婚活の悩み

障害者の婚活は「専門の場だけ」は誤解|開示の台本と世帯のお金

障害者の婚活は「専門の場だけ」は誤解|開示の台本と世帯のお金

この記事でわかること

  • 「専門の場しか選べない」は誤解。分かれ目は障害の有無ではなく、就労の継続・自分の言葉で説明できるか・配慮の依頼が具体的かの3点です
  • 開示は1回の告白ではなく3段階。プロフィールは事実2〜3文、お見合いで生活の具体、真剣交際でお金と通院の詳細まで
  • 障害年金は結婚しても止まりません。ただし配偶者加給年金が加算されるのは障害厚生年金1級・2級の方のみ。障害基礎年金だけの方は対象外です
  • 断られたら障害のせいと決めつけず理由を確認。担当者を変える・併用する・条件を書き直すの3案で次を決めます

障害があっても婚活はできます。ただし、うまくいく人とそうでない人を分けているのは障害の重さそのものより、「どの段階で、どこまで伝えるか」を決めているかどうかである、というのが現場の実感です。まずはここから。

この記事で扱う範囲は3つです。世間でよく言われる通説のどこがずれているか。お見合い申し込みから真剣交際までの3段階で何をどう伝えるか(そのまま使える文例つき)。そして、結婚後の世帯のお金を障害年金や配偶者加給年金を含めてどう見積もるか。加えて、入会や申し込みを断られたときの次の一手にも触れます。障害のあるご本人だけでなく、ご家族や支援者の方が読むことも想定しています。なお本記事はIBJ(日本結婚相談所連盟)加盟の結婚相談所での婚活を前提に書いています(お見合い→仮交際→真剣交際→成婚という段階を踏む形式です)。

この記事は結婚相談所の現役カウンセラー「さかとく」が書いています

IBJ加盟相談所で今も数十名の会員を直接担当する現場経験をもとに、一般論ではなく「実際どうすればいいか」をお伝えします。

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用語の整理:この記事で使う4つの段階と「開示」の意味

本題の前に、言葉の定義を番号で揃えておきます。ここがずれたまま読むと、後半の「いつ伝えるか」の話が噛み合いません。

  1. お見合い申し込み…プロフィールを見て「会いたい」と申し込む段階。アプリの「いいね」にあたりますが、相談所では担当者を通します。
  2. お見合い…申し込みが承諾されて実際に会う1回目。ホテルのラウンジなどで1時間程度が一般的です。
  3. 仮交際…お見合い後、双方が「もう少し会いたい」となった段階。複数の相手と並行して進むのが通常です。
  4. 真剣交際…1人に絞って結婚を前提に進める段階。ここから収入・健康・家族の話が具体化します。

そして「開示」とは、障害の有無・種別・等級・通院の状況・できることとできないことを相手に伝えることを指します。これを1回の告白イベントだと捉えている方が非常に多い。実際には、1から4にかけて少しずつ解像度を上げていく連続した作業です。この違いが、後で効いてきます。

「障害者は専門の場でしか婚活できない」はどこまで本当か

検索すると、障害者専門の結婚相談所・専用のマッチングアプリ・「障がいをお持ちの方&理解者編」の婚活パーティーという3つの選択肢が並びます。理解者編のパーティーを多数掲載しているイベントサイトもあり、選択肢として実在することは間違いありません。

ただ、「だから専門の場しか選べない」と読んでしまうのは少し違います。

障害のある方が一般の相談所で活動しているケースは、ふつうにあります。特に身体障害で就労が安定している方、投薬でコントロールできている精神障害・発達障害の方は、一般の相談所を選択肢から外す理由がありません。

配偶者のいる割合が障害の種別によって大きく異なることを示す集計もあります。厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」をもとにした配偶者あり率として、身体障害60.2%・精神障害34.6%・知的障害2.3%という数字が紹介されることがあります。ただしこれは二次的に引用されている参考値で、調査年次・集計条件・母集団の定義まで確認できていません。数字そのものを根拠に何かを断定できる性質のものではない、という前提で読んでください。特に身体障害者手帳の所持者は60代以上の割合が高く、年齢構成が一般人口と大きく異なります。したがって「身体障害の60.2%は日本全体の水準と同じくらい」といった単純な比較は成り立ちません。

それでも、種別によって数字が20倍以上も開くという事実の方向性だけは押さえておく価値があります。「障害者の婚活」とひとくくりにして同じ手段を並べること自体に無理があるのです。これだけ性質の違う集団を一枚の記事で扱うから、「専門の場へ行きましょう」という最大公約数の結論になってしまう。

私が担当した範囲での傾向をお伝えすると、判断の分かれ目は障害の有無より次の3点でした(統計値ではなく、あくまで体感です。個人差があります)。

  • 就労と収入が継続しているか…障害者雇用か一般雇用かは問いません。続いているかどうかです。
  • 自分の障害を自分の言葉で説明できるか…診断名だけでなく、日常生活で何が起きるかまで。
  • 配慮してほしいことを具体的に言えるか…「理解してほしい」ではなく「こうしてもらえると助かる」の形になっているか。

この3つが揃っていれば一般の相談所でも十分に活動できますし、揃っていないなら専門の場に行っても同じ壁にぶつかります。手段の選択より先に、ここを整える。順番が逆になっている方が、思いのほか多い。

一般の相談所で活動できるかを判断する3つの基準と、専門の場が向く場合の分岐
一般の相談所で活動できるかを判断する3つの基準と、専門の場が向く場合の分岐

専門の場が向くのはどういうときか

もちろん専門の場が有効な場面もあります。知的障害があり生活面の支援が継続的に必要な場合、あるいは手話が主なコミュニケーション手段で相手にも同じ条件を求めたい場合は、最初から条件の揃った母集団で探すほうが早い。ここは「一般か専門か」ではなく「何を優先するか」で決める話です。

費用感の目安も挙げておきます。障害者専門の相談所の実例として、入会金30,000円+登録料5,000円+月会費10,000円+お見合料10,000円+成婚料200,000円という料金表が日本仲人協会の加盟相談所ページに掲載されています。一般の相談所の相場はオリコンの調査で入会金0.7〜30万円、1年活動した場合の総額30〜60万円、成婚料5〜20万円。専門だから高い・安いという単純な差はありません。料金は各社が随時改定するため、必ず公式サイトと契約書面で確認してください(結婚相談所の契約は特定継続的役務提供にあたり、書面での明示が義務づけられています)。

「最初から全部伝えるべき」も、そのままでは使えない

上位の記事はほぼ例外なく「障害は隠さず最初から伝えましょう」と書いています。方向としては同意します。隠したまま真剣交際まで進み、後から発覚して破談になる展開は、ご本人にも相手にも負担が大きい。

ただ、問題は「隠すか伝えるか」ではなく、「伝える内容の粒度が段階に合っているか」だと考えています。

プロフィールの自由記述に診断名と等級と服薬中の薬剤名まで書き込みたい、というご相談は珍しくありません。誠実さの表れだと思います。ただ、まだ会ってもいない相手が受け取れる情報量を超えてしまうことがあります。一方で、プロフィールには「障害者手帳3級を所持しています。仕事は週5日フルタイムで継続しています」程度の事実だけを置き、詳細はお見合いの場で話す形に整える方もいます。どちらがよいかは相手や状況によって変わります。書き方を変えれば会える回数が増える、といった効果を保証するものではありません。※個人が特定されないよう、複数の事例をもとに内容を再構成しています。

伝える順番には型があります。

3段階の開示台本(そのまま使える文例つき)

段階 伝える内容 伝えない(まだ早い)こと 目安の分量
第1段階
プロフィール・申し込み時
障害があるという事実/手帳の有無と等級/就労状況 診断の経緯、薬剤名、過去の入院歴、家族の状況 2〜3文
第2段階
お見合い1回目
日常生活で何が起きるか/できること・できないこと/通院の頻度 将来の介助の見込み、金銭の詳細、親の意向 会話の1〜2割程度
第3段階
仮交際後半〜真剣交際
収入と障害年金の内訳/通院先と主治医の見解/家事分担の希望/子どもについての考え —(ここで全部を開く) 複数回に分けて

第1段階の文例です。プロフィールの自由記述欄に置くことを想定しています。

❌ 悪い例:「軽度ですが障害があります。ご迷惑はおかけしないつもりですが、ご理解いただける方だとうれしいです」

⭕ 良い例:「身体障害者手帳3級を所持しています。日常生活と通勤は一人でできており、現在の職場で5年目です。詳しいことはお会いしたときにお話しさせてください」

違いは、「軽度」のような主観的な程度表現を避けて事実だけを書いていることです。そして「迷惑をかけない」という守りの言葉が、就労が続いているという実績に置き換わっている。最後に「続きは会ったときに」と次の段階への橋をかけている点も効いています。悪い例は相手に判断材料を渡さないまま理解だけを求めていて、受け取る側は返事に困ります。

第2段階、お見合いの席での文例。

❌ 悪い例:「障害のことなんですが、ご不安ですよね。無理でしたら正直に言ってください」

⭕ 良い例:「プロフィールに書いた手帳のことを少しだけ。長い距離を歩くのが苦手なので、外出のときは座れる場所を決めてから動きます。それ以外は普通に生活しています。もし気になることがあれば、何でも聞いてください」

ここでの型は「具体的な場面 → 自分の対処 → 質問の招待」の3ステップです。「歩くのが苦手」だけで止めると相手は何を想像していいか分かりませんが、「座れる場所を決めてから動く」まで言えば、一緒に出かける画が浮かぶ。そして最後に質問を招くことで、相手が聞きづらさを抱え込まずに済みます。お見合いは1時間程度ですから、この話に割くのは5〜10分で十分です。

「こんなに聞いていいのか分からなくて」という相手側の戸惑いは、実際よく耳にします。聞いてよいと明示的に言われるだけで、場の空気が変わることがあります。

事前に作っておきたい2枚のリスト

第2段階・第3段階で慌てないために、活動を始める前に書き出しておくことをおすすめしています。所要時間は30分ほど。

  • できることリスト…通勤、調理、洗濯、買い物、運転、金銭管理、来客対応など、生活の項目ごとに「一人でできる/工夫すればできる/できない」を3段階で。
  • 配慮してほしいことリスト…「大きな音のある場所が苦手なので、席は端を選びたい」のように、理由+具体的な依頼の形で3〜5個。「理解してほしい」だけの項目は書き直します。

このリストは相手に見せるためのものではなく、自分が口頭で説明できるようにするための下書きです。

そして、書いた開示文は一人で抱えないほうがいい。担当のカウンセラーに読んでもらい、表現を一緒に整えられるかどうかは、相談所を選ぶときの判断材料になります。入会前の無料相談で「この文面を見てもらえますか」と持ち込んでみると、対応の丁寧さがそのまま分かります。自分がどういう進め方に向いているのかを先に整理したい方は、サイト内の婚活タイプ診断(10問・約3分)をたたき台に使ってみてください。

お金の話:上位の記事が「不安」で止めている部分

ゼネラルパートナーズの障がい者総合研究所が2017年6月に実施した調査(有効回答478名)では、結婚のハードルとして「結婚資金」を挙げた人が60%、「職業や仕事上の問題」が55%でした。同じ調査で未婚率は74%(精神81%/身体67%)、未婚者のうち66%が「いずれ結婚するつもり」と答えています。単一の民間調査であり、調査時点も古いため参考値として扱ってください。

多くの記事はここで「経済的な不安が大きい」と書いて終わります。でも読者が本当に知りたいのは、結婚したら世帯のお金がどうなるのかという具体でしょう。並べてみます。

項目 金額の目安 出典・条件
障害者雇用の平均賃金(身体) 月23.5万円(所定内22.3万円) 厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果」
同(精神) 月14.9万円 同上
同(知的) 月13.7万円 同上
配偶者加給年金 年度ごとに改定(金額は年金事務所で確認) 障害厚生年金1級・2級を受給し、65歳未満で生計を維持されている配偶者がいる場合。障害基礎年金のみの方は対象外

まず、障害年金は結婚しても打ち切られません。「結婚すると年金が止まる」という誤解は根強いのですが、障害基礎年金・障害厚生年金が婚姻を理由に支給停止されることはありません。

そのうえで、ここを取り違えている方が多いので丁寧に書きます。結婚によって配偶者加給年金が加算される可能性があるのは、障害厚生年金の1級・2級を受けている方に限られます。障害基礎年金には配偶者加給年金という仕組みがそもそもなく、加算があるのは18歳到達年度末までの子などがいる場合の「子の加算」だけです。どちらになるかを分けるのは、初診日にどの年金制度に加入していたか。初診日に厚生年金の被保険者だった方は障害厚生年金の対象になり得ますが、初診日が国民年金加入中(自営業・学生・就労前など)であれば障害基礎年金のみとなり、結婚しても配偶者分の加算はありません。たとえば学生時代に発病して障害基礎年金2級を受けている方は、その後に就職していても、結婚を理由に加算が付くわけではない。ここを誤ったまま世帯の収支を組むと、当てにしていた収入が入ってこないことになります。

障害厚生年金1級・2級に該当する場合でも、加算には条件が付きます。配偶者が65歳未満で、生計を維持されていること。この「生計維持」には収入の基準があり、配偶者の年収が850万円未満(所得なら655.5万円未満)の見込みであることが求められます。さらに、配偶者自身が厚生年金の加入期間20年以上の老齢厚生年金や障害年金を受けられる間は、加算が支給停止になります。共働きで配偶者に十分な収入がある場合や、配偶者が先に年金を受給している場合は、加算されないケースがあると考えておいてください。

手続きも必要です。婚姻によって対象となる配偶者ができたときは、年金事務所への届出(加給年金額加算開始事由該当届)を出します。加算は要件を満たした月の翌月分からというのが原則ですが、届出が遅れた場合の遡りの扱いは状況によって異なります。加算額は年度ごとに改定されるため、本記事では具体的な金額を書きません。

金額も要件も制度改定で変わります。実際の手続きの前には、必ず年金事務所か社会保険労務士にご自身の条件で確認してください。ここに書いた内容は判断の出発点であって、結論ではありません。

なお、お住まいの自治体によっては結婚相談所の登録料やマッチング支援の利用料に補助が出る場合があります(茨城県石岡市など、実施している自治体があります)。これは障害の有無を問わない一般の結婚支援施策で、障害者向けの制度ではありません。上限額は自治体ごとに異なり、数万円程度の例が見られます。制度の有無・金額・対象条件は自治体で大きく異なるため、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

その「うまくいかない」には、<br>必ず理由があります。

断られたとき、どう受け取ってどう動くか

ここは避けて通れない話です。障害の開示後にお見合いを断られる、あるいは入会審査で希望に沿えないと言われることは、実際に起こります。

まず知っておいていただきたいのは、相談所の入会には所定の審査と必要書類があり、これは障害の有無にかかわらず全員に課されるものだということです。IBJ加盟相談所では独身証明書や収入証明などの提出が求められます(必要書類の範囲は相談所や連盟によって異なります)。断られた理由が障害にあると思い込む前に、担当者に「どの条件が満たせていないのか」を具体的に聞いてください。就労形態や収入の証明方法の問題であれば、書類を整えれば解決することもあります。

そのうえで、次の一手を3案の順で考えます。

  1. 第1案:同じ連盟内で担当者を変える。相談所ごとに得意とする会員層は違います。障害のある方のサポート経験がある相談所かどうかを、入会前の無料相談で直接尋ねるのが早い。
  2. 第2案:専門の相談所を併用する。複数の連盟に加盟している相談所もあり、母集団を広げられます。ただし費用も増えるため、月々いくらまでなら続けられるかを先に決めてから。
  3. 第3案:条件の優先順位を書き直す。相手に障害への理解を求めるのか、同じ立場であることを求めるのか。この2つは全く違う探し方になります。混ざったままだと、どちらの相手からも決め手を欠いた印象になりがちです。

お見合いを断られる件については、件数の感覚を持っておくと楽になります。相談所での活動は、そもそも断られる前提の仕組みです。連盟全体の承諾率は公表されていませんが、障害の有無にかかわらず、申し込みが承諾されるのは一部にとどまるのが通常で、何十件と申し込んで数件会えるというのは珍しいことではありません。1件断られたことは、活動の失敗ではなく通常の過程です。3件連続で断られても、それ自体は方向転換の根拠になりません。判断するなら、10〜20件程度の申し込みに対する承諾の動きを見てからにしてください。この件数を目安にしているのは、申し込みが一桁のうちは、相手の年齢層や条件がたまたま偏っていただけなのか、プロフィールそのものに直すところがあるのかを区別できないからです(適切な件数は活動状況によって変わります)。

活動が長引いたときの気持ちの持ちこたえ方については、結婚相談所ブログの読み方|3ヶ月目と6ヶ月目に詰まる理由と活動9.2ヶ月の実像もあわせてご覧ください。詰まりやすい時期には共通のパターンがあります。

ご家族・支援者の方が読んでいる場合に

親御さんやきょうだい、支援員の方からのご相談も少なくありません。そういう場面でいちばん多くお伝えしているのは、反対するなら理由を具体的にしてくださいということです。

「心配だから」では本人は納得できません。納得できないまま止められると、話し合いは感情のぶつけ合いになって終わります。生活費が足りるのか。通院を続けられるのか。住まいをどうするのか。親御さんの頭の中には、たいてい具体的な懸念が並んでいます。それを一つずつ言葉にして机の上に出せば、反対ではなく一緒に検討する材料に変わる。逆に言えば、親の反対が理由で活動が止まってしまうケースは、中身が言語化されないまま「なんとなく不安」の形で置かれていることがほとんどです。

もうひとつ、良かれと思ってやりがちなのが、本人より先に情報を集めすぎることです。相談所を比較し、資料を揃え、説明会の予約まで取ってしまうと、本人が「決めさせられた」と感じて動けなくなることがあります。最初の一歩だけは本人に踏ませてください。

よくある質問

Q. 障害者向けの婚活は、どんな手段がありますか?

A. 大きく4つです。①一般の結婚相談所、②障害者専門の結婚相談所、③障害者と理解者を対象にした婚活パーティー、④自治体の結婚支援センター。就労が続いていて自分の障害を説明できる状態なら①も現実的な選択肢です。生活面で継続的な支援が必要な場合や、手話など条件を揃えたい場合は②が近道になります。当サイトは①の結婚相談所での活動を専門に扱っています。

Q. 障害のことは、いつ伝えるのが正解ですか?

A. 「いつ1回で伝えるか」ではなく3段階に分けます。プロフィールには事実だけを2〜3文(手帳の有無・等級・就労状況)。お見合い1回目で日常生活の具体とできること・できないこと。収入の内訳や通院の詳細、子どもについての考えは仮交際後半から真剣交際で。隠すのは避けつつ、段階に合わない情報量を先に出さないことが要点です。

Q. 結婚すると障害年金は止まりますか?

A. 婚姻を理由に止まることはありません。ただし「結婚すれば配偶者分が加算される」と考えるのは早計です。配偶者加給年金が加算されるのは障害厚生年金1級・2級を受給している方で、65歳未満の生計を維持されている配偶者(事実婚を含む)ができた場合に限られます。障害基礎年金のみを受給している方に配偶者加給年金はなく、加算は子がいる場合の子の加算だけです。どちらに該当するかは初診日にどの制度に加入していたかで決まります。加算に該当する場合も、配偶者の年収が850万円以上のときや、配偶者が加入期間20年以上の老齢厚生年金・障害年金を受けている間は支給停止です。手続きは年金事務所への届出が必要で、加算は要件を満たした月の翌月分からが原則。金額は年度ごとに改定されるため、ご自身の受給状況とあわせて年金事務所で確認してください。

Q. 障害があると結婚相談所に入会できないのでは?

A. 障害があることだけを理由に一律に断られる仕組みではありません。IBJ加盟相談所では独身証明書・収入証明などの書類提出と所定の審査があり、これは全員共通です(必要書類は相談所や連盟によって異なります)。希望に沿えないと言われた場合は、どの条件が理由かを具体的に確認してください。書類や就労形態の整理で解決する場合もありますし、別の相談所で経験のある担当者に当たる選択肢もあります。

Q. 相手には障害のない方と障害のある方、どちらを希望すべきですか?

A. 「べき」はありません。ただしどちらを主に探すかは先に決めたほうが動きやすいです。理解を求める相手と、同じ立場を共有する相手とでは、プロフィールの書き方も伝える内容も変わります。両方に同じ文面で申し込むと、どちらにも届きにくくなりがちです。迷う場合は、まず3か月どちらかに寄せて動き、承諾の動きを見て見直す方法もあります。

今日からできる3つのこと

最後に、読み終えてすぐ手をつけられる順番に整理します。

  • できること/配慮してほしいことリストを書く(30分)。生活の項目ごとに3段階で。配慮の項目は「理由+具体的な依頼」の形に直す。
  • プロフィールの開示文を2〜3文で作る。手帳の有無・等級・就労状況の事実だけ。主観的な程度表現と「迷惑をかけない」は外す。
  • 世帯のお金を一度試算する。自分の収入+障害年金を書き出し、自分が受けているのが障害厚生年金か障害基礎年金かを確認したうえで、加給年金の対象になるかを年金事務所で聞く。数字が見えると、相手に伝えるときの落ち着きが変わります。

要点をまとめます。

  • 専門の場しか選べないというのは誤解。判断基準は障害の有無ではなく、就労の継続・自分の言葉で説明できるか・配慮の依頼が具体的かの3点
  • 配偶者あり率には障害種別で大きな開きがあるとされるが、年次・母集団の確認できない参考値。年齢構成の違いもあり、一般人口との単純比較はできない
  • 開示は1回のイベントではなく3段階。プロフィールは事実2〜3文、お見合いで生活の具体、真剣交際でお金と通院の詳細
  • 障害年金は結婚しても止まらない。ただし配偶者加給年金が付くのは障害厚生年金1級・2級の方だけで、障害基礎年金のみなら対象外。収入要件・支給停止要件・届出の確認を
  • 断られたら、障害のせいと決めつける前に理由を具体的に聞く。担当者を変える・併用する・条件を書き直すの3案で考える

本文の数値は公表統計・公表資料に基づく目安です。制度の要件や相談所の料金は改定されるため、手続きや契約の前には必ず公式の窓口・書面でご確認ください。現場の傾向として書いた部分は統計値ではなく、成果には個人差があります。

出典

  • 厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」…配偶者あり率(身体60.2%/精神34.6%/知的2.3%)は同調査をもとにした二次的な集計として流通している参考値。原典の調査年次・集計条件は未確認
  • 厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果」(障害種別の平均賃金)
  • 障がい者総合研究所(株式会社ゼネラルパートナーズ)「障害者の結婚に関する意識調査」2017年6月9〜14日実施・有効回答478名
  • 内閣府「令和7年版障害者白書」(障害者数の母集団)
  • 日本年金機構「障害厚生年金」および加給年金額に関する案内(対象・生計維持要件・支給停止・届出。加算額は年度ごとに改定されるため本文には記載していません)
  • オリコン「結婚相談所の料金相場」(入会金・総額・成婚料の相場)
  • 日本仲人協会 加盟相談所ページ(障害者専門相談所の料金実例)
  • 茨城県石岡市 結婚支援に関する補助事業ページ(障害の有無を問わない一般施策の実例)

この記事を書いた人

さかとく

婚活サロン 彩星(さいせい)主宰/IBJ加盟結婚相談所 現役カウンセラー

IBJ加盟の結婚相談所で現役カウンセラーとして活動中。これまでに累計200名以上を担当し、今も第一線で数十名を並行サポートしているため、今の市場と現場を踏まえた助言ができます。ウェブマーケティングのライターとして培った「選ばれる見せ方」と、年間数千人の応募が集まる企業で人事部長として採用責任者を務めた「人を見極める視点」を、婚活に翻訳してお伝えしています。

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