
この記事でわかること
- スペック表は捨てず、必須3・あったら嬉しい5・不問に仕分けて優先順位を作り直す手順がわかります
- 条件は掛け算で効くため、年収700万超×175cm以上×大学・大学院卒を重ねると30〜40代男性のおおむね1〜2%まで絞られます(独立を仮定した概算)
- 母数が足りないときは、金額を下げる前に「満たし方を広げる・活動量を変える・期限で見直す」の順で動きます
- ランク表や婚活偏差値は配点次第で結論が変わるため、参考値にとどめる理由を現場視点で説明します
婚活のスペック表は、作ってかまいません。ただし「相手を採点する道具」として使うと行き止まりになります。条件を10個並べた表は、あなたの好みの記録であり、同時に会える人の数を絞る設定でもある。必須は3つまで。残りは「あったら嬉しい」と「不問」に仕分けます。
この記事で扱うのは、IBJ(日本結婚相談所連盟)加盟の結婚相談所で活動している30〜40代の方が、お見合いの相手を選ぶときに条件表をどう使うか、です。ネット上のランク表の点数の付け方そのものや、アプリでの相手探しは対象にしていません。
先に言葉を3つに分けて整理します。①スペック表=年齢・年収・学歴・職業・身長などの条件を並べた一覧。②ランク表=その条件をS〜Dのような階級に当てはめた表。③婚活偏差値=同じ発想を点数や偏差値に換算したもの。本記事は①の使い方の話です。②③は「世の中にある考え方」として紹介と批評にとどめ、人の年齢・容姿・年収を当サロンの基準で点数化し直す表は掲載しません。
この後は、スペック表とランク表・婚活偏差値の違い、条件リストで選ぶことの是非、表を作り直す5ステップ(項目リストつき)、必須3つでも母数が足りないときの第1案・第2案、男女での使い方の差、よくある質問の順に進みます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
婚活のスペック表とランク表・婚活偏差値は何が違うのか
スペック表は「項目のリスト」です。年収、年齢、学歴、職業、趣味、居住地。ここまでは単なる条件の記録で、害はありません。
問題は、そこに階級や点数が付いた瞬間に起きます。ランク表や婚活偏差値は、作った人が「どの項目を何点にするか」を決めた結果です。配点が変われば結論も変わる。年度や地域、集計した会員層が違えば、同じ人でも階級が動きます。市場の傾向を客観的に眺める参考値としては使えますが、自分や相手の価値の結論として受け取るものではありません。
「自分のランクが低かったので婚活をやめようか」というご相談は珍しくありません。そのときに私がお聞きするのは点数ではなく、申し込みの件数と、断られた理由の内訳です。点数の話より、こちらのほうが次の一手が出ます。点数より先に見る順番については婚活戦闘力とは?診断の点数より先に見る3ステップでも整理しています。
条件リストで相手を選ぶのは是か非か|現場の答えは「順番が逆」
「条件を捨てれば結婚できる」とよく言われます。ただ現場では、逆方向の行き詰まりも同じくらい見ます。条件をいったん全部外した方は、お見合いの成立数こそ増えるものの、仮交際に入ってから判断ができなくなる。理由を言葉にできないまま見送りが続き、しばらくして「結局どんな人を探していたのか分からなくなった」と戻ってこられる。これは統計調査の結果ではなく、面談で見てきた範囲の実感です(件数は非公表、個人差があります)。
詰まっているのは条件の数ではなく、優先順位がないことです。だから表は捨てない。順位を付け直す。
伝え方にも差が出ます。
- ❌「年収700万円以上、身長175cm以上、長男以外、できれば大卒で……」
- ⭕「共働きを続けたいので、家事と育児を分担する前提で話せる人が必須です。年収は世帯で考えます」
後者は検索条件にも、お見合い当日の会話にも、そのまま使えます。
婚活スペック表の作り方|項目を仕分け直す5ステップ

活動開始日、または「見直そう」と決めた日を1週目の起点として読んでください。
ステップ1(1週目前半)スペック表の項目を全部、紙に出す
頭の中で絞らず、思いつく条件を20〜30個書き出します。年収や学歴のような数えられるものだけでなく、「休日に家にいる人がいい」「親と同居は避けたい」といった生活の好みも混ぜてください。
つまずきやすいポイント:最初から絞ろうとすると、隠した条件が仮交際の途中で蒸し返されます。出す段階では多いほうがいい。
コピーして使える|婚活スペック表の項目リスト(テンプレート)
白紙だと手が止まる方は、次のリストをそのまま写して、いらない行を消すところから始めてください。順番に意味はありません。
- 年齢/初婚・再婚/お子さんの有無
- 本人の年収/世帯年収としての考え方/雇用形態
- 職業の業種/勤務地/転勤の有無/在宅勤務の有無/休日の曜日
- 学歴/学んだ分野
- 居住地(最寄り駅・通勤時間)/引っ越しの可否
- 身長/体型/喫煙/お酒
- 子どもを望むか/希望する人数
- 家事の分担/共働きを続けるか
- 親との同居の可否/介護の見通しを話せるか/兄弟構成
- 金銭感覚(貯蓄やローンの考え方)/宗教・信条
- ペット/趣味の方向性/連絡の頻度/デートの頻度/会話のテンポ
ステップ2(1週目後半)必須を3つだけ選ぶ
基準はひとつ。それが欠けたら生活が成り立たないか。「あると満足度が上がる」は必須ではありません。
必須に「価値観が合う人」と書かれる方は多いのですが、これは検索条件に落とせません。入力しようとしたところでご本人が「これは条件ではなく結果ですね」と気づかれる、というやりとりを現場ではよくします。だから行動の形に翻訳します。「転勤の可否」「子どもを望むか」「喫煙の有無」なら、プロフィールで確認できる。確認できるものだけが必須に置けます。
ステップ3(2週目)「あったら嬉しい5つ」と「不問」に仕分ける
| 区分 | 個数 | 書き方の例 |
| 必須 | 3つまで | 子どもを望む/非喫煙/転勤なしで同居可 |
| あったら嬉しい | 5つまで | 趣味に外出が多い/料理をする/実家が近い |
| 不問 | 残り全部 | 学歴/身長/職業の業種/兄弟構成 |
ここで一番こじれるのは、不問に入れた項目を会った後に蒸し返すことです。「気にしないと決めたはずの学歴が、交際に入ってから急に気になってきた」というご相談は珍しくありません。守れないと仕分けそのものが機能しなくなります。不問は「気にしない」ではなく「これだけで見送らない」という約束だと考えてください。
ステップ4(2週目)必須条件で会える人の母数を試算する
条件は足し算ではなく掛け算で効きます。ここでは母集団を「30〜40代男性」にそろえて、公表されている統計から概算します。女性側を見る場合も手順は同じです。
年収は、国税庁「民間給与実態統計調査」(2023年分=令和5年分)の給与階級別の分布から、この世代の男性で700万円を超える層をおおむね15〜20%と見込みます。身長は、厚生労働省「国民健康・栄養調査」が平均値と標準偏差を中心に公表しているため、階級別の割合は公表値から正規分布を仮定して推計した参考値です。30〜40代男性で175cm以上は3割前後。学歴は、進学率(その年に進学した人の割合)と卒業者割合(その世代で実際に卒業している人の割合)が別の数字で、同世代の大学・大学院卒はおおむね3〜4割とみられます。
0.15〜0.20 × 0.3 × 0.3〜0.4 = だいたい1〜2%。100人のうち1〜2人という桁感です。ここに「初婚」「親と別居」「非喫煙」を重ねれば、さらに小さくなります。
ひとつ注意を。この掛け算は3つの条件が互いに独立だと仮定した計算です。実際には年収と学歴は相関するため、実数は概算より多めに出る可能性があります。精密な人数ではなく、桁をつかむ道具として使ってください。
つまずきやすいポイント:この概算は一般人口の目安で、相談所の在籍会員は年収・学歴の分布が異なります(集計方法も違うため、そのまま当てはめないでください)。実際の人数は、担当カウンセラーに検索システムでその場で出してもらうのが正確です。無料で頼める作業ですし、数字を見ると条件の議論が一気に具体的になります。年収帯の現実については結婚相談所のハイスペックとは|年収1000万は11.6%の現実も合わせてどうぞ。
ステップ5(3〜6週目)申し込み数で検証する
仕分けた条件でお見合いを申し込み、申込数・成立数・仮交際に進んだ数の3つだけ記録します。判断材料はこれで足ります。
つまずきやすいポイント:1〜2週では判断しないこと。10件単位でまとまってから見ます。回数の目安は婚活30代女性の現実|成婚率30%台とお見合い10回の数字が参考になります。
「必須3つ」が当てはまらないケース
この3つという上限は、一般の法則ではなく当サロンの運用ルールです。例外もあります。子どもを望む時期を決めている方は、年齢という外せない前提がもう1枚乗るので、残りの必須を2つに絞らないと検索結果が動きません。反対に、住む場所も働き方も柔軟に決められる方なら、必須を4つ置いても十分な件数が出ることがあります。人数を見ながら決める話で、3つは出発点の目安だと受け取ってください。
必須3つでも母数が足りないときの第1案・第2案
試算が1%を切った、あるいは検索結果が数十人しか出ない。このとき条件を捨てる前に、順番があります。
- 第1案:必須の1つを「幅」に変える。「本人年収700万円以上」を「世帯で700万円を目指せる」に置き換えると、母数が大きく広がるケースが多いです。金額を下げるのではなく、満たし方を増やす発想です。
- 第2案:条件ではなく活動量の設計を変える。検索エリアを隣県まで広げる、申し込みの上限まで使い切る、写真とプロフィールを撮り直す。追加費用をかけずに着手できるのは写真の見直しで、当サロンでもここから手をつけることが多いです(婚活の写真はどこで撮る?申込が変わる表情・光・服の色)。
- 第3案:期限を決めて順位を入れ替える。「3か月後の時点で成立が3件未満なら、必須の3つ目を外す」と先に決めておく。迷いながら下げるより、決めた日に機械的に見直すほうが後悔が残りにくい。
有料のオプションを足す判断は、この3案を試した後で十分です。
男性と女性でスペック表の使い方はどう違うか
面談での実感として、男性は年齢の条件を狭く書く方が多いです。ここは掛け算の効きが大きく、母数を最も削る項目になります。女性は年収を単独の必須に置く形になりやすい。どちらも仕分けの効果が出やすいところです。
どれだけ削っているかは、年齢の幅を1歳ずつ広げながら検索システムで件数を出してもらうと目で見えます。具体的な人数は時期と在籍状況で変わるので、ここには書きません。担当者に出してもらってください。
もうひとつ。表は自分が相手に求める条件と、相手から自分に向けられる条件の両面で見てください。自分の強みが相手の「あったら嬉しい」に当たっているかを確認すると、プロフィールに書く項目が変わります。職業や趣味のように点数化しにくい要素ほど、ここで効いてきます。
その「自分の強みがどこに当たるか」を整理する入口として、サイト内の婚活タイプ診断(10問・約3分)が使えます。進め方の向き不向きも一緒に出るので、仕分けの前に通しておくと話が早いと思います。
よくある質問
Q. 婚活のスペック表は作らないほうがいいですか?
A. 作ってよいです。禁じ手は「相手を採点する表」として使うことと、必須条件を数えずに増やすことです。
Q. 無料の婚活スペック診断や偏差値ツールは当たりますか?
A. 配点はツールごとに違い、集計対象も公開されていないものが多いので、傾向を眺める参考値までにとどめるのが無難です。結果を自分の価値の結論にしないでください。
Q. 必須条件は何個までが現実的ですか?
A. 当サロンでは3つを上限にしています。統計で裏づけた一般法則ではなく運用ルールで、4つ目以降は検索件数が扱いにくいところまで減ることが多いためです。どうしても外せないときは「あったら嬉しい」に1つ落として様子を見ます。
Q. 条件を下げたら後悔しませんか?
A. 下げるのではなく、満たし方を広げると考えてください。本人年収から世帯年収へ、業種から働き方へ。失うものと得られるものを数字で並べてから決めれば、納得感は残ります。
Q. スペックで測れないものはどう見ればいいですか?
A. お見合いの60分で見るのは、質問が返ってくるか、話題が一方通行にならないか、約束の時間を守るかの3点です。会話の進め方はお見合いで話すことは3つ|60分の会話の流れと質問リストにまとめています。
まとめと次の一歩
まず今日やることは1つだけ。紙に条件を書き出して、必須に丸を3つ付ける。それだけで次の面談の話が変わります。
- スペック表は作ってよい。使い方は「相手の採点」ではなく「自分の優先順位の整理」
- 必須3つ/あったら嬉しい5つ/不問に仕分ける。不問は「それだけで見送らない」という約束
- 条件は掛け算。年収700万超×175cm以上×大学・大学院卒を重ねると、30〜40代男性のおおむね1〜2%(独立を仮定した概算)
- 母数は担当カウンセラーに検索してもらえば実数が出る。概算より実数が優先
- 足りないときは、金額を下げる前に「満たし方を広げる」「活動量を変える」「期限で見直す」の順で
出典と注記
本文の割合・金額はいずれも目安で、調査年や集計方法によって変わります。活動の進み方には個人差があり、特定の結果を保証するものではありません。相談所の在籍状況は時期で変動するため、最新の数字は担当者にご確認ください。
本文中の相談の場面は、個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。
本記事は、結婚相談所である当サロン(彩星/saisei77.com)が自社で運営・執筆しています。サービス内容・料金・運営者情報はサイト内の運営者情報ページをご確認ください。
出典
- 国税庁「民間給与実態統計調査」(2023年分=令和5年分・給与所得者の平均給与および給与階級別分布。民間事業所の給与所得者を対象とした調査で、自営業者等は含まれません)
- 厚生労働省「国民健康・栄養調査」(年齢階級別の平均身長と標準偏差。階級別の該当割合は直接公表されていないため、本文の「175cm以上は3割前後」は公表値から正規分布を仮定して推計した参考値です。抽出調査のため年次で変動します)
- 文部科学省「学校基本調査」(学校基本統計。大学進学率などの基礎データ。進学率は卒業者割合とは別の数字で、世代別の大学・大学院卒の割合は国勢調査等の別統計での確認が必要です)
- 当サロンの面談で観測した傾向(統計調査ではなく、実務上の実感です。件数は非公表)
- 参考記事:結婚相談所のハイスペックとは|年収1000万は11.6%の現実、婚活戦闘力とは?診断の点数より先に見る3ステップ
