
この記事でわかること
- 夫婦の出会いは「アプリ等」20.2%。それでもIBJのお見合いは年間96万件超と両方が機能している実態
- 違いの本質は独身証明・進行の区切り・断り方の3点。費用より「結婚までの総所要期間」で比べる判断軸
- 20〜30代前半はアプリ、35歳前後以上はお見合いが中心層。40代以上は身元確認の比重が上がる理由
- 併用するならアプリ=母数と場慣れ、お見合い=条件確認と締め切り。週単位の乗り換え目安つき
結論から言えば、20〜30代前半で自分から動ける人はマッチングアプリ、35歳前後から「いつまでに結婚するか」を決めたい人はお見合い(結婚相談所)が現実的です。同じ「会う」でも、身元の確かめ方と進む速さが違います。
この記事で扱うのは、(1)「お見合い」という言葉の整理、(2)公的統計と相談所の実数で見た出会い方の実態、(3)費用ではなく「時間」で比べた比較表、(4)年代で結論が変わる向き・不向き、(5)併用の役割分担と乗り換えの目安、(6)よくある質問です。数値はすべて出典を末尾に載せ、体感で書いた部分には個人差がある旨を添えます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
まず整理:「お見合い」で出てくる4つのものと、本記事が扱う範囲
「お見合い マッチングアプリ」で検索した方の多くが、実は別々のものを混ぜて調べています。先に番号を振って分けます。
- 伝統的な見合い…親族や知人が仲立ちする紹介。1950年代は5割超ありましたが、1980年代に2割前後まで下がりました(出生動向基本調査ベース)。
- 結婚相談所のお見合い…お見合い申し込み → お見合い成立 → 初回のお見合い → 仮交際 → 真剣交際 → 成婚、という段階を踏む方式。本記事が主に扱うのはこれです。
- オンラインお見合い…2の初回面談をビデオ通話で行う形。所要1時間前後が一般的です。
- 同名のマッチングアプリ…「お見合い」と同じ読みのサービス名があるため、検索結果に混ざります。本記事では個別サービスの評価は扱いません。
用語もひとつ確認しておきます。アプリの「いいね」に当たるのがお見合い申し込み、「マッチング」に当たるのがお見合い成立です。同じ動作でも、相談所では担当カウンセラーが間に入ります。

データで見る実態:夫婦の出会いは「アプリ等」20.2%、お見合いは年間19,112名の成婚
まず全体像です。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査(2025年6月調査、2026年9月公表)では、夫婦が出会ったきっかけで「アプリ等」が20.2%。前回調査の11.0%から約2倍です。職場や友人の紹介は減っています。なお前回値は集計区分の違いで11.0%と13.6%の両方が引用されるため、細かい比較をする際は原典での確認が必要です。
一方、相談所側の数字も伸びています。IBJ(日本結婚相談所連盟)の発表では、2025年の年間お見合い969,782件・成婚19,112名。2025年5月はお見合い成立が月間82,598件で過去最多でした。「見合いは過去のもの」という印象とは違い、件数自体は増えています。
数字の裏側:お見合い申し込みの成立率は最大でも約1/5
ここが現場の肌感覚と一致する数字です。IBJ加盟店の説明では、お見合い申し込みが成立する割合は最大でも約1/5とされています(加盟店の公開情報による参考値で、店舗・条件により差があります)。
「会員数が多い方が出会える」とよく言われます。ただ実務では、母数より「申し込みが成立する条件に自分が入っているか」のほうが結果を左右します。数万人いても、相手の希望年齢・エリア・年収の枠外なら成立しません。写真とプロフィールを整えた月に急にお見合いが組めるようになる方は珍しくありません(統計値ではなく傾向です)。
「時間」で比べると結論が変わる
費用比較は出尽くしています。見落とされているのは所要期間です。IBJ成婚白書2024年度版では、成婚者像は男性35歳・女性33歳、在籍期間の中央値は男性9.2か月・女性7.6か月、交際期間は約4か月。つまり半年〜1年で区切りが来る設計です。
アプリ側は、MMD研究所の2025年調査(20〜69歳3万人)で利用者の交際率54.8%、身近な人がアプリで結婚20.6%(20代は25.3%)。到達はしますが、期限がありません。結婚相談所ZWEIの調査では「アプリ疲れ」を感じた人が89.1%、そのうち70.6%が進め方を見直したという結果も出ています(単一企業の調査なので参考値です)。
お見合いとマッチングアプリの違い比較表【本気度・身元確認・速度・断り方】
| 比べる点 | お見合い(IBJ加盟相談所) | マッチングアプリ一般 |
|---|---|---|
| 独身の確認 | 独身証明書の提出が入会条件。収入・学歴の証明も求められる | 本人確認書類は年齢確認が主。書類では既婚かどうかは判別できない |
| 相手の本気度 | 入会金・月会費・成婚料を払って活動している前提 | 結婚目的から気軽な出会いまで混在。プロフィール記載頼み |
| 会うまでの流れ | お見合い申し込み→成立→日程調整は担当が行う | いいね→マッチング→メッセージ→日程調整は自分で行う |
| 初回の場 | ホテルラウンジやカフェで1時間程度。10分前到着が目安 | 形式は自由。食事やカフェなど相手次第 |
| 進行の区切り | 当日中〜翌日に交際可否を相談所へ報告。仮交際・真剣交際と段階が明確 | 区切りがなく、同時進行が前提になりやすい |
| 断り方 | 担当カウンセラー経由で伝える。直接やり取りしない | 自分で伝える。返信を止める形も多く、気まずさが残りやすい |
| 費用の形 | 登録料・月会費・お見合い料・成婚料。総額30〜60万円が目安 | 男性は月額3,500〜5,000円前後、女性は基本無料が多い(参考値) |
| 伴走者 | 担当カウンセラーが方針・写真・進め方に関与 | 基本的に自己判断 |
費用の相場は各社サイトやまとめ情報を集計したもので、時期やプランで変わります。最新の金額は必ず各社の公式情報で確認してください。総額の内訳は結婚相談所の値段は総額30〜60万円|内訳と1回あたり3.6万円の実像で詳しく分解しています。
断り方は「型」を持っておくと消耗しない
アプリで自分で断る場合の文面。
- ❌「お仕事が忙しくて…」→理由をぼかすと、日を改めて再び誘われます。
- ⭕「お会いできて楽しかったです。ただ、結婚に向けたお付き合いとしては、私からはお断りさせてください。ありがとうございました。」
相談所の場合は担当へ伝えるだけです。合図→理由→依頼の順が伝わりやすい。「今回はお断りしたいです(合図)。お子さんの希望が合わないと感じました(理由)。次は同じ希望の方を中心にご紹介ください(依頼)」。この一文があると、次のお見合いの精度が上がります。
向いている人・向いていない人は年代で変わる
マッチングアプリが向く人
- 20〜30代前半。20代28.7%・30代25.3%で「アプリ」が出会いの最多層です(マイナビウエディングJOURNAL調査。全体最多は「職場・アルバイト先」27.7%)
- メッセージのやり取りが負担にならず、自分で相手を見極められる
- まず婚活の場に慣れたい、費用を抑えて母数を増やしたい
お見合い(結婚相談所)が向く人
- 35歳前後以上。IBJの成婚者像は男性35歳・女性33歳で、この年齢帯が中心です
- 「1年以内に決めたい」と期限がある
- 独身・収入の確認された相手だけと会いたい
- 写真や進め方を客観的に直してほしい
40代以上が注意すべき点
アプリ優勢というデータは、基本的に20〜30代のものです。加えて2025年のSNS型ロマンス詐欺の被害額は552.2億円(前年比37.8%増)で、被害額の約3/4が40〜60代(警察庁統計)。年齢が上がるほど、身元確認の重みが増します。ここは「どちらが優れているか」ではなく、母集団と年齢層が違うという話です。
第3の選択肢:自治体のAIマッチング
比較表にほとんど登場しませんが、都道府県の66%がAIマッチング等の公的婚活支援を導入しています(日経グローカル)。TOKYO縁結びは本格稼働約1年で成婚100組超・登録2.8万人、愛媛県はAI導入後5年半で845組以上。独身証明書の提出を求める運用が多く、低コストで身元確認がある点が特徴です。地域により内容が異なるため、お住まいの自治体の案内で確認してください。
併用する場合の役割分担と、乗り換えの目安
二択で考えると決められません。役割を分けるほうが早い。
- アプリ=母数と場慣れ。会話や当日の振る舞いの練習、自分が誰から反応をもらえるかの把握に向きます。
- お見合い=条件確認と締め切り。独身・収入が確認された相手と、期限つきで進める役割。
週単位の目安はこうです。1〜2週目は両方の記録を取るだけ(申し込み数、成立数、実際に会えた数)。3〜6週目はアプリの時間を1日15分に制限し、写真とプロフィールの直しに時間を回す。7〜12週目で、会えた人数が月2人を下回っていれば、伴走のある方式に比重を移す判断時期です。
アプリから相談所へ切り替える方のご相談では、「相手が見つからない」より「決めきれない」で止まっているケースをよく見ます。同時に5人とやり取りして、全員の優先順位がつかないまま2か月経つ。これは判断の負荷の問題で、相手の数を増やしても解決しません(傾向であり、統計値ではありません)。この状態が続いているなら婚活疲れの正体は判断疲れ|8割が経験する3原因と再開4週間を先に読んでいただくほうが早いと思います。
どちらが自分に向くか迷う段階なら、婚活タイプ診断(10問・約3分)で、自分で動く型か伴走が要る型かを先に見ておく方法もあります。
よくある質問
Q. マッチングアプリでのお見合いにかかる金額はいくらですか?
アプリ側は男性が月額3,500〜5,000円前後、女性は基本無料が多く、3〜6か月で総額1〜2万円程度が目安です(まとめ情報の集計による参考値)。会う際の飲食費は別途かかります。結婚相談所は登録料・月会費・お見合い料・成婚料で総額30〜60万円が目安。金額はプランと時期で変わるため、公式情報での確認が必要です。
Q. 本人確認はどうやって行われますか?
アプリは運転免許証などで年齢を確認する方式が主流です。ただし本人確認書類では既婚かどうかは分かりません。IBJ加盟の結婚相談所は入会時に独身証明書(本籍地の市区町村で取得、手数料数百円程度・即日〜1週間程度)が必須で、ここが最大の違いです。
Q. お見合い写真をマッチングアプリに使えますか?
使えますが、そのままだと硬く見えることがあります。相談所のお見合い写真は「きちんと感」を、アプリは「日常の雰囲気」を求められる場面が多いため、写真館で撮った1枚+自然光の全身・趣味の写真を組み合わせるのが現実的です。判断基準はお見合い写真【女性】盛らず伝える3基準と撮り直しの目安にまとめています。
Q. お見合いの服装はどうすればいいですか?
相談所のお見合いはスマートカジュアル以上が目安で、ホテルラウンジならジャケット着用が無難です。アプリの初回は相手の服装が読めないため、少し整えたきれいめの装いが安全側。迷ったら会う場所を先に決め、その店の客層に合わせてください。
Q. AIを使ったお見合いはできますか?
自治体の婚活支援で導入が進んでいます。価値観の回答傾向から相手を提示する仕組みで、都道府県の66%が同種の事業を実施しています。民間相談所でも紹介の絞り込みに使われますが、最終的な日程調整や進行は人が担うのが一般的です。
次の一歩:どちらを選ぶかより「いつまでに決めるか」から逆算する
この記事の要点を整理します。
- 夫婦の出会いは「アプリ等」20.2%まで伸びた(第17回出生動向基本調査)。一方でIBJのお見合いも年間96万件超で、どちらも機能している
- 違いの本質は身元確認・進行の区切り・断り方の3点。費用より「結婚までの総所要期間」で比べると判断しやすい
- IBJの在籍期間中央値は男性9.2か月・女性7.6か月、交際約4か月。半年〜1年で区切りが来る
- 20〜30代前半はアプリ、35歳前後以上はお見合いが中心層。40代以上は詐欺被害の中心層でもあり身元確認の比重が上がる
- 併用するなら、アプリ=母数と場慣れ、お見合い=条件確認と締め切り、と役割を分ける
手段を変えても、決め方が変わらなければ結果は動きません。先に決めるのは「いつまでに結婚したいか」と「何を譲らないか」の2つです。ここが曖昧なままアプリと相談所を行き来して1年が過ぎる、という相談は珍しくありません(※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています)。
現状の整理だけしたい方は無料相談で、活動中の進め方を具体的に組み直したい方は有料カウンセリングをご利用ください。無理な勧誘はしません。お見合い結婚そのものの結果が気になる方はお見合い結婚は幸せになれる?割合9.8%と離婚率の本当も参考になります。
本文の数値はすべて調査時点の目安であり、成果や結婚までの期間には個人差があります。特定の結果を保証するものではありません。費用・制度・提出書類は変更される場合があるため、最新情報は各社・各自治体の公式情報でご確認ください。
出典
- 第17回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所/2025年6月調査・2026年9月公表。夫婦調査ベース。前回値は集計区分により11.0%と13.6%の両方が引用される):https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou17/doukou17_gaiyo.html
- 「夫婦の出会い SNSやアプリが2割」(日本経済新聞):https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00022350Y6A900C2000000/
- IBJ成婚白書 2024年度版(日本結婚相談所連盟。成婚者の年齢・在籍期間中央値・交際期間):https://www.ibjapan.jp/information/wp-content/uploads/2025/04/2024IBJseikon_hakusyo.pdf
- お見合い成立数が月間8万件を突破(IBJ発表/2025年5月実績):https://www.ibjapan.jp/information/2025/06/2-11.html
- お見合い申し込みの成立率(IBJ加盟店・アネマリ結婚相談所の公開情報。店舗により差がある参考値):https://konkatsu-ane.com/omiaiseiritsu-rate/
- 2025年マッチングサービス・アプリの利用実態調査(MMD研究所/20〜69歳3万人・2025年9月19〜24日):https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2489.html
- 出会いのきっかけ最新事情(マイナビウエディングJOURNAL。年代別の出会い方):https://wedding.mynavi.jp/us/article/67939/
- 「アプリ疲れ」89.1%(結婚相談所ZWEIの調査/PR TIMES・2026年4月公表。単一企業調査のため参考値):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000217.000066446.html
- SNS型ロマンス詐欺(警察庁。2025年被害額552.2億円・年代別被害構成):https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/sns-romance/romance//報道:時事ドットコム(2026年2月)
- 都道府県の婚活支援・AIマッチング66%導入(日経グローカル/日本経済新聞):https://www.nikkei.com/article/DGKKZO93077610Y5A201C2LA0000/
- AIマッチングシステム(TOKYO縁結び/東京都):https://www.futari-story.metro.tokyo.lg.jp/ai-matching/
- 結婚相談所の料金相場30〜60万円(IBJメンバーズ。各社サイト集計による相場情報):https://www.loungemembers.com/blog/p_3927
- お見合い当日の流れとマナー(IBJ):https://www.ibjapan.com/marriage/p_5143/
