
この記事でわかること
- 第一印象の減点理由1位は「態度が横柄・無愛想」56.6%で、清潔感42.9%より14ポイント高い(オーネット/n≒600)
- ネガティブ印象の最多理由は「居心地が悪そう」40.0%。ルックス14.5%の約2.8倍で、顔より場の空気が効いている可能性が高い
- 「見た目55%」のメラビアンの法則は単語1語を3通りのトーンで読み上げた限定条件の実験。婚活で参考になるのは言葉と表情の矛盾を減らす点
- 成婚者は平均11回のお見合いを経て交際約4ヶ月で決断(IBJ加盟相談所会員の実績であり婚活全体の平均ではない)。1回のお断りで判断しなくてよい
「服も髪も一通り整えました。写真も撮り直しました。それでもお見合いのあと、決まってお断りが返ってきます」。30代の方から寄せられるご相談で、いちばん多いのがこの形です。
結論から言えば、婚活の第一印象を良くする近道は清潔感の上積みではなく、無愛想に見えてしまう表情・姿勢・話し方を先に減らすこと——というのが、現場での実感です。実際、独身男女約600人を対象にした調査(オーネット調べ/インターネット調査、@DIME掲載)では、第一印象の減点理由1位が「態度が横柄・無愛想」56.6%。清潔感の42.9%より14ポイント高い結果でした。
身だしなみを整えた方ほど、次に手をつける場所で迷います。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
「清潔感は整えたのに進めない」人が見落としている減点ポイント
まず、データを並べます。オーネットが独身男女約600人に聞いた「第一印象でこれはちょっと…と感じるポイント」は、次の順でした(インターネット調査/n≒600)。
- 1位 態度が横柄・無愛想 56.6%(男性51.8%/女性61.8%)
- 2位 清潔感がない(服装・髪・匂い) 42.9%(男性33.7%/女性52.8%)
- 3位 ネガティブな発言が多い 28.3%
- 4位 会話が続かない/一方的に話す 25.8%
- 5位 食事のマナーが悪い 20.3%
- 6位 時間にルーズ 16.6%
※本記事では同社の複数の調査結果を扱います。上記は「減点ポイント調査(n≒600)」、後述の「居心地/ルックス」は既婚男女への別調査、「秒数」は独身男女n=731の別調査、「印象が好転したきっかけ」は独身男女n=597の別調査です。それぞれ実施時期・対象が異なるため、単純な横比較はできません。数値は各社の公表値をもとに記載しています。

上位6つのうち、1位・3位・4位の3つは服装ではなく「振る舞い」に関する項目です。しかも、これらは自分では見えません。鏡に映るのは静止した顔だけで、話を聞いているときの自分の表情も、椅子に座ったときの体の向きも、本人の視界には入らないからです。
もうひとつ、示唆的な数字があります。既婚男女への調査で「第一印象がネガティブだった理由」を聞くと、最多は「一緒にいて居心地が悪そう」40.0%。「ルックスが好みでない」は14.5%で、約2.8倍の開きがありました(オーネット調べ・既婚男女対象の別調査)。
この2つの数字から読み取れるのは、相手が見ているのが顔の造作だけではない、ということ。この人と過ごす90分が快適かどうか——そこが効いている可能性が高い。服だけ替えても手応えが変わりにくいのは、このためだと考えています。
「見た目が55%」は本当か|メラビアンの法則の使いどころ
婚活の記事を読むと、ほぼ必ず出てくるのがメラビアンの法則です。視覚55%・聴覚38%・言語7%。だから「話の中身より見た目が9割」——このまとめ方が、現場でいちばん人を迷わせています。
元になったのは、Mehrabian & Wiener (1967)、Mehrabian & Ferris (1967) の実験です。条件はかなり限定的でした。たとえば前者は、「maybe」のような単語1語を、好意的・中立的・否定的の3通りの声のトーンで読み上げ、言葉の意味と声の調子が食い違ったときに聞き手がどちらを手がかりにするかを調べたもの。後者は表情写真と声を組み合わせた実験です。感情や好意が伝わる場面での、矛盾したメッセージの受け取られ方を測ったのであって、会話全体で話の内容が7%しか価値を持たない、という意味ではありません。

では婚活では無意味かというと、そうでもない。「矛盾があると、相手は非言語のほうを手がかりにしやすい」という一点だけは、お見合いの席でも参考になります。
「お会いできて嬉しいです」と言いながら表情が動かない。「ぜひ聞きたいです」と言いながら体が斜めを向いている。この矛盾が起きたとき、相手の記憶に残りやすいのは言葉ではなく後者のほうでしょう。現場では、話す内容を必死に準備してきた方ほどこの矛盾が起きやすい、というご相談は珍しくありません。原稿を思い出すことに意識が向いて、顔と体が止まってしまうのです。
手を入れるべきは語彙ではなく、言葉と体をそろえること。ここに絞ると、やることは3つに減ります。
婚活の第一印象を良くする3つの手直し|表情・姿勢・話し方

表情|笑顔を足すより、無表情の時間を削る
「笑顔の練習をしましょう」というアドバイスは、半分しか当たりません。面談でよく見るのは、自分が話すときは笑えているのに、聞くときに顔が止まっているタイプです。お見合いの90分のうち、自分が話す時間は半分以下。残りの時間の顔が、そのまま印象になります。
手っ取り早い確認方法は、スマホで自分を撮ることです。家族や友人と10分ほど雑談しながら、自撮り動画を回してみてください。真剣に聞いているつもりの顔が、想像よりずっと不機嫌に映っていた、という反応は珍しくありません。「これは怒ってますね」とご自身で笑い出す方もいます。指摘されるより、映像を見たほうが早いのです。
やることはシンプルで、相槌のたびに眉を少し上げる。口角より眉のほうが、動かすと相手に伝わりやすい部分です。
姿勢|テーブルに着いた瞬間に、だいたい分かる
椅子を引く、荷物を置く、腰を下ろす。この十数秒に、その日の姿勢はほぼ出ます。荷物を膝に抱えたまま体を斜めに向けて座る方は、話が始まる前から「早く終わらせたい人」の形になっています。本人にその気はありません。ただ、緊張しているとそうなる。
背筋を伸ばす意識は、緊張すると3分で消えます。代わりに覚えるなら、体の正面——へそを相手に向けること。椅子には少し浅めに座り、両手はテーブルの上に。荷物は足元か空いた席へ。
腕を組む、背もたれに深く沈む、資料やスマホに視線を落とす。この3つは、減点1位に挙がった「無愛想」の中身と重なります。
話し方|語尾を言い切り、質問は「事実→感想→相手へ」
声を高くする、ゆっくり話す。よく言われますが、当日いきなり変えられるものではありません。もっと再現しやすいのは語尾を最後まで言い切ることです。「そうですね、私は…」で消えていく話し方は、自信のなさではなく無関心と受け取られることがあります。
会話が続かない・一方的に話す(25.8%)を避けるには、返し方に型を持っておくと楽になります。①事実を短く答える ②ひとこと感想を足す ③同じ質問を相手に返す。この3拍を用意しておくと、沈黙を自分語りで埋めずに済むケースが多くなります(受け取られ方には個人差があります)。
服装そのものの正解が知りたい方は、婚活の服装は「型」で決まる|お見合い・パーティー別の正解と男女のNGのほうが具体的です。
相手が男性か女性かで、直す順番は変わる
ここは意外と語られません。同じ「第一印象」でも、男性が女性を見るときと、女性が男性を見るときで、減点の重みが違います。
| 相手 | 先に手を入れる場所 | 根拠(調査結果) |
|---|---|---|
| 相手が女性のとき | 清潔感(髪・匂い・服のサイズ感)と、無愛想に見えない表情 | 清潔感を減点理由に挙げた女性は52.8%(男性は33.7%)。無愛想を挙げた女性は61.8%(オーネット/n≒600) |
| 相手が男性のとき | 表情の動きと、会話の受け止め方 | 男性が「第一印象で大事」と答えた1位は「顔」(Presia/婚活経験者n=200の小規模調査。傾向の参考として) |
ここから先は現場での見立てですが、「顔」と答えた回答が、造作だけを指しているとは限りません。表情が動かない状態は顔の印象そのものを固く見せます。だから相手が男性のときも、着手先は表情の動きになる——そう考えて面談ではお伝えしています(これは調査結果ではなく、当相談所の解釈です)。
※Presiaの調査はn=200と母集団が小さく、実施時期・回答形式も他調査と異なります。本記事では傾向の参考としてのみ扱い、優劣の証明には用いていません。年齢層や回答形式が異なる調査を横並びにすると、実態以上に差が大きく見えることがあります。
もうひとつ、印象が好転したきっかけについての調査もあります。オーネットが独身男女597名に聞いたところ、第一印象を良い方向へ変えるのに有効だったとして挙がったのは、女性から男性へは「自然な笑顔」、男性から女性へは「気配り」でした(2025年10月/n=597)。効く手札が違う、ということです。
マッチングアプリの初回対面は、条件がもう一段厳しい
お見合いと違って、アプリの初回対面には仲人も進行役もいません。待ち合わせから解散まで、進行はすべて当事者。しかも相手はプロフィール写真という「最良の一枚」を先に見ています。実物と写真の差が、そのまま最初の数秒に乗ってしまう。
だからアプリ経由の初回こそ、表情と姿勢の比重が上がります。合流した瞬間に眉が動くか、店に着いてから体の正面が相手を向くか。カフェ1時間程度の短い設定が多いぶん、立て直す時間も限られます。写真を盛る方向で悩むより、会った直後の3分に手を入れたほうが早い、というのが面談での実感です。
婚活の第一印象についてよくある質問
Q. 第一印象は何秒で決まりますか?
独身男女731人への調査(オーネット/n=731)では、「会った瞬間」21.2%、「数秒」25.4%、「数分」29.3%で、数分以内までの合計が75.9%でした。心理学の実験でも、顔を0.1秒見ただけの判断が、時間無制限で見た場合の判断とよく一致したという報告があります(Willis & Todorov, 2006)。ただしこの実験が扱ったのは魅力度・信頼性といった特定の特性についての印象で、婚活の第一印象すべてに当てはまるわけではありません。示しているのは、時間をかけると印象が変わるというより確信が強まる方向だということ。初動に手を入れる意味は、ここにあると考えています。
Q. 顔に自信がありません。挽回できますか?
ネガティブな第一印象の理由で「ルックスが好みでない」は14.5%。最多の「居心地が悪そう」40.0%とは差があります。顔そのものより、表情・姿勢・話し方で作られる空気のほうが、自分で動かせる幅は大きいでしょう。もちろん結果には個人差があります。
Q. オンラインのお見合いでも同じですか?
条件はもう少し厳しくなります。画面の大半を占めるのは自分の顔で、姿勢や手の動きは伝わりません。よくあるのは、机にスマホを置いたまま話して真下からの角度になっているケース。それから、背中側の窓を開けたまま逆光で顔が影になっている方。ご本人は自分の映りを見ていないので、指摘されるまで気づきません。カメラを目線の高さに上げる、正面か斜め前から光を当てる、背景を片づける。この3点を押さえるだけでも、画面越しの印象は違ってきます(映り方や受け取られ方には個人差があります)。通信が途切れると会話のテンポも崩れるため、有線接続や電波の良い場所の確保も準備のうちです。
1回のお断りで判断しないために、今週やること
婚活経験者への調査(Presia/n=200の小規模調査。傾向の参考として)では、第一印象で「恋愛対象外」と判断した経験がある人は93.5%でした。母集団は小さいものの、自分だけが厳しく見られているわけではない、という前提に立つことはできます。1回のお断りは、異常事態ではありません。
回数の目安になる数字もあります。IBJが約2万人を対象にまとめた2025年成婚白書によると、成婚した方は平均11回のお見合いを経て、交際期間およそ4ヶ月で結婚を決めています。お見合いから交際に進む割合は全年代で約40%以上。ただしこれはIBJ加盟相談所の会員実績を集計したもので、婚活全体の平均値ではありません。アプリや自然な出会いを含めた数字ではない点はご注意ください。
ただ、同じ癖を抱えたまま打席に立ち続けても、回数が増えるだけになりがちです。表情・姿勢・話し方は、自分では最も見えにくい部分。着手の順番を決めるなら、こう組んでみてください。
- 今週中:雑談10分の自撮り動画を1本。話しているときではなく、聞いているときの自分を見返す
- 次のお見合いまでに:直す動作を1つだけ選ぶ(相槌のたびに眉を上げる/へそを相手に向ける、のどちらか)
- 当日:着席の十数秒だけ意識する。荷物は足元、両手はテーブルの上、体の正面を相手へ
- お見合い後:会話が続いた場面と止まった場面を、それぞれ1つだけメモする
一度に全部やろうとすると、当日は原稿を思い出すほうに意識が持っていかれます。動作は1回につき1つで十分です。録画を見ても手応えがなければ、第三者に見てもらったほうが早い段階でしょう。
そもそも出会いの数なのか、選ばれ方なのか、決断なのか。どこで詰まっているか分からないときは、結婚できない原因は3段階で切り分ける|出会い・選ばれ方・決断で切り分けてから動くほうが無駄がありません。交際に進んだあとの進み方は結婚相談所の交際期間は平均4ヶ月|仮交際から成婚までの5ステップにまとめています。
彩星の無料相談では、第一印象で何が起きているかを、その場で一緒に見ます。お話しいただく様子から、表情・姿勢・話し方のどこに手を入れると効きそうかを整理してお伝えします。ご入会を前提としたご案内はいたしません。
