「成人男性の9.7%」ではなく「給与所得者男性の9.7%」です。相談所の会員は給与所得者が多数を占めるため目安としては使えますが、言い換えるときはこの前提を落とさないでください。
| よく見る条件 | 該当する割合 | 出典・母集団 |
|---|---|---|
| 給与年収1,000万円超(男性) | 9.7% | 国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査/1年を通じて勤務した給与所得者 |
| 給与年収1,000万円超(女性/全体) | 1.6%/6.2% | 同上 |
| 給与年収600万円超(全体) | 24.9% | 同上 |
平均の扱いには注意が必要です。同調査の平均給与は男性587万円、全体477.5万円(いずれも令和6年分の値。年分をまたいで引用すると数十万円単位でずれるため、比較するときは同じ年分で揃えてください)。ただし平均は高いほうに引っ張られます。分布は300〜400万円台に大きな山があり、1,000万円超は細く長い裾です。同調査で公表されているのは階級ごとの割合なので、中央値そのものを引くのではなく「600万円超が約4分の1」という区切りで押さえるのが安全です。「平均くらい」と「真ん中」は同じではない、ということ。
さらに未婚で年齢を絞ると、割合は下がる方向に動きます。公的統計で未婚・年齢・年収を同時に区切った公表値を確認できなかったため、具体的な数値は載せません。既婚者を含む統計より厳しくなる、という理解で十分です。
身長についても触れておきます。「175cm以上はおよそ4人に1人、180cm以上は十数人に1人」という程度の感覚は広く共有されていますが、国民健康・栄養調査は身長の分布(何cm以上が何%か)を公表しておらず、ネット上で見かける細かいパーセンテージは平均値と標準偏差から正規分布を仮定して推計したものが多く、対象年齢の取り方によって数値が動きます。推計の前提を確認できないため、本記事では小数点付きの数値は載せず、「175cm以上はおよそ4人に1人」程度の丸めた目安までにとどめます。年収データと同列に扱える精度ではない、という整理です。
年齢も同じです。厚生労働省「令和6年 人口動態統計」の平均初婚年齢は夫31.1歳・妻29.8歳。表が「34歳まで」のような線を引いていても、その線自体に公的な根拠はありません。
婚活ランク表のBランクはどのあたり?基準が揃わない理由
よく検索される質問です。先に挙げた一例ではBを600万円台に置きましたが、これは「出回る表でその帯に置かれやすい」という傾向にすぎません。別の表では同じ年収がAやCに入り、段階の数も統一されていません。年収600万円超が給与所得者全体の24.9%(国税庁)という事実は動きませんが、そこに貼るラベルは作成者の自由です。ラベルを覚える意味は薄い、と考えてよいでしょう。
点数ではなく「申し込みが通るかどうか」で測る考え方は、婚活スペックの計算(男)|ランク表・偏差値診断より通過率で測るで詳しく整理しています。
無料相談でいちばん多い質問は、「私は高望みでしょうか」です。順番に見ていきます。
婚活ランク表で「高望み」は測れない|条件の掛け算で見る
判定の方法はシンプルです。自分が付けている条件を、割合で掛けていきます。年収600万円超は給与所得者全体の約25%(0.25)。身長175cm以上をおよそ4人に1人(約0.25)とすると、2つを単純に掛けただけで0.25×0.25=約6%。ここに「年齢は自分と5歳差以内」を重ねれば、さらに下がります。
ただし条件は互いに独立していないため、掛け算の答えがそのまま実数になるわけではありません。年収が高い層と身長の分布に相関があれば、実際の割合は計算より高く出ます。精密な値ではなく、「1桁%の世界に入っている」という桁の感覚をつかむための計算です。身長の目安は推計ベースなので、ここも参考値として扱ってください。
ここで全部の条件を下げる必要はありません。優先順位をつけて、譲れない1つを残す。これだけで候補の数は戻ります。
❌「年収600万円以上、175cm以上、34歳まで、転勤なし、喫煙しない方でお願いします」
⭕「喫煙しない方だけは外せない条件です。年収は共働きで考えられるので幅を持たせます」
もう一つ、ランク表では見えない仕組みがあります。相談所の検索は加点ではなく、足切りで動きます。年齢の上限、喫煙、転勤の有無、年収の下限は、条件に合わなければ検索結果からそのまま外れます。総合点が高くても、1つのフィルタで候補から消える。だから「点数を上げる」より「どのフィルタで落ちているか」を知るほうが早いのです。
条件を1つずつ外したときに候補が何%戻るかという考え方は、婚活女性の「身の程知らず」は算数で解ける|条件別の残り%と直す順番でも扱っています。
ランクを上げるより先に動かす3つ|1〜4週目の進め方
年収と年齢は短期で動きません。動くのは、申し込みの数、会う場の選び方、条件の優先順位です。4週間の目安を置きます。
- 1週目|条件の棚卸し。いま挙げている条件を書き出し、譲れない1つと譲れる3つに分けます。方向性が自分で決めきれないときは、当サロンの婚活タイプ診断(10問・約3分)で、どの軸を優先するタイプかを先に見てから整理すると迷いが減ります。
- 2〜3週目|申し込みの数を増やす。IBJ成婚白書の差(男性+21件・女性+14件)が一つの目安です。ただし受ける側は週2枠程度を上限にしないと、お見合いの準備が雑になります。
- 4週目以降|どこで止まったかを分ける。申し込みが通らないならプロフィールと写真、会えるのに続かないなら当日の会話。原因が違えば直す場所も違います。
時間が取れず申し込みを増やせない方もいます。その場合の第2案は、件数ではなく申し込む相手の絞り方を正確にすること。譲れない条件を1つに決め、そこだけ合う方へ丁寧に申し込む。追加の出費なしでできる範囲です。
止まりやすいのは、活動3か月目前後。お見合いが続いてお断りが重なる時期です(進み方には個人差があります)。ここは件数を落として休む週をあらかじめ決めておくほうが、結果的に続きます。担当者が何を見ているかは結婚相談所スタッフの本音|止まる人と進む人の差はお見合い2.7倍も参考になります。
よくある質問
Q. 婚活ランク表とは何ですか?
A. 年収・年齢・外見などの条件をSS〜Dのような段階に当てはめた一覧です。公的な統一基準はなく、作成者ごとに段階も条件も違います。
Q. SNSやLINEで配られているランク表は信用できますか?
A. 条件の相場感をつかむ資料としては読めますが、順位の判定としては根拠がありません。配布元が会員を募る事業者である場合、評価軸がその事業者の方針に寄ります。数字を確かめたいときは国税庁や厚生労働省、IBJの公表資料に戻るのが確実です。
Q. 婚活ランク表のBランクはどのあたりですか?
A. 表によって異なります。年収600万円台をBとする表もAやCとする表もあり、段階の数も揃っていません。ラベルより「年収600万円超は給与所得者全体の24.9%」(国税庁)という割合で見てください。
Q. 婚活スペック表や婚活偏差値とは違うものですか?
A. 発想は同じで、表し方が違うだけです。ランク表は段階、スペック表は点数、偏差値は平均50を基準にした数値。どれも母集団の定義が示されていない点は共通しています。
Q. マッチングアプリや婚活パーティーでも同じランク表は使えますか?
A. 条件の希少性(年収1,000万円超は給与所得者男性の9.7%など)はどの場でも共通なので、その部分は使えます。ただし出会い方の仕組みが違います。アプリは自分で検索して自分で連絡を取る分、申し込みの上限が事実上ありません。パーティーはその場にいる方だけが対象になります。相談所は担当者が間に入り、お見合いの日程や交際の区切りが決まっている。本記事の4週間プランは相談所の流れを前提にしているので、アプリの場合は「申し込み数」を「いいね数とメッセージの返信率」に置き換えて読んでください。
Q. ランクは上げられますか?
A. 年収や年齢は短期では動きません。動かせるのは申し込み数、会う場の選び方、条件の優先順位、そして清潔感や写真といった準備の部分です。成果には個人差があります。
婚活ランク表に振り回されないための次の一歩
ランク表を見て落ち込むか安心するか、どちらに転んでも次の行動は変わりません。変わるのは、相手に求める条件が何%の人を指しているのかを知ったときです。そこから優先順位を1つ決める。これが今日できることです。
どの軸を優先するか自分で決めきれないときは、当サロンの婚活タイプ診断(10問・約3分、無料)から始めてみてください。順位ではなく、優先順位を出すための設問です。
- 婚活ランク表のS〜Dに公的な統一基準はない。表ごとにラベルが変わる
- 年収1,000万円超は給与所得者男性の9.7%、600万円超は給与所得者全体の24.9%(国税庁 令和6年分/1年を通じて勤務した給与所得者が母集団)
- 身長は「175cm以上はおよそ4人に1人」程度の目安まで。細かい割合は推計のため根拠に使わない
- 成婚した会員は退会した会員よりお見合い回数が多かった(男性約4倍・女性約2.5倍/IBJ成婚白書2024)。相関であり、因果は不明
- 相談所の検索は加点ではなく足切り。総合点より「どの条件で外れているか」を見る
- 評価軸は変化中。男性が妻に経済力48.2%、女性が夫に家事育児70.2%(出生動向基本調査)
本記事の数値は公表時点の資料に基づく目安で、調査年や集計方法によって変わります。婚活の進み方や結果には個人差があり、特定の成果を保証するものではありません。
この記事で使った出典
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(対象: 1年を通じて勤務した民間事業所の給与所得者。自営業者・無職は含まない/大規模な公的統計)
- 厚生労働省「令和6年 人口動態統計(確定数)の概況」(平均初婚年齢 夫31.1歳・妻29.8歳/公的統計)
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(対象: 未婚者・夫婦/公的統計)
- IBJ「成婚白書 2024年度版」(対象: IBJ加盟相談所の会員/事業者による実務集計で、婚活者全体の統計ではない。年齢別成婚率は同白書の退会者を分母とした割合)
各資料のURLは、原典のページを確認した上で追記します(公表年分の取り違えを避けるため、未確認のリンクは掲載していません)。
