
この記事でわかること
- IBJ成婚白書では35〜39歳女性の成婚率は年収300万円未満33%・500〜600万円40%で逆転している
- 年収公開の女性の成婚率46.1%に対し非公開は24.0%。伏せるほうが有利という数字は見当たらない
- 年齢・年収・身長などを重ねると候補1,000人が20人に。年収条件を同等まで下げると約2倍に増える試算
- 最初の4週間で動かす順番は、条件を数で出す→年収公開→条件を2つ削る→申し込み数を数える
年収500万円そのものが結婚のつまずきになっているケースは、結婚相談所の現場ではあまり見かけません。IBJ(日本結婚相談所連盟)の「成婚白書 2024年度版」では、35〜39歳女性の成婚率は年収300万円未満が33%、年収500〜600万円が40%。高年収側のほうが高い数字です。
この記事は、自分の年収が500万円前後ある女性を主な読者に想定しています。扱う範囲はIBJ加盟の結婚相談所での婚活(お見合い→仮交際→真剣交際→成婚)で、アプリやパーティーの攻略法は扱いません。なお「年収500万円の男性と結婚したい」側の疑問にも、後半で独立した見出しを立てて答えます。
後半では、男性側の本音データ、年収を公開するか伏せるかの判断、条件の掛け算で候補が1,000人から20人に減る試算、世帯年収への置き換え、最初の4週間の手順、という順で進みます。
この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています
IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。
通説①「高年収の女性は男性に引かれる」は、男性側のデータでは多数派ではない
よく「500万円も稼いでいると男性が引け目を感じる」と言われます。現場の実感は少し違います。
タメニーが未婚男女2,412人に行った調査(2024年2月)では、結婚相手の女性に求める年収として最も多かったのは「300〜400万円未満」で26.3%。そして「相手の年収が自分より高いこと」を重視する割合は、男性19.1%に対して女性66.1%(女性40代では71.8%)でした。共働きについては「こだわらない」が56.8%で最多です。
つまり、年収500万円という数字を警戒する男性は一定数いても、多数派ではありません。むしろ「自分より高い年収を求める」側に偏りがあるのは女性側のデータです。これは読者を責める話ではなく、どこを動かせば候補が増えるかという話につながります。
国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査(2021年)では、独身女性が結婚相手に「経済力」を重視する割合は36.3%、考慮するが55.3%。一方で「男性の家事・育児の能力」を重視する女性は70.2%まで上がっています(前回57.7%)。経済力より家事・育児参加を見る視点が強まっているのは、共働き前提の相手選びと相性がいい変化です。
「年収を聞かれたら少なく言ったほうがいいでしょうか」というご相談は珍しくありません。現場では、年収を下げて伝えた方が交際後半で話が合わなくなる場面をよく見ます(統計値ではなく、個人差があります)。
通説②「年収は伏せたほうが無難」はおすすめしません|公開46.1%・非公開24.0%
IBJが約2万人の会員データをもとに公表した成婚白書の分析では、年収を公開した女性の成婚率は46.1%、非公開は24.0%で約1.8倍の差がありました。同じデータで、女性は年収の高低による成婚率の差がほぼないことも示されています(20代は最高70%・最低でも45%、30代前半は最高59%)。
ただし、この差をそのまま「公開すれば成婚率が倍になる」と読むのは行き過ぎです。年収を公開する人は活動姿勢も積極的という可能性があり、公開という一要素だけの効果とは言い切れません。業界団体の集計で、母集団や年齢構成も年度によって変わります。それでも「伏せたほうが有利」という方向の数字は見当たらないという点は、判断材料として十分だと考えています。
35〜39歳女性では、年収300万円未満の成婚率33%、500〜600万円で40%。年収500万円以上の女性全体では37.7%という数字も出ています。いずれも目安であり、成果には個人差があります。

年収の伝え方|悪い例と良い例
プロフィールの年収欄は数字だけですが、お見合いの場では言い方で受け取り方が変わります。
- ❌「私、年収は500万くらいあるので、お相手には600万以上を希望しています」(自分の数字を相手への条件の根拠にすると、交渉の空気になります)
- ⭕「仕事は続けたいと思っていて、収入は400万円台後半から500万円くらいです。家計は二人で出し合う形が理想なのですが、どうお考えですか」(事実+今後の希望+相手への質問で終える)
- ❌「稼いでいるので生活には困っていません」(自立の表明が、相手不要の宣言に聞こえることがあります)
- ⭕「お互いに働いて、家事は分担できたらうれしいです。残業が多い時期があるので、そこは正直にお伝えしておきます」
年収は「相手を選ぶ武器」ではなく「二人の家計の前提条件」として出す。この置き換えだけで、仮交際に進む率が変わる場面を何度も見ています(個人差があります)。
候補が消える本当の原因|条件の掛け算で1,000人が20人になる
「出会いの幅が狭い」と書かれている記事は多いのですが、実際にどれだけ狭いかを数で見たほうが納得できます。
荒川和久氏が就業構造基本調査などをもとに示した数字では、25〜34歳の未婚男性で年収500万円以上は11%。400万円以上まで下げても27%です。また婚活女性の約6割が年収500万円以上を希望する一方、該当する男性は東京で2割・全国で1割という指摘もあります。
ここに年齢・地域・初婚・身長・学歴の条件が重なると、どうなるか。結婚相談所の男性会員1,000人を出発点にした計算例です。相談所は年収証明の提出が必要なため、一般の未婚男性より年収分布は高めになります。以下は現場でよく使う概算の試算で、公表統計ではありません。
| 重ねる条件 | 残る割合の目安 | 残る人数 |
|---|---|---|
| 出発点(男性会員) | — | 1,000人 |
| 年齢が自分±5歳 | 約40% | 400人 |
| 年収600万円以上 | 約35% | 140人 |
| 通える地域に住んでいる | 約60% | 84人 |
| 初婚・子ども希望が一致 | 約70% | 59人 |
| 身長175cm以上 | 約50% | 29人 |
| 大卒以上 | 約70% | 20人 |
1,000人が20人。しかもこの20人全員がこちらの申し込みを受けてくれるわけではありません。IBJ加盟相談所のお見合い成立率は6〜7%程度という水準が知られており、20人に申し込んで成立するのは1〜2人という計算になります。
私が担当した範囲では、条件を3つ重ねた段階で紹介可能な人数が二桁に落ちるケースが大半でした(統計値ではなく、個人差があります)。お見合いの回数や成立率の考え方はお見合いとは?成立率6〜7%と11人で決まる現代の実像でも整理しています。
「相手の年収」を「世帯年収」に置き換える|第1案から第3案まで
年収500万円を稼いでいる人には、ほかの人には使えない選択肢があります。相手の年収ではなく世帯年収で目標を立てられることです。上の試算から年収条件だけを動かすと、こうなります。
| 相手に求める年収 | 残る人数の目安 | 世帯年収の目安 | |
|---|---|---|---|
| 第1案(自分より上) | 600万円以上 | 約20人 | 約1,100万円 |
| 第2案(同等) | 450万円以上 | 約41人 | 約950万円 |
| 第3案(雇用の安定で見る) | 問わない | 約59人 | 約850万円〜 |
第1案から第2案に動かすだけで候補は約2倍、第3案なら約3倍。世帯年収は1,100万円から950万円へ、つまり150万円の差で候補数が2倍になります。年収500万円の手取りは約375〜425万円(月23〜26万円)という目安ですから、世帯で950万円あれば生活設計の選択肢は十分に広い水準です。この試算は条件の置き方を比べるための計算例で、実際の会員構成は相談所ごとに異なります。
補足として、高年収の女性が結婚できていないわけではないことを示すデータもあります。ニッセイ基礎研究所の分析では、年収1,000万円以上の妻の69.2%は夫も1,000万円以上。似た水準同士で組んでいる実態があります。ただし夫婦とも700万円以上の世帯は2024年で45万世帯(全世帯の0.83%)と薄い層です。「高年収女性は結婚できない」より「高年収同士は結婚しているが、その椅子の数自体が少ない」と読むのが実態に近いでしょう。
年収条件を緩めるのが難しい方には、順番を変える手もあります。年収欄で先に切らず、お見合いの場で家計の考え方を聞いてから判断する。年収は数字でも、生活の安定は雇用形態・勤続年数・貯蓄・実家の事情まで含めた総合です。実際、年収は希望より低いけれど退職金制度と住宅補助が手厚い相手と真剣交際に進んだ、というご相談は複数ありました。※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。
年収500万円の女性が最初の4週間でやること
条件の見直しは、頭の中だけでは終わりません。手順にします。起点は活動開始日(または見直しを決めた日)です。
- 1週目:自分の条件を掛け算にして書き出す。年齢幅・年収・地域・初婚・身長・学歴を並べ、上の表と同じ形で残る人数を担当者に計算してもらいます。「私の条件だと紹介できるのは何人ですか」と数で聞くのが肝心です。
- 2週目:年収欄を公開に変える。非公開にしている場合は公開へ。同時に、仕事の説明を「職種名+忙しい時期+続けたい意向」の3点で書き直します。
- 3週目:削る条件を2つ決める。年収の下限を自分と同等まで下げるか、身長・学歴のどちらかを外すか。一度に全部ではなく2つ。4週間試して戻すのも自由です。
- 4週目:申し込み数を数える。こちらから申し込む数が月10件を下回っているなら、条件より行動量の問題です。お見合い成立率を6〜7%として、月1〜2件の成立を目標にします。
どこから手をつけるか迷う場合は、婚活タイプ診断(10問・約3分)で自分のつまずき方の傾向を確かめてから、1週目の書き出しに進むとやりやすくなります。
条件設定そのものがつまずきの原因になっているかどうかは、結婚できない女の特徴は5つ|条件・返事の速さで変わるも併せて読んでみてください。
「年収500万円の男性と結婚したい」側の疑問にも答えます
このキーワードで検索する方には、自分が年収500万円の当事者と、相手に年収500万円を求める側の2通りがあります。後者について。
結論から言えば、年収500万円以上という希望は非現実的ではないものの、候補を1割前後に絞る条件です。25〜34歳の未婚男性で年収500万円以上は11%、400万円以上なら27%。年齢を35〜44歳に広げれば割合は上がりますが、その分ほかの希望(初婚・子ども希望など)と衝突しやすくなります。
高望みかどうかを判断する3つの見方を挙げます。
- 年齢幅を何歳とっているか。年収500万円以上を求めるなら、年齢の上限を5歳広げるだけで母数が大きく変わります。
- 自分の年収と合わせた世帯年収で足りるか。自分が300万円なら相手400万円で世帯700万円。目標を世帯で置くと、年収500万円という線にこだわる理由が薄れる場合があります。
- 年収以外に何個の条件を付けているか。年収500万円+身長+学歴+長男以外、と重ねた時点で、候補は年収条件単独の数字よりはるかに少なくなります。
相談所の年齢構成や申し込みの受け方の現実は結婚相談所の年齢層は30代が中心|年代別の勝ち筋と申し受けの現実にまとめています。
よくある質問
Q. 年収500万円の女性は、女性全体の何%ですか?
A. 国税庁「民間給与実態統計調査」(令和6年分)をもとにした集計では、女性で年収500万円超は17.7%(マイナビ転職エージェント)。「500万円台」に限ると8.0%(All About)、5.9%・6.7%と紹介する媒体もあります。集計の区切り方や対象(給与所得者のみか等)で差が出るため、おおむね「女性の1割前後が500万円台、500万円超で2割弱」という幅で押さえれば十分です。女性の平均年収は314〜316万円、全体の平均給与は478万円(令和6年分・過去最高)という水準です。
Q. お見合いの申し込みが来ないのは年収のせいですか?
A. 年収単独が理由になることは少ないと考えています。IBJの集計では女性の年収による成婚率の差はほぼ見られません。申し込みが来ない場合、写真・年齢・活動量・年収非公開の4つを先に点検するほうが実りがあります。
Q. 自分より年収が低い男性は候補に入れるべきですか?
A. 入れて試す価値はあります。候補数が約2〜3倍になる計算(本文の試算)に対し、世帯年収の差は150万円前後です。4週間だけ下限を下げて申し込みの反応を見て、合わなければ戻す進め方をおすすめしています。結果には個人差があります。
Q. 年収が上がるまで婚活を待つのはどうですか?
A. この2つは逆方向に動きます。年収は年齢とともに上がりやすい一方、IBJのデータでは成婚率は20代で最高70%、30代前半で最高59%と年齢が上がるにつれ下がる傾向。年収を積む時間と婚活の時間はぶつかるため、同時進行が現実的です。
Q. 年収を証明する書類は必要ですか?
A. IBJ加盟相談所では男性の年収証明提出が一般的で、女性は相談所の規定により異なります。提出範囲と公開範囲は別物なので、入会前に「女性の年収証明は必要か」「プロフィールでの公開は選べるか」を確認してください。規定は相談所ごとに変わるため、必ず契約前に書面で確かめることをおすすめします。
Q. ハイキャリアだと紹介してもらえる人が少ないと言われました。
A. 相談所によって会員構成は違います。ただ、紹介が少ない理由が会員構成なのか自分の条件設定なのかは、本文の掛け算の表で担当者に計算してもらえば切り分けられます。数を出してもらうのが一番の確認方法です。
この記事の要点と出典
- IBJ成婚白書では35〜39歳女性の成婚率は年収300万円未満33%・500〜600万円40%。年収の高さ自体が不利という形にはなっていない
- 年収公開の女性の成婚率46.1%、非公開24.0%。伏せる方向に有利な数字は見当たらない(公開以外の要因も関わる可能性あり)
- 男性が結婚相手の女性に求める年収の最多は300〜400万円未満(26.3%)、自分より高い年収を重視する男性は19.1%
- 年齢・年収・地域・身長・学歴を重ねると候補は1,000人が20人規模に。年収条件を同等まで下げると約2倍、外すと約3倍(概算の試算)
- 最初の4週間は「条件を数で出す→年収を公開する→条件を2つ削る→申し込み数を数える」の順で動かす
本文の人数試算は条件の置き方を比較するための計算例で、公表統計ではありません。各データは公表時点の数値であり、年度や集計方法によって変動します。成果には個人差があり、特定の結果を保証するものではありません。結婚相談所の契約は特定継続的役務提供に該当するため、料金や解約条件は必ず契約書面で確認してください。
- IBJ(日本結婚相談所連盟)「成婚白書 2024年度版」約2万人の会員データ(IBJ公表・PR TIMES掲載分を含む)
- 国税庁「民間給与実態統計調査」令和6年分(平均給与478万円/年収階級別分布)
- マイナビ転職エージェント、All About マネー、マネーフォワード各記事による上記統計の集計(女性の500万円超17.7%、500万円台8.0%・6.7%・5.9%)
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年、独身者の結婚相手の条件)
- タメニー株式会社 調査(2024年2月、未婚男女2,412人対象/民間の自社調査のため参考値)
- 荒川和久氏による就業構造基本調査等の分析(Yahoo!ニュース エキスパート、PRESIDENT Online掲載分)
- ニッセイ基礎研究所「パワーカップル世帯の動向」(2024年時点45万世帯、全世帯の0.83%)
- 三菱UFJカード・my-vision 各記事(年収500万円の手取り目安375〜425万円)
